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好きなあの子にテイムされた俺、最弱スライムだけど彼女を守るためなら最強になります!  作者: ミコジ


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8/20

ここってエッチなホテル?

今日の寝床を探さなきゃならない。明日からは富士山に向かう長い旅が始まる。美穂も奈々もしっかり休んでもらわないと。


(確かこっちの方にホテルがあったはずだ)


俺は美穂の肩の上でピョンピョンと跳ねて、美穂を誘導した。


「ピーちゃん、こっちの方向?」


美穂が俺の動きに合わせて歩き出す。奈々も隣についてくる。暗い夜道を三人で歩く。遠くでモンスターの咆哮が聞こえるが、気配察知に近づいてくる反応はない。


しばらく歩いて、ホテルが見えてきた。美穂が立ち止まって建物を見上げている。


(お城のような建物だな。ピンクのネオンで…ホテル天使の宿?)


美穂が驚いた顔で俺を見る。


「ピーちゃん、ここに入りたいの?」


俺はああゆっくり休んでくれという感じで「ピーー」と鳴く。美穂は少し戸惑いながらも頷いてドアに向かう。


(中に入ってビックリした)


丸い巨大なベッド。ガラス張りの丸見えの浴室。ベッドの上にはゴムやらマッサージ器やらが置いてある。


(やばい。ここってそういう目的のホテルだったのか!)


俺の体が激しく震えた。焦ったらダメだ。俺はスライムだ。何も知らないスライムだ。ピーちゃんは何もわかっていない。そうだそうだ。


「わあ、お部屋すごいねえ。ベッド丸いよ!」


奈々が目を丸くしてはしゃいでいる。この子は気づいていないらしい。


美穂は…気づいているみたいだ。引きつった笑顔で部屋を見回している。


「えっと…まあ、泊まれるならいいよね」


美穂が無理やり納得したように頷く。


奈々が浴室に駆け込んで声を上げた。


「お風呂おっきいー! 美穂一緒に入ろうよ!」


「うん…いいよ」


美穂の声が引きつっている。やっぱりここがどういう場所か知っているんだな。


奈々がすぐに服を脱ぎ始めた。制服のブラウスを脱ぎ、スカートを落とす。下着も外して全裸になる。


(先にお湯が出るか確かめろよ!)


と思いながら、目を逸らそうとする。だがスライムの視界は360度見える。目を閉じることも出来ない。見えちゃうんだもん。仕方ないよね。


美穂も服を脱ぎ始めた。ブラウスを脱いだ白い肌に、スカートが落ちる。下着を外して全裸になる。奈々より少しだけ胸が大きい。…いや見るな。


美穂が思い出したように俺を抱き上げた。


「ピーちゃんも一緒にお風呂入ろっか」


(いやいやいや、待ってくれ)


「ピーーー!」


俺の抗議は虚しく、美穂の腕の中で浴室に連行された。二人の全裸の同級生に挟まれて、俺はお湯で洗われる。絶対に俺が秀治だってバレないようにしないと。スライムとしての品格を保たないと。


お風呂から出て、俺は異空間から替えの下着を取り出す。大きいブラが美穂で、小さいブラが奈々だ。


「あ、ありがとうピーちゃん。ちゃんとサイズ別になってる」


美穂が受け取りながら微笑む。奈々も下着を受け取って身につける。


食事をした。異空間からコンビニの弁当を出して、二人で食べる。歩き疲れたのか、奈々は下着のままベッドに入ってすぐに寝てしまった。


「奈々、寝るの早いなあ」


美穂が苦笑しながら奈々の寝顔を見る。可愛らしい寝顔だ。そばかすが少し消えている。


美穂も同じベッドに横になった。奈々の隣で、毛布にくるまっている。


俺はベッドの端で丸くなっていた。見張りだ。気配察知を発動したまま、周囲の安全を確認する。反応なし。安心だ。


ふと、美穂が手に何かを持っているのが見えた。俺と美穂のツーショット写真だ。


美穂がそれを見ながら、また泣いていた。声を殺して、肩を震わせて。


「秀治君…」


小さな呟き。俺の名前。俺の本当の名前。


(美穂、俺はここにいるよ。すぐそばにいるんだよ)


「ピー…」


小さく鳴いても、美穂には届かない。届くはずがない。俺はただのスライムだ。美穂の涙を拭いてやることさえ、人間の手では出来ない。


しばらくすると、泣き声がだんだんと変わっていった。


「んっ…」


色っぽい声。美穂の手がブラの上から自分の胸を撫でている。


(えっ)


美穂が下着の中に手を入れて、ゴソゴソと動かしている。


「秀治君…そこっ…んんっ…秀治君…はぁっ…」


俺の名前を呼びながら一人でしている。好きな人が俺の名前を呼びながら。


(ダメだ。こんなの見ちゃダメだ)


でも好きな人が横で俺の名前を呼びながら一人でしている。スライムの視界は360度。目を閉じることも出来ない。見えちゃうんだ。


(ダメだ!抑えられない)


俺は美穂に近づいた。体を薄く伸ばして、胸に張り付いた。ブラの中に滑り込み、先端の突起を挟んで振動する。スライムの体全体で微細に震える。


「えっ、ピーちゃん?」


美穂が驚いた声を上げた。でもすぐに声のトーンが変わった。


「あっ…んっ…」


美穂の声がドンドン大きくなる。俺は胸を刺激しながら、体を下に伸ばしていく。腹を越えて、下着の中へ。茂みの中の割れ目に張り付いて、同じように振動する。


美穂は自分で触るのを止めて、俺に身体を預けていた。


「あっあっ…秀治君…秀治君…」


俺の名前を呼び続けている。俺はここにいる。人間の姿じゃないけど、確かにここにいる。


美穂の体がビクッビクッと痙攣したように跳ねた。そしてそのまま力が抜けて、寝息を立て始めた。


(いけないことをしたかもしれない。でも美穂が俺の名前を呼んでくれた。それが嬉しかったんだ)


俺はそっと美穂の下着を直して、顔の横に移動した。寝顔が安らかだ。少し微笑んでいる。俺はプルンと小さく震えて、美穂の頬に触れた。


「ゆっくり寝てくれ」


声に出ない言葉を心の中で呟く。美穂の寝息が規則正しく響き始めた。


(これからどうするか)


目標は富士山のラスボスを倒すこと。世界を元に戻すこと。俺を生き返らせること。


でも、富士山までは遠い。この街から直線距離でも百キロ以上あるはずだ。途中でどんな強いモンスターが出てくるかわからない。俺一人で戦うには限界がある。


(美穂と奈々を守る仲間が欲しい)


俺が戦っている間、二人を守ってくれる仲間。

男はダメだ。佐伯たちの件もあるし、奈々が怖がるだろう。人間の男に信用できるやつがいるかどうかもわからない。


(どうにかして戦闘スキルを持っている女子を探したい)


明日から忙しくなるぞ。


朝が来た。美穂が目を覚ます。


「ん…おはよピーちゃん」


美穂が俺を撫でてくれる。今日の顔は昨日よりスッキリしている。


「おはよ美穂。あ、ピーちゃんおはよ!」


奈々も起きてきた。寝起きの顔をこすりながら伸びをする。


「ねえ、今日から富士山に向かって歩き出すんだけど」


美穂が地図を広げる。異空間に入れておいた道路地図だ。


「このルートで行くと…遠いね。何日かかるかな」


「歩いたら一週間くらいじゃない? 途中で車とか見つかれば早いけど」


奈々が地図を覗き込む。


「車かあ。運転できる?」


「免許取ってないよ」


美穂が首を振る。


「私も取ってないなあ」


奈々も困った顔をする。


(おれは、まあ運転出来ないけどな。手がないし)


「ピーちゃんはどう思う?」


美穂が俺に聞く。俺は地図上のルートを見て、途中の大きな町を指すように跳ねた。


「あそこに何かあるの?」


美穂が指差す。


「大きな町だから、人が集まってるかもしれないし、物資も集まってるかもしれない」


(それに戦闘スキルを持った女子がいるかもしれない。仲間を探すなら人が集まってる所がいい)


「ピー!」


「よし、じゃあそこを目指そうか」


美穂が地図を畳む。


「私たち、ちゃんと戦えるようにならなきゃね。ピーちゃんばっかり戦わせてごめんね」


美穂が申し訳なさそうに言う。


「私のテイムスキルって、ピーちゃん以外にもテイム出来るのかな」


「えっ、もっとテイム出来るの? だったら強いモンスターをテイムすればいいじゃん!」


奈々が目を輝かせる。


「でも…ピーちゃん以外テイム出来るかわからないし、そもそもどうやってテイムするかも…」


美穂が戸惑いながら言う。


「とりあえず、町に着いたら色々試してみようよ。私も気配察知をもっと上手く使えるように練習しないと」


奈々が拳を握る。


「よし、出発だね!」


美穂が立ち上がる。俺も肩に乗る。


(仲間を探して、強くなって、富士山に向かう。やることは山積みだ。でも美穂が笑ってる。それだけで俺は頑張れる)


ポヨン。


ポヨン。


俺は今日も、美穂の肩で跳ねている。

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