ダンジョン
愛が手を上げて話し出した。
「あのバイクの人たちみたいに、日本中から戦闘スキルを持った人が富士山目指して来てるんですよね。私たちは急いで行かなくてもいいんじゃないですか?」
美穂が少し考えてから頷く。
「そうかも。私の目的は秀治君に会うことだったから、もう目的は果たしてるんだよね」
奈々も腕を組む。
「うーん、そうだね。ママたちを早く生き返らせたいけど、私たちで戦えるのって小野君だけだもんね。誰かがクリアしてくれるのを待つってのも手だね」
俺は美穂の肩の上で揺れながら考えた。
「俺は早く人間の体に戻りたいけど…美穂たちはここで待ってるか?」
美穂が首を振る。
「多分離れたらテイムが解けちゃうと思う。私の魔力で秀治君が動いてると思うから。テイムが解けたら弱くなっちゃうかも」
「じゃあダメか。うーん悩むな」
俺は考え込んだ。ダンジョンに来ている戦闘スキルを持った奴らがいい人だとは限らない。こんな可愛い子が三人もいたら、変な気を起こす奴らが現れてもおかしくない。これ以上奈々と愛に辛い思いはさせたくない。美穂が襲われても嫌だしな。
美穂がぽつりと言った。
「あと1日だけ待ってみようよ。それでクリアされたらいいし、みんなが行った後にゆっくり追いかけて行けばいいじゃない」
奈々が頷く。
「そうしよう。焦って失敗するよりいいもんね」
愛も小さく頷いた。
「はい。私も、万全の状態でダンジョンに入りたいです」
「よし。じゃあ今日はゆっくりしよう」
俺は異空間からガスコンロと鍋、水と米を取り出した。米を炊いてカレーにしようと言うと、三人が「賛成ー」と喜んでくれた。
美穂が笑いながら言う。
「みんなで合宿みたいだね」
愛が懐かしそうに目を細める。
「部活の合宿でもみんなでカレー作りました」
(まあカレーと言ってもレトルトを温めるだけだけどな)
俺はコンロに火をつけて、鍋に水を入れた。米を洗って……いや手がないから体で包んで揉む。スライムの体で米を洗うのは意外と便利だ。プルプル震わせれば綺麗に洗える。
「ピーちゃん、お米洗ってるの? かわいい」
美穂が俺を見て笑う。
(笑うなよ。元高校生の男がスライムで米を洗ってるんだぞ。シュールだろ)
カレーが出来上がって、四人が部屋に集まって食べた。レトルトカレーでも温かい飯は美味い。三人とも嬉しそうに食べている。
「美味しい!」
「ですね。温かいご飯は嬉しいです」
「ピーちゃん、いつもありがとうね」
食べ終わって、片付けも俺が異空間に放り込んで完了。便利だなこのスキル。
美穂が手を叩いて言った。
「今日は何する?」
奈々がニヤリと笑って俺を見た。
「ナニでしょ、ね。ピーちゃん」
(ナニってなんだよ)
俺の体がプルンと震えた。
美穂が首を傾げる。
「奈々、何の話?」
奈々がにやりと笑う。
「美穂にもお尻の気持ちよさを教えてあげないと。ね、ピーちゃん」
美穂の顔が真っ赤になった。
「えっ、お尻って…」
「えへへ。ピーちゃんがね、すごいの。美穂も絶対気持ちいいよ」
愛も小さく頷く。
「はい。私も…されたんですけど…すごくて」
美穂が俺を見る。目が潤んでいる。
「秀治君…私にもしてくれる?」
(ああもう。美穂がそんな目で見たら断れるわけないだろ)
「ピー…」
俺は声を出せずに小さく鳴いて、美穂の手の中に収まった。
その夜は、美穂の部屋で二人きりだった。奈々と愛は隣の部屋で待機している。
美穂がベッドに横になって、俺をじっと見ている。
「ねえ秀治君。私、秀治君がスライムだって知った時、どうしていいかわからなかった。でも、秀治君がずっとそばにいてくれたってわかって…嬉しかった」
「俺も嬉しいよ。美穂のそばにいられて」
「でも、やっぱり人間に戻ってほしいな。ちゃんと手をつないで、デートして」
「クリアしたら必ず戻る。約束だ」
美穂が微笑んで、目を閉じた。
「うん。信じてる」
俺は美穂の服の間にそっと滑り込んだ。今日は美穂だけに集中する。愛を込めて。
美穂の肌が温かい。胸に張り付いて、先端の突起を挟んで振動する。
「あっ…秀治君…」
美穂の声が漏れる。俺は体を下に伸ばしていく。下着の中に入り込み、茂みの奥の割れ目に張り付く。そして今日は、さらに奥へ。
「えっ…そこ…」
美穂が驚いて体を強張らせる。俺はゆっくりと、慎重に進んでいく。奈々の時みたいに一気にじゃなくて、美穂の反応を見ながら。
「あっ…あっ…そんな…お尻に……」
美穂の声がだんだん高くなっていく。体がビクビクと震え始める。俺は胸と前と後ろ、三か所を同時に刺激しながら、ゆっくり振動を強めていく。
「ああっ…秀治君…だめ…いっ…くっ…あああっ!!」
美穂が弓なりに反り上がって、ビクッビクッと痙攣した。そしてそのまま力が抜けて、寝息を立て始めた。
俺は優しく下着を直して、美穂の顔の横に移動した。安らかな寝顔だ。少し微笑んでいる。
「おやすみ美穂。明日はダンジョンだ。ゆっくり休んでくれ」
(さあて、美穂に変なこと教えた奈々にお仕置きしに行かなきゃな)
俺は悪いスライムの顔で、隣の部屋に行き奈々と愛に襲いかかった
次の朝、全員で朝食をとった。俺はパンと紅茶を配った。
美穂が起きてきて、ニコニコしている。昨日の夜のおかげか。
奈々が美穂の顔を見てニヤリと笑う。
「美穂、いい顔してるねえ。昨日、声聞こえたよ」
美穂が真っ赤になった。
「奈々! 聞こえてたの!?」
「壁薄いからねえ。秀治君すごかったね」
愛も小さく頷く。
「はい。すごく…聞こえました」
美穂が顔を手で覆う。
「もう恥ずかしくて死にそう…」
俺は咳払いをした。
「まあ、今日はダンジョンに向けた準備だ。ソラが言ってた富士宮のダンジョンに入るぞ」
奈々が表情を引き締める。
「うん。昨日1日待ったけど、クリアしたって話は聞かないね」
愛が窓の外を見る。
「ダンジョンの入り口って富士宮にあるんですよね」
「ああ。ソラが言ってたな」
俺はステータスを確認した。レベル14。スキルは捕食LV2、異空間LV3、体当たりLV2、気配察知LV2、水魔法、怪力LV3、擬態、槍術、剣術、高速移動。かなり強くなった。
「よし、行くぞ。全員で」
「はい!」
三人の声が重なった。
ホテルを出て富士宮に向かう。かなりの登り坂だ、富士山五合目に続く道にダンジョンの入り口があった。巨大な石造りの門。その奥に階段が続いている。
「これがダンジョンか…」
美穂が門を見上げる。
「中はどんな感じなんだろう」
奈々が気配察知を発動する。
「中に気配がいっぱいある。モンスターだらけだね」
愛が盾を構える。
「私が先頭で守ります。ソラちゃん…じゃなくて秀治さんの剣術とピーちゃん…秀治さんの捕食があればいけると思います」
「よし、行くぞ」
俺は門をくぐった。中は薄暗い石造りの廊下が続いている。空気は冷たい。遠くで何かの咆哮が聞こえる。
富士山の頂上を目指して、俺たちの冒険がいよいよ始まる。
ポヨン。
ポヨン。
俺は美穂の肩で跳ねながら、前を向いた。
(美穂。奈々。愛。三人を絶対に守り抜く。そして人間に戻って、美穂と手を繋いで歩く。それが俺の目標だ)
「秀治君、行こう」
美穂が俺を撫でて、歩き出した。
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