スライムVSローパー
石造りの廊下を歩いていく。気配察知は常に展開させている。俺の後ろに美穂、奈々、愛の順で歩いている。
他の人たちはずっと先に行ったんだろうか。誰もいないぞ。気配察知に反応がない。静かすぎる。
「秀治君、誰もいないね」
美穂が小声で言う。
「ああ。バイクの男たちも先に行ったはずだ。先にクリアしてるかもしれないな」
「そうだといいけど」
奈々が俺の背中に隠れるように歩いている。
「ねえ、ダンジョンって何階くらいあるのかな」
「わからない。ソラが……ゲームマスターが言ってたのは頂上まで続くダンジョンってことだけだ」
愛が盾を構えて歩いている。
「十階くらいかな、富士山の頂上までだから…もっとあるのかな」
「わからない。けど、とにかく上に行くしかない」
その時、気配察知に反応があった。でかい。
「止まれ。気配がある。上だ」
三人が足を止める。カサカサと音がして上を見ると、2メートルはあるムカデが天井を這っていた。無数の足が壁をカサカサと擦る音が響く。
「うわっ、気持ち悪っ」
俺が思わず口を出すと、奈々が「いやぁーーーーー!」と悲鳴を上げた。
「奈々! 落ち着け!」
無理だった。奈々がパニックになって走り出す。
「奈々! 待てっ!」
聞いてない。俺は美穂と愛を見る。
「愛、奈々を追いかけてくれ。俺はこいつを倒してから追いつく」
「わかりました」
愛が奈々を追いかけていく。俺はムカデと対峙する。
ボトッとムカデが天井から落ちてきた。2メートルの体がうねうねと蠢いている。
「来いよ」
俺は捕食を発動してムカデに飛びついた。背中にジャンプして頭から包み込んでいく。ムカデは丸まったり暴れたりして引き剥がそうとしてくる。無数の足が俺の体を蹴るが、スライムの体には通じない。
じわじわと捕食していき、やがてムカデは動かなくなった。
【レベルが20に上がりました】
【スキル『毒液』を獲得しました】
一気にレベルが上がった。ムカデの経験値がデカかったのか、それともダンジョン内のモンスターは強いのか。どっちにしてもよかった。
急いで美穂と奈々を追いかける。廊下を走って角を曲がると、奈々と愛の悲鳴が聞こえた。
「いやぁっ! 離して!」
「やめてください!」
急いで行くと、スライムみたいな体に触手が何本も生えているモンスターに奈々と愛が捕まっていた。触手が二人の服を溶かしていて、全裸になっている。
(コイツは……ローパーか!)
奈々と愛の手足を触手が絡め取っている。
「奈々! 愛! 2人を離せ!」
俺は捕食を仕掛けるが、ローパーは奈々と愛を盾にして俺の前に出した。近づけない。
その時、ローパーがいきなり話し出した。
「またカワイイ女の子が来たぞ。俺の獲物だ」
俺の体が強張った。
「お前喋れるのか?」
「お前だって喋ってるじゃないか。グフッ。俺は触手のエロアニメを見ていたらモンスターに殺されて、気がつけばココでこんな姿になっていたんだ。グヘヘ。神さまが俺に触手プレイを楽しめって言ってくれているんだ」
(こいつ……俺と同じか。人間だったのがモンスターになったのか)
「無理矢理なんて人間のする事じゃないだろ!」
「俺はモンスターだからいいんだ。グヘヘッ」
話ながらも奈々と愛を触手で触りまくっている。奈々が声を漏らし、愛が涙を流している。
「やめろっ!」
俺は判断した。擬態を発動してソラの姿になる。異空間からソラが使っていた日本刀を取り出す。
「えっ? ソラちゃん?」
ローパーが目を丸くする。
高速移動と剣術を同時に発動。一気に近づいて触手を全て斬り飛ばした。
「ガッ!?」
触手が切られて奈々と愛が落ちてくる。俺は素早く二人を受け止めて美穂の所まで下がる。
「大丈夫か?」
「ひどい……服が……」
「着替えは出すからちょっと待て」
俺は異空間から着替えを取り出して二人に渡した。美穂が二人を連れて部屋の陰で着替えさせる。
その間に俺はもう一度高速移動でローパーに近づく。
「お前はラスボスを倒すまで死んでろ」
日本刀で切り刻む。触手を失ったローパーは逃げることも出来ずに、細かく切り刻まれていった。
小さな破片になったローパーを捕食する。
【レベルが24に上がりました】
【スキル『触手』を獲得しました】
(触手か……。あのエロいローパーのスキルか。まあ、使えるかな)
(俺と同じようにモンスターになった奴もいたのか。エロいローパーだったな。エローパーか!)
美穂の所に戻ると、奈々と愛が着替え終わっていた。二人ともまだ震えている。
「奈々、パニックになるなよ。虫が嫌いでも走り出したら危ないだろ」
奈々が俯いて、素直に「ごめんなさい」と言った。
「まあ、虫が嫌いならしょうがないか。俺が守るから信じてくれ」
「秀治君ありがとう」
奈々が俺を抱きしめて胸に押し付けてきた。ノーブラの胸が柔らかい。
(柔らかいな…っていや、今はそうじゃない)
奈々がまだ震えている。愛もハァハァ言っている。
「ねえ、一度ホテルに戻らない?」
奈々が小声で言った。
「うん。私も疲れたから戻りたい」
愛も頷く。二人ともかなり参っているようだ。
「わかった。今日は一度戻ろう。明日は気合入れて行くぞ」
美穂が俺を肩に乗せてくれる。
「そうだね。今日はゆっくり休もう」
ダンジョンの入り口まで戻って、ホテルに向かう。歩きながら美穂が小声で言った。
「秀治君、あのローパーって人間だったの?」
「ああ。俺と同じように人間だったのがモンスターになったみたいだ。ただあいつは…触手のエロアニメ見てたらしい」
「えっ」
「俺も触手のスキルを獲得したけど…あんな風には使わないよ」
美穂が少し笑った。
「秀治君なら大丈夫だね。ねえ、ホテル戻ったら今日は何する?」
(何するって。まあ、さっき奈々と愛が参ってるから、ゆっくりさせたいけど)
「とりあえず飯食って、風呂入って、ゆっくりしよう。明日は本気でダンジョン攻略だ」
ホテルに着いて、部屋に入る。俺は異空間から弁当とお茶を出した。三人が食べながら話し始めた。
「秀治君、あのローパー怖かった」
奈々が身震いする。
「触手が服を溶かして…あそこから先は嫌だった」
愛も頷く。
「私も。最初は普通のモンスターかと思ったら喋り出して…」
「あいつは駄目だ。人の心があってあんなことするのは最低だ」
俺が言うと、美穂が俺を撫でてくれた。
「秀治君が来てくれて本当によかった。もし秀治君がいなかったら…」
「俺がいるから大丈夫だ。もう誰にも触らせない」
「うん」
美穂が微笑む。
「さあ、風呂入ってこいよ。俺が見張ってるから」
三人が順番にシャワーを使った。俺は異空間からパジャマを出して配る。みんな着替えて少し落ち着いた。
奈々が俺を見て言った。
「ねえ秀治君。今日は一緒に寝ていい?」
「いいけど。怖いのか?」
「うん。あのムカデもローパーも怖かった」
愛も小さく頷る。
「私も…一人はちょっと」
美穂が俺を抱きしめる。
「じゃあ今日はみんなで一緒に寝よう。秀治君もいるし大丈夫だよ」
(よし。今日はみんなで寝て、明日はダンジョンを本気で攻略する。富士山の頂上まで行くぞ)
と思ったら、奈々と愛がパジャマを脱ぎ出して言う
「ピーちゃん、触手プレイしよ♡」
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