ソラという少女
みんなが寝静まった深夜、俺は気配察知を展開して警戒していた。周囲にモンスターの気配はない。安全だ。
ふと、視線を感じた。ソラだ。
暗い部屋の中で、ソラがじっとこっちを見ている。無言で。ずっと。
(なんか怖いな。無言でずっと見てるぞ)
ソラからしたら俺が怖いのかもしれない。モンスターだしな。
でも目が合っているはずなのに、ソラは瞬きもしない。人形みたいだ。
朝までずっとそんな感じで、視線を感じていた。寝なくて大丈夫なのかな。
朝になって全員にパンとジュースを出していく。
ソラがジュースを一口飲んで、「冷たい」と驚く。
美穂が得意顔で説明する。
「ピーちゃんの異空間は時間が止まるんだよ。だからずっと冷たいままなの」
「すごいですね。そんな力が」
ソラが目を丸くしている。初めて驚いた顔を見たかもしれない。
ホテルを出て富士山に向かって歩いていく。
奈々が首を傾げる。
「ねえ、登山口ってどこにあるんだろうね」
ソラが呆れた顔をした。
「知らないで歩いてきたんですか?」
美穂もへへへと笑う。
「えへへ、富士山目指してたらいいかなって。何も調べてなかったよ」
「あなたたち…」
ソラがため息を吐く。
「御殿場はもう過ぎたから、次は富士宮です。そこに頂上まで続くダンジョンが出来ていますから、それを攻略したらゲームクリアですね」
俺は「ピーーーッ!」と鳴いた。
(よく知っているな。ダンジョンがあるのか。ゲームマスターが作ったのか)
美穂も目を丸くする。
「ダンジョンがあるの? ソラって物知りだねー」
「ちょっと調べただけです」
ソラが淡々と答える。
奈々が頷く。
「じゃあ富士宮まで歩いたら、そこで泊まりだね。疲れたままダンジョンに入るのはダメでしょ」
「そうですね。万全の状態で挑まないと」
愛も同意する。
(それもそうだな。美穂たちの安全が第一だ。それに他の奴らが先に攻略してくれたらそれでいいしな。バイクの男たちも先に向かってたし)
そんなことを話していたら、モンスターの気配が3体こっちに向かってくる。奈々もすぐ後に気づいた。
「待って。気配がある。3体。こっちに来てる」
俺が前に出ようとした、その瞬間だ。
横からソラが飛び出した。
日本刀を抜く。銀色の刃が朝日に光る。
そのまま走り込んで、3体を一瞬で斬り捨てた。
見えたかどうかも怪しい速さだった。
錆びた剣を持ったガイコツのモンスターが、カタカタと音を立てて倒れ、煙になって石に変わる。
ソラは石に目もくれず刀を鞘に収めた。
「行きましょう」
強い。
美穂と奈々と愛がぽかーんとしている。口を開けて立ち尽くしている。
俺が石を食べて、美穂の肩に乗ると、三人がハッと我に返ってソラを追いかける。
「ソラちゃんすごい!」
「一瞬だったよ!」
「かっこいい…」
ソラが振り返って少しだけ首を傾げた。
「大したことありません。それより先を急ぎましょう」
富士宮市に入った。これ以上行っても何もなさそうだったので、まだ早いけどビジネスホテルに入ることにした。
奈々が提案する。
「今日はゆっくり休むために一部屋ずつにしようよ」
「そうですね。明日は大事な日だから、しっかり休まないと」
愛も頷く。
(一部屋ずつか。これはまた俺を使ってオナニーをする気だな。女の子って男が思っているよりもエッチなのかもしれない)
美穂の部屋で、とりあえず食事をしながら明日からのことを話した。
「明日はダンジョンに入るんだよね。どんな感じなんだろう」
「モンスターがわんさかいるんでしょ。ピーちゃんのご飯がいっぱいだね」
「愛ちゃんの盾とソラちゃんの剣があれば安心だね」
それぞれ部屋に帰っていく。奈々と愛が振り返って「ピーちゃん、後でお願いね」と言ってきた。
俺は「ピー」と答えた。俺も嫌いじゃないしな。
美穂の部屋で、俺は優しく美穂をケアして眠らせた。美穂は小さな声で俺の名前を呼んで、すぐに寝息を立て始めた。
次は愛だ。愛の部屋に行く。愛をめちゃくちゃにして、絶叫させて、眠らせた。愛は相変わらず「やめて」と言いながら「もっと」と求めてくる。可愛い奴だ。
さて、次は奈々だな。
部屋に入ると、奈々が裸で待っていた。
「ピーちゃん、待ってたよ」
(今日も元気だな奈々)
「ピーーーッ!」
俺は鳴いて、奈々に飛びついた。スライムでオナニーする子にはお仕置きだ。
身体中に張り付いて性感帯を全て刺激していく。両手を押さえつけて、胸、口、股間、お尻、全てに侵入して振動する。
「んーー! んーー!」
奈々は口の中に俺の体が入っているので声がくぐもっている。でも身体は激しく反応している。腰が浮き、足がピーンと伸びる。
しばらく続けると、ビクッビクッと痙攣して身体が跳ねた。そして動かなくなった。
(この瞬間は慣れないな。大丈夫かな)
顔を見ると、気持ちよさそうに寝ていた。大丈夫そうだ。
布団をかけてやり、部屋を出る。
(さて、ソラはどうするか。ちょっと部屋を覗いてみるか)
ソラの部屋のドアの隙間から中に入る。中に入ると、ソラがベッドの上で横になっていた。
寝ているというより、機能を停止しているって感じがする。目を閉じているが、呼吸がほとんどわからない。
(まあ、ちょっとだけ触って嫌がるようだったら止めるか)
俺はソラの服の間にそっと潛り込んだ。
胸に触れる。
(あれっ? 乳首が無いぞ)
胸の膨らみはある。でも先端に突起がない。ただの滑らかな曲面だ。
(おかしいな。人間ならあるはずだろ)
股間に体を伸ばす。
(あれっ? こっちも毛も無い。割れ目も無い。本当に人形のような身体だ)
俺の体が強張った。何だこれは。人間じゃないのか?
その時、ソラが動いた。
目を開く。大きな黒い瞳が俺を捉える。
「なぜ、わかった?」
低い声だった。今まで聞いたことのない声色だ。
「私がゲームマスターと気づいて、捕食しにきたんだろう?」
(えっ?)
俺の体が激しく震えた。
(ゲームマスター? ソラが? あの空に現れた巨人?)
「ピーピーピー!」
(いやいやいや、そんなの知らないよ。ちょっと触っただけだよ。ていうかお前がゲームマスターなのか?)
俺の混乱をよそに、ソラがゆっくりと起き上がった。
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