文化祭の様子がおかしい2
『宇宙カフェ』
『魔法少女喫茶』
『前世の恋愛劇』
『風紀講座』
「……」
どうしてこうなった。
文化祭の出し物を決めているだけなのに、どうしてまともな案が一つもないんだ。
「多数決にするか?」
俺がそう言うと、全員が頷いた。
「じゃあ、手を挙げてくれ」
まずは宇宙カフェ。
「宇宙カフェがいい人」
佐々木が勢いよく手を挙げた。
「一票」
次に魔法少女喫茶。
「魔法少女喫茶がいい人」
高橋が手を挙げた。
他のクラスメイトも手を挙げる
「六票」
「あなたも手を挙げて」
「なんで俺まで?」
「バディだから」
「その設定まだ続いてるのかよ」
次に前世の恋愛劇。
「前世の恋愛劇がいい人」
転校生が手を挙げた。
「六票」
「あなたも」
「俺はいい」
「前世からの約束ですよ?」
「今世の俺には関係ない」
「……そうですか」
転校生が少し寂しそうな顔をする。
「頼むから罪悪感を植え付けないでくれ」
最後に風紀講座。
「風紀講座がいい人」
田中が手を挙げた。
「一票」
「なんでみんな挙げないんですか!」
「当たり前だろ」
すると山田先生が手を挙げた。
「俺はお化け屋敷がいい!!」
「先生は投票権ないですよ」
「教師にも青春する権利はある!!」
「意味わかんないですよ」
俺は黒板を見つめる。
このままだと魔法少女喫茶か、前世の恋人劇。
クラスで投票していないのは俺だけ。
完全に詰んでいる。
「……じゃあ」
俺はため息をついた。
「全部やればいいだろ」
「「「「「!」」」」」
全員の目が輝いた。
「宇宙カフェ」
佐々木。
「魔法少女喫茶」
高橋。
「前世の恋愛劇」
転校生。
「風紀講座」
田中。
「……」
俺は嫌な予感がしていた。
佐々木が呟く。
「なら、異世界体験型カフェにしよう」
「どういうこと?」
佐々木が黒板に書き始める。
『異世界体験型カフェ』
「宇宙人がいる」
「魔法少女がいる」
「王女がいる」
「風紀委員がいる」
「体育教師もいる」
「……異世界か?」
「異世界だ」
「まあ…ある意味異世界だな」
高橋が手を挙げる。
「私、魔法少女として接客する!」
「うん」
「俺は宇宙人だ!」
「おう」
「私は王女」
「あなたは騎士で」
「もうそれで良いよ…」
「そして田中は風紀監視役」
「了解しました」
「山田先生は……」
全員が先生を見る。
「俺は?」
「体育教師」
「任せろォ!!」
「なんで異世界に体育教師がいるんだよ」
こうして、俺たちのクラスの出し物は
『異世界体験型カフェ』
に決まった。
「絶対ろくなことにならない」
俺の予感は、もはや確信に変わっていた。




