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満開…散り初め 2

おはようございます、店長。


神山さん、おはよう。


あの、後で少しお話があるんですけど……


いいわよ。

じゃあ、開店準備終わったら喫茶室でも行きましょうか。


いえ、そんな‥

休憩時間でかまいません。


たまには、いいじゃない。

音無くんもずいぶん慣れてきたし、任せて二人でさぼっちゃおう。


はい……




じゃあ、音無くんおねがいね。


はい!


何かあったら、携帯に電話してね。


大丈夫ですよ。

俺にまかせて、お二人共ごゆっくり。




それで、神山さん話しって?


ほんとに、急な話しで申し訳ないんですけど…

あたし、近々この街を離れないといけないんです。


ええっ!それで?


それで、多分ここのバイトも続けられなくなりそうなんで。

すいません、勝手言いますけど。


いつからなの?


まだハッキリとは分からないんですけど、あんまり時間がなくて。


そうなの………

残念だけど、仕方ないわね。

神山さんの新刊本のコーナー、楽しみにしてるお客様も沢山いるんだけど


いえ、あんなの誰にでも……


それで?


えっ!?


また、この街に帰ってこれるんでしょ。


いえ…多分そのまま‥‥


もしかして、おめでた?

結婚するとか。


あっ!あっ!違います。

もう、ホント!全然違います。

あたしなんて、もらってくれる人なんて!!


神山さん、自分で気がついてないだけで結構男の人に人気あるのよ。

ほら、音無くんもファンの一人なんじゃないの?


からかわないで下さいよ。

あたしなんか、そんな人気なんて……


ホントよ♪

あ〜ぁ、音無くんなんか落ち込んじゃうだろうな


大丈夫ですよ。

うるさいのがいなくなって、ノビノビするんじゃないですか。


それなら、いいけど……

あっ!電話だ。

はい、あら音無くん。

なに、なにかあった?

あら、そうなの。わかった、すぐに戻るから。


どうしたんですか?


お客様が落丁本の交換に来られてるらしいわ。

「どうしたらいいですか」だって……

交換か、返品しかないじゃない。

やっぱり、まだまだね。


じゅあ、店長、すいませんがよろしくお願いします。


わかったわ。

あ〜ぁ、流麗書房本町店も前途多難だわ。




響子ちゃん!!


……………


あっ!か、神山さん。


なあに、音無くん?


店長から聞いたんですけど、ここ辞めるってホントなんですか?


ホントよ。


もしかして、俺のせい?


どうしてあたしが、音無くんのせいで辞めなくちゃいけないの?


ですよねぇ。

それじゃあ、あっ!?

ああ〜〜〜〜っ!!!


なによ?


けっ、けっ、結婚!?

沖田さんと………


違います。

店長と同じ事、言わないでよ。


それじゃあ………?


音無くんには関係ないの。

あたしの一身上の都合。


関係ありますよ!

きょ‥神山さんが辞めたら、俺どうしたらいいんですか?


別に、そのままでいいんじゃない。


俺の気持ちは、どうなるんです!


気持ちって?


だから、俺の神山さんを好きな気持ち!!


あら、ありがと。

でも、しょうがないんじゃない……


俺、勝手に、いつまでも響子ちゃんの事、好きでいますからね!


うん……ありがと……



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