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落花盛ん

一哉さんへ


本当は、会って話さないといけない事なんだけれど。

メールなんかでしか伝えられない、あたしを許して下さい。

最後の日が来る前に、一哉さんにだけは話しておきたい事があります。


今まで黙っていて、ごめんなさい。

あたしは、ガンなんです。

それも、手の施しようのない末期ガンです。


最初に一哉さんとお話しした時から、あたしの命には期限がありました。


それなのに、黙ったまま でいたあたしは、最低の人間です。

ごめんなさい、どんなに言葉を尽くしても決して許される事ではありませんよね。


でも、これだけは信じて下さい。

あたしは、神山響子は、本当に心から一哉さんが大好きです。


だから、尚更言えなかった………

あたしが、死んじゃう前に、この世界から消えてしまう前に……

少しだけ、幸せな時間が欲しかったんだ。


あたしの、わがままに付き合わせてしまってごめんなさい。


そして、最後に、もうひとつだけワガママを言わせて下さい。

あたしが死んだ後、所さんをお願いできませんか。

少し人見知りですが、優しい気持ちの子です。

きっと、蘭ちゃんのお婿さんにお似合いだと思います。


本当に、身勝手なお願いですが、あたしの最後の心残りなんです。

どうか、よろしくお願いします。



神山 響子


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