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皇太子の婚約者候補から外されたので、完璧令嬢は本性隠すのやめました~捨てられた者たちがもう一度意味を見つける物語~   作者: 春月もこ
第2部「崩れる心」

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第16話「何かが起きている」

アルフォンスがエレオノールに引き続き、カミーユとのダンスを踊っている時だった。


アルフォンスは会場に漂う雰囲気に、非常にわずかな、本当にごく少しの違和感を持った。


しかし他には誰もそれに気が付かないようだった。


歓談は止むことなく、貴族たちは皆優雅に過ごしている。


踊っているカミーユも何かに気がついた素振りはなかった。


(何かが起きている...)


カミーユに対して笑顔をつくり、踊りながら時々話をする。


同時に、辺の人の動きを観察した。


その時、見つけた!


(あれは......アレクシスとレティシア?)


レティシアが、アレクシスのエスコートによりテラスから会場に現れた。


(おかしい...レティシアは、ルシアンと思われる男といたはずだ)


(レティシアはなぜあんなに顔が強ばっているのだ...)


二人は優雅さを取り繕いながら速やかに会場の扉から外への出ていった。


(何かが......)


その後。


(あれは?)


何人かの使用人がテラスから出てきた。


(使用人が、なぜ?)


注意深く使用人の動きを見る。


(あの使用人...動けないのか?)


一人の使用人が支えられるようにして運ばれていく。


(体調を崩したか?)


そう思った瞬間。


取り囲む使用人の隙間から横顔がのぞいた。


見間違いかと思った。


だが、その黒髪だけは見覚えがある。


(まさか......)


次の瞬間には、もう見えなくなっていた。


カミーユとのダンスが終わった。


にこやかな顔を保ちながらカミーユをエスコートし終え、席に戻る。


その時、テラスからもう1人、男が現れた。


(あれは...?見たことの無い顔だが)


(一体何が...)


テラスから戻ったグレイスンは真っ青な顔をしていた。


そして皇后へ退席の挨拶を済ませると、グレイスンを伴って休憩室へ向かった。


そこにはもう、社交界の皇子ではなく。


異変の正体に胸さわぎを隠せない一人の男しかいなかった。


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