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第8話 依頼を求め隣町へ

 ひたすら剣を振り続けた。

 ただ近くに来た敵に対して一振り、また一振り。その度にスタミナが減っていくのが分かる。


「はぁはぁ…あと何体ぐらいだ?」

「はぁ…はぁ…15ぐらいだと…思います…」


 俺とトゥルニーが背を合わせ、乱れた呼吸を整えながら敵を見据える。

 MPの尽きたクィナと戦えないリリーは先に逃がしておいたのは正解だったようだ。

 魔法職を守りながら戦っていたら、ここまで戦えなかっただろう。


「もう少しだっ!!あと少しだけ数を減らすぞ!!」

「はいっ!!」


 今やってるのは時間稼ぎだ。

 クィナにはMPを回復してもらい、ファイアボールで敵を減らしてもらう、その後、俺の高速剣なら5体は倒せるはず。残りはトゥルニーに任せ、その間にクィナのMPが回復したらアイスアローで1体ずつ減らすという作戦。

 上手く行くかどうかは分からないが、ファイアボール発動までに少しでも数は減らしたかった。


「フリート様~!いけま~す!!」


 遠くにいたクィナが声を上げた!

 それを合図に、彼女の元へと走り出す!

 そんな俺たちを敵は追って来るも、


「ファイアボール!!」


 MPが回復したクィナが魔法を放ち、ドゴーンという音と共に、追ってきた敵の数が少し減った。

 残りは10体ぐらいだろうか?


「高速剣!!」


 最後の体力を使い、残りの敵に技を繰り出す。

 確かな手応えとともに、俺は膝を付きあとは仲間に任せる事にした。


「アイスアロー!!」


 その声とともに、近くのウルフに氷の塊が当たり更に一体減らし、


「残り二体、やりますっ!」


 トゥルニーが前に出て、一人奮闘する。

 体力が完全に尽きた俺は、ただその場で見守るしかなかったが、


「隊長~~」


 いつの間にか駆け寄ってきたリリーが、俺にヒールを使う。

 これで怪我は名乗るもののスタミナは回復しない。

 だがしかし、


「リフレッシュ!」


 いつからその魔法を覚えたのか、今覚えたばかりなのかは分からないが、俺のスタミナがグンと回復したっ!!


「おおっ!!リリー、ありがとう!!」

「隊長~、頑張って~~」


 リリーの声援を受け、俺はトゥルニーに襲い掛かっている二体のウルフをあっさり倒した。

 その場で膝から崩れ落ちる彼女に、リリーが駆け寄り、再びヒールとリフレッシュをかけると、


「おお~~~!回復しましたっ!!」

「スタミナ回復は非常にありがたいな。リリー、いつの間にこの魔法を覚えていたんだ?」

「隊長が危ないって思ったら、使えるようになっていたですぅ~」


 ということは恐らく、俺にヒールをかけた時にレベルが上がって使えるようになったんだろう。

 だが、結果的には俺の立てた作戦より上手く行ったから結果的には良かった。


 結局何体倒したか分からないまま、ギルドへと戻ることになった。

 ギルドへ向かいながらアナライズを使うと、トゥルニーとクィナがLv13、リリーがLv12、俺がLv14となっていた。

 苦労の割にはって感じだな。


 ギルドに到着し、早速依頼達成の報告をすると、1800Gの報酬となった。

 依頼報告は自己申告制だが、基本ギルドと冒険者は信頼関係で成り立っている。一応依頼が本当に完了したかは、ギルド員が時々現地に赴き確かめるようで、もし虚偽の報告があれば、当然その冒険者にはペナルティが課される。

 それを分かっているのか、虚偽報告を行う冒険者は基本いない。


 報酬を受け取ったあとは、ギルド2Fへと行き、今日の戦いを振り返る事にしていた。

 今回は危なかった、作戦が上手く行った、リフレッシュには驚いた、以前より強くなった等、各自感想を言い合っていると、


「お前がフリートか」


 振り返るとそこには、筋肉ムキムキの大男が立っていた。

 当然面識はない。

 一応アナライズで強さを見るとLv34、俺より遥かに強い。

 若干警戒をしていると、


「俺はガロンって冒険者だ。3日でDランクになった冒険者がいるって噂を聞いて、どんな奴かと思って見に来たって訳だ」

「そうか、それで感想は?」

「まだ何とも言えないって感じだな」


 それだけ言うと、男は去っていった。

 Bランクは3隊しかいないことを考えると、あのガロンという男はCランクだろう。

 ふと2Fから1Fにいる冒険者たちを見る。

 やはりLv10前半~20前半までが多く、Lv30以上はほとんどいない


 俺は仲間たちに向き直り、


「Dランクの冒険者って多いイメージだが、なぜCランクを目指さないんだ?」


 ちょっとした疑問だった。

 俺たちでさえ戦っていれば、こんな短期間で強くなれたのだ。

 長い期間冒険者をやっていればいずれCランクになれそうなイメージがある。

 俺の問いに対し、みんなも同じ疑問を持ったようだ。


 やがてウルフとの戦闘に関する熱も冷め、小腹が減ったので酒場へと移動。

 そしていつものように夕方ぐらいに宿へ行き、ゆっくり過ごす。

 これが当たり前のような生活になりつつあった。


「という訳でクィナ、膝枕も当たり前のような生活にしたい。よろしく」

「な、何がよろしくなんですか!?」


 慌てているクィナを見るのも楽しいが、特に逃げないし拒まない事を良い事に、勝手に彼女の足に頭を乗せ、今日の疲れを癒すようにくつろぐ。

 前世では味わえなかった賑やかさもあり、割とこの生活を気に入っている自分に気づく。


 ………。

 いつの間にか寝ていたようだ。

 俺の両隣にはクィナとリリーが寝ている。

 いつの間に膝枕から普通の枕に移されたのだろうか?

 ちょっと悔しいっ!!


 朝方起きて、準備をして、それからギルドに向かう。

 そして今日も依頼を探していると、


「護衛任務っていうのがある」

「護衛任務ですか?」


 少し珍しい依頼があったので俺は読み上げた。

 その内容は、行商人が隣町まで行くため、山賊やモンスター等に襲われないよう護衛するというものだった。

 ちなみに報酬も2500Gと、俺たちからすると結構高い。

 この依頼を受けるかどうか悩んでいると、


「それはやらない方がいいぞ」


 と、後ろから声を掛けられた。

 直ぐにアナライズを使ってみるとLv17、俺より強いが、同じDランクと見た。


「なぜだ?」


 と疑問を口にすると、止めに入った男は説明を始めた。

 隣町まで行くと書いてあるが、意外と時間がかかる上に、帰りの運賃は自腹、仮に襲われなかった場合はかなり良い報酬だが、襲われた時が悲惨だという。

 護衛が付いているにも関わらず襲ってくるということは、かなり強い山賊か、強いモンスターとの遭遇率が高いということだった。


「実際俺も最初は護衛任務は楽でいいと思っていたが、先日山賊に襲われてな、俺はなんとか逃げ延びたが、仲間の一人がやられちまって、それ以来、隊はバラバラになっちまったって訳だ」


 この男が嘘を言っているとは思えない。そしてそれが本当なら、確かに護衛任務は相手の強さを選べないという点ではリスクが高いだろう。

 いや、リスクという点だけでいうと昨日の依頼も同じか。


「忠告ありがとう」

「良いってことよ」


 それだけ言うと男は去って行った。

 よくよく考えてみると、護衛任務で仮に戦闘が起きなかった場合、経験が入らず強くなれないのではないか?

 結局その依頼はボードに戻し、討伐依頼を探す事にした。


「ないなぁ~」


 全て見たが、俺たちにこなせそうな依頼が見つからなかった。

 一応あるにはあるのだが、Eランクのもので報酬300Gとかのものだ。

 その依頼を受けてもいいが、宿代の事を考えると、どうにも受ける気にはならない。


 一応もしかしたらと思い、受付嬢にボードに張り出されていない依頼がないかを聞いてみるも、


「あるにはあるんですが、CランクやBランクの依頼ばかりでして、Dランクの依頼は残っていないんです」


 ということだった。

 俺たちが悩んでいると、受付嬢が何かを思い出したかのように、


「そうそう、ここから来たへ行くと、砂漠があるんですけど、その手前にディザーという街があるんですよ。そこならDランクの依頼がまだ結構残ってるかも知れませんよ」


 と、こっそり教えてくれた。

 馬車で5時間と中々遠いところだが、わざわざ受付嬢が教えてくれた事だし、きっと良い案だと信じ、その街へ行く事にした。


 早速馬車に乗り、隣町へと向かう。


「フリート様、お金は大丈夫ですか?」


 その問いに対し、みんなが不安そうに俺を見てくる。

 金袋から硬貨を出し数えてみると、1500G程しか残っていなかった。

 宿屋500G、食事200Gと考えると結構厳しい状況である。

 頑張らないとな。

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