第4話 これが魔法!これがスキル!?
まず最初に作戦を考える前に、クィナの使える魔法を聞いたところ、ファイアボールが使えると答えた。
確かに当たればドカーンだ。
そしてその魔法を元に、二つの作戦案を出した。
一つ目の案は、クィナが魔法で攻撃、それで敵を倒し、残った敵が出てきたら、俺とトゥルニーが対応。
二つ目の案は、俺とトゥルニーが突撃し、敵が集まったところをクィナの魔法で攻撃。
「クィナ、どっちがやりやすい?」
「そうですね、私が最初に魔法を撃った方がやりやすいです。二つ目の案だと隊長たちを巻き込む危険性があります」
「分かった、じゃあまずクィナが魔法を撃つ、そのあと残りを俺とトゥルニーが倒す。あとは隙を見て俺たちを巻き込まない位置に敵がいたら魔法で対応してくれ」
「了解です」
「みんなが傷ついたら、ヒール頑張りますぅ~!!」
作戦が決まったところで、クィナが杖を前に出し敵を見据え、
「燃え盛る炎よ、熱き塊となれ――ファイアボール!」
おおっ!魔法の詠唱ってやはり必要なのか!!
そう感心しながら、勢い良く飛んでいったファイアボールを目で追って行くと、建物にぶつかり、ドカーーーン!!と、でかい音を立て、その近くにいた二体のゴブリンは倒れていた。
しかしその爆音に気づいたのか、わらわらとゴブリンが集まってきて、その数は十体前後!!
この数を俺たちは倒せるのか!?
「クィナ!もう一発ファイアボールを撃つんだ!」
「はい!少々休憩をすればまた撃てます!」
いつの間にか地面に体育座りをしていたクィナが真面目な顔で答える。
つまり、マジで一発でMPが切れたってことかよっ!!
くそっ!!
「トゥルニー行くぞ!!クィナのMPが回復するまで俺たちで何とかするんだ!」
「はい!!」
ズバッ!!ザクッ!!
最初に一撃で、俺もトゥルニーも一体ずつしとめた!!
前回のようにトゥルニーの攻撃が当たらないかもと心配していたが、犬よりも足が遅いのか、ゴブリンには攻撃が当たるようだ。
その後も順調に数を減らして行き、残り三体になったところで、何となく凄い攻撃が出来る気がした!!
「高速剣!!」
自然とそんな技名を口に出し、一振りで複数回攻撃を敵に繰り出し、一瞬で三体同時に倒してしまった。
「はぁはぁ、こ、これがスキルかっ!!」
「隊長、凄いですっ!!」
隣にいたトゥルニーが驚いた様子だったが、これはスタミナを持っていかれるなっ!!
俺が片膝を地につけ、呼吸を整えようとしていると、何かが肩をかすめた。それが何なのか確かめると『矢』だった!!
飛んできた方向に目を向けると、弓矢を手にしたゴブリンが建物の上に一匹残っていた!
再び俺目掛けて矢を放とうとしたところ、
「ファイアボール!!」
という声がしたと思ったら、建物の上にいたゴブリンがドガーーーンと弾け飛んだっ!!
振り返ると、クィナが杖を下ろし、再び座り込んでいた。
シュールだ。
しかし助かった。いや、それよりも――
「なあクィナ、魔法って詠唱なくても撃てるのか?」
そんな素朴な疑問をぶつけてみると
「はい、もちろん撃てます」
と大きな声で答えてくれた。
だったら最初の詠唱は何だったんだっ!!
それは、また今度機会があれば聞いてみよう。
そんな事を考えていると、今度はリリーがやってきて、俺たちにヒールを使ってくれた。
ゴブリンとの戦闘で多少ダメージを負っていたから助かった。
街へ帰る途中、全員をアナライズすると、トゥルニーがLv9、クィナがLv8、リリーがLv8、そして俺はLv10になっていた。
ずいぶんレベルの上りが速いが、これはゲームと同じくレベルが低いうちは上がりやすいっていうことか?
そんな疑問を抱えたまま、依頼報酬である500Gを受け取り、全員へ分配しようとしたが、
「お金はフリート様が預かっててください」
「いやしかし」
「だってフリート様は昨日も宿代を払ってくれました」
「そうそう、隊長が預かっててくれた方が私たちも安心だしね」
どうやらみんなにお金を分配するより、俺が預かって管理する事を望んでいるようだ。
「隊長ぉ~、お腹減りましたぁ~」
リリーが自身の腹を撫でならが訴えてくる。
言われてみれば確かに腹が減っている。報酬500Gも入ったことだし、酒場へ寄る事にした。
酒場と言っても、ジュースもあるし、普通の料理もある。大衆が集まる大食堂のようなものだ。
そこで気分よく飲み食いし終わったあと、俺たちは宿屋へと戻った。
「ふぅ~、まだ夕方前だが、動きたくねぇ~」
他三人も同じようで、もうすっかり休憩モードだ。
その場でだらだらしながら、クィナに魔法について問いかけた。
「魔法って一回使ったらMP切れ?」
「はい、私はまだ未熟なので、直ぐMPが尽きるんです」
と前置きし、もうちょっとMPが増えれば連続で撃てる気がすると答えた。
だが俺の予想ではレベルが2も上がってたことから、多分最大MPは増えていて連発可能だろう。
次にトゥルニーにスキルのことを尋ねた。
「さっき俺はスキルを使ったが、スキルが使えるのってそんなにすごいのか?」
するとトゥルニーは首を横に振り、
「高速剣というスキルが凄いんですよっ!あれってCランク以上の人が使うスキルなんですっ!E…いや、Dランクでも使っている人見た事ないですっ!」
そう興奮気味に言ってきた。
もしかして俺が凄い疲れたのは、レベルに見合わない強いスキルを使ったからっていう可能性はあるだろうか?
俺は少し考えてから立ち上がり、少しギルドに行ってくると告げ、一人でギルドへ向かった。
ギルドに着くと早速受付の人に声を掛け、
「スキルについて聞きたいのだが――」
と切り出し、スキルに強さみたいなのがあるのかを聞いてみた。
すると俺に合わせてか、戦士が覚えるスキル一覧のようなものを見せてくれた。
あくまでその一覧は、ランク別にスキルが載っており、俺が使った高速剣はCランクとなっていた。
併せて、ランクの高いスキルとランクの低いスキルだと、疲労度が違うのかも聞くと、予想通り、高いランクで覚えるとされているもの程、体への負担が大きいということだった。
スキルについて分かったところで、以前から気になってた事を聞く事にした。
「俺は今Eランクなんだが、どうやったらDランクになるんだ?」
ランクが上がれば受けれる依頼も増える。
だから簡単な条件でランクが上がるなら上げたい。
「ランクは、ランクアップ試験を受け、合格することで上がります」
「その試験内容は?」
「試験内容はその時々で変わりますが、こちら側でDランクの依頼を渡すので、その依頼を達成出来たらランクアップとなります。詳しい内容が記載された紙を渡しますね」
そう言って、受付嬢は1枚の紙を渡してくれた。
俺はそれを受け取り、再び宿へと戻っていった。
宿に着くなり、ベッドでだらだらしてる仲間に、さっきギルドから受け取ったランクアップの内容が書かれた紙を手渡した。
クィナが手に取り読み上げる。
「――なお、合否に関わらず、試験を受ける際には1000G必要となります!?」
「つまり失敗したら1000G没収されるって事?」
「1000Gは大金ですぅ~」
そうなのだ。
試験で一番の問題は、そこだけだ。
幸いなことに、俺の金袋にはまだ2000Gちょっと残っている。
「俺は受けたいと思っているが、みんなはどうだ?」
「そうですね、お金があれば受けたいですが、そんな大金ありませんし…」
「Dランクの試験って難しいよ~!」
「隊長にお任せしますぅ~」
俺はやや考えてから、やはり受ける事にすると答え、試験を受ける金があることを教えるため、金袋の中身をテーブルの上に置いた。
三人とも少々驚いた様子で硬貨を見ていたが、
「これなら試験を受けてみたいかも…」
「そうだね!受かったらDランクになって、Dランクの依頼も受けれるからねっ!」
「Dランクになりたいですぅ~」
どうやら一番の懸念はお金だったようで、みんな受けたい気持ちは強かったようだ。
早速明日受けると告げ、今日はゆっくり休む事にしようと提案。
みんなもそれに賛成してくれたから、
「じゃあクィナ、俺は今日スキルを使って疲れたから、きっちり疲れを取るために、膝枕が必要なんだ。分かるね?」
「えぇぇぇぇ!?」
恥ずかしがるクィナに、いいじゃんいいじゃんとお願いすると、やっと折れてくれて、俺はクィナの膝枕をゲットしたっ!!




