第29話 Bランク試験に挑戦
新しいスキル、新しい武器。
俺たちは確実に強くなっている!!
ギルドへ行き、Bランクの依頼を見に行く。
もちろん、Bランク試験が受かるかどうか知るためだ。
ランク試験は大体そのランクの依頼、その中でもかなり簡単なものが出されると考えている。
しかし肝心のBランク依頼がボードに無い。
Bランクは3隊いるのに、依頼が一つも無いというのはどういうことだろうか?
疑問に思い、ギルド嬢に聞いて見ると、
「それはですね、Bランク冒険者の方々には、ギルドから依頼をお願いしているんです」
と教えてくれた。
確かに俺達にも時々ギルドから依頼をお願いされることもあるが、ボードに依頼だってある。
詳しく話を聞くと、この街とギルドの状況が絡んでいた。
このレギュンの街での最高ランク冒険者はBランク。
そしてBランクの冒険者にしか任せれない依頼が多数ある。
ギルド側としても、優先して達成してもらいたい依頼があるため、ボードに載せず直接依頼をしている。
「あっ、もしかして、フリートさん、Bランク試験に挑戦ですか?受かったらギルドとしても、とってもありがたいので、是非!」
是非と言われてもなぁ~、じゃあ受からせてくれよ。
ついでにレッサーデーモンより弱いモンスター討伐がいい。
そう条件を付けると、意外にもあっさり、受付嬢は探し出してくれた。
――え?これ、有りなの?
これが有りなら、ガロンやリアギー、スラッドたちも受かるんじゃないか?
等と考えていた矢先、
「これなんてどうでしょう?」
「どれ…”古城に住み着いたヴァンパイアを討伐。報酬15万G"」
どう考えても報酬額的にやばい。
というか、もっと簡単なものは無いのかと聞くも、
「一応私たちも試験は受かって欲しいので、出来るだけ簡単なものを出してはいるのですが…」
まあ、そうだよな。
今までの試験内容を見ていたら、そう思う。
つまり、ギルド側は受からせたいが、結局のところ俺達冒険者側の実力が足りてないと受からないってことか。
こんな事なら、俺の能力で名前を見ただけで強さが分かるようにしておけば良かったぁぁぁ!!
「という訳で、明日、Bランク試験を受ける」
「いよいよですね、フリート様」
「ぶぅ~~~~ん」
一人、ステッキを持って無邪気に駆け回っているが、まあいい。
明日に備えて今日は早めに休む事にした。
リリーはステッキが気に入ったのか、それを抱いたままいち早く眠りに就いていた。
朝、俺はいち早く起きた。
ちょうど朝日が昇ろうとしているぐらいか。
「あ、フリート様、おはようございます…」
どうやら起こしてしまったようだ。
二度寝しても良いと言ったが、一度起きてしまうと中々寝付けないと言うので、二人で他愛の無い会話をしていた。
どのぐらいの時間が経ったのだろうか?
外も少し賑やかになり、他二人も起きてきた。
リリーはまだ眠そうだったため、俺が抱っこしつつ、ギルドへと向かった。
「試験を受けに来た」
そう告げると同時に10万Gを置いた。
それに応えるかのように、
「いよいよですね!」
受付嬢もBランク試験用の依頼を出してきた。
それを手に取り、内容を読み上げる。
"グラッセルまで続く道にゴーレムが転がっている。邪魔だから何とかして欲しい。報酬8万G"
報酬額から考えると、Bランクの中でもトップクラスに安いだろう。
Cランクで一番報酬額が高いものでも8万ぐらいだからだ。
ただ問題は、かなり遠いということだ。
簡易地図には、ほぼグラッセルの街の近くに印がある。
「ちなみにグラッセルの街までの距離は?」
「そうですね~、馬車で6時間ぐらいです」
つまり、遠いし優先度も低いから、試験用に回されたってことか。
しかしゴーレムか。
イメージ的には、生物ではない、岩の塊、大きい、硬い、物理も魔法も効かなそう、といった感じで、強敵感はある。
だが、既に試験料は支払っているし、やるしかねぇ!!
覚悟を決め馬車へ乗り込む。
「誰かゴーレムについて何か知っているか?」
藁をもすがる気持ちで、聞いて見ると、クィナが控えめに手を挙げた。
内容を聞いてみると、大体俺の想像と同じだった。
しかし、新しい情報は2つあった。
1つは、魔法で生み出されたということ。
誰かが魔法の力、つまり魔力を与え、自動で動いている。
つまり術者を倒しても意味がないということだ。
もう1つは、単純に破壊すること。
修復能力を持たないため、破壊していけば倒せるということだ。
大きさや強さについては分からないということだった。
数時間後、グラッセルの街へ到着した。
長旅で疲れたため、一旦街で休んでから試験に挑む。
まずはギルドへ立ち寄ってみた。
「序列は23位か」
街並みから、結構大きいとは思っていたが、序列と街並みは結構比例するようだ。
次に名簿も見てみる。
Cランクが5隊、Dランクは13隊と、結構な規模ではあるものの、やはりBランクは居ないようだ。
最後に、ゴーレムについてギルド員に聞いて見た。
大体はクィナの言ってた事と同じで、今回俺達の討伐対象であるものは『ストーンゴーレム』というものだ。
「って言われても、ゴーレムって全部石じゃないのか?」
疑問に思った事を口にすると、違いを説明された。
そこらへんにある石や岩をゴーレムにしただけなら"ロックゴーレム"で、脆さはある。
一方"ストーンゴーレム"の場合は、加工された石を元にしているため、より人為的であるのが特徴。
つまり、強いということか。
更に弱点になりそうなもの、効果的な武器があるかと聞いたら"つるはし"だと言う。
あの鉱山とかで石を掘り掘りするやつだ。
…いや、戦闘には不向きだろ。
あまり有用な情報を得られないまま、試験に挑む事にした。
街を出て、今度は北に向かう、つまり来た道を戻る形だ。
さて、ストーンゴーレムとやらを探す訳だが、さっき馬車で街道を走っていたが見つけられなかった。
もう一度依頼を見てみると、街道から少し離れたところに印がある。
その印を頼りに歩いていると、もう一本の道があった。
ゴーレムが邪魔で、別の道を作ったんだろうか??
更に歩いて行くと、
「うぇ~~い!!」
「ぴゃ~~~~!!ちねぇーーーー!」
子供たちが無邪気に遊んでいる声が聞こえて来た。
気になって声の方へと向かっていると、地面に大きな石の塊が複数あり、その塊に向かって、子供たちが石を投げていた。
…あれ?
これってもしかして、ゴーレムじゃね??
子供たちは何か知ってるのだろうかと思い聞いてみると、
「そうだよ!こいつ悪いゴーレムだから倒すんだっ!!」
あー、これがゴーレムなんだ~。
はいはい、君たち危ないから下がっててね。今から俺達がゴーレムを倒すからな。
遊んでいる子供たちを避難させ、俺達は戦闘態勢に入る。
アナライズを使うと、Lv44と表示されていた。
そしてレベルが表示されるということは、まだ生きていると言うことだ!!
「行きますっ!!ファイアーストーム!!」
真っ先にクィナが魔法を撃つ!
だが、ゴーレムは微動だにしない。
もしかして、もう死んでる?
「攻撃続けます!!サンダーストーム!!」
炎が消える前に、次の魔法を撃ち出す。
音と光は凄いが、ダメージがあるようには思えない。
魔法を撃ち終え満足したのか、
「フリート様、MPが尽きました。私の役目はここまでです。健闘、ご活躍をお祈りしています」
「…いや、何で勝手に魔法使ってMP枯らしてるの?しかもわざわざ範囲魔法で――」
そこまで言うと、彼女は豹変したように、
「だって仕方ないじゃないですかっ!!魔法効かないんですよっ!!だったらMP尽きるまで魔法を撃って、私!戦いましたっ!頑張りましたっ!そうアピールするしかないじゃないですかっ!!!キーーーッ!!」
ヒステリック止めてね。
彼女はキーキー言いながら、そのまま後方にタタタと走っていって、地面に体育座り。
一応MP回復するつもりはあるのか?
――しかし、
「炎と雷が止まないと、手も出せないな」
「そうっすね」
「ピカピカァ~!!」
範囲魔法の効果が切れる前に、シールドを張ってもらい、リリーには後ろに下がってもらった。
やがて炎は収まり、雷も止み、やっと攻撃出来る状態となった。
「オーラブレイド!!行くぞ、トゥルニー!!」
「はいっ!!」
今、ストーンゴーレムを倒すため、俺とトゥルニーの壮絶な戦いが始まろうとしていたっ!!




