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卒業条件は、同級生の死の真相。  作者: 綴木 律
第二章 全会一致の代償
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第24話 全会一致の順位

 公開質問が終わると、四組の中央モニターから質問欄が消えた。


 しばらく何も表示されない。


 黒田の「忘れ物」という言葉も、


 藤崎の問いも、


 そのまま教室に残っていた。


 けれど、第2試験はもう終わっている。


 中央モニターが切り替わった。


『第二試験 採点終了』


 佐伯が顔を上げる。


 最初に表示されたのは、順位ではなかった。


『全会一致成立数』


『一組 6/6』


『二組 5/6』


『三組 6/6』


『四組 5/6』


 黒田が画面を睨む。


「一問落としただけだろ」


 その下に、次の項目が追加された。


『高配点側成功回数』


『一組 4回』


『二組 4回』


『三組 3回』


『四組 3回』


 久世は数字を追う。


 一組と三組は、六問すべて成立。


 その上で、高配点側を選べた回数は一組が一回多い。


 二組と四組は、どちらも五問成立。


 高配点側成功は二組が一回多い。


 さらに表示が続く。


『主な失点要因』


『二組 第三問 時間超過』


『四組 第一問 全会一致不成立』


 第一問。


 四組が最後まで六人の答えを揃えられなかった問だ。


 一条は何も言わなかった。


 久世も画面から目を離さない。


 表示が切り替わった。


『第二試験 最終順位』


『第一位 一組』


『第二位 三組』


『第三位 二組』


 そして。


『第四位 四組』


 佐伯が小さく息を呑んだ。


「四位……」


 高瀬は画面を見たまま動かなかった。


 黒田の声が低くなる。


「首位だったんだぞ、俺たち」


 第1試験終了時。


 四組は一三〇点。


 四クラスで一番上にいた。


 その数字は、まだ久世の頭に残っている。


 画面に順位点が表示された。


『第一位 +30』


『第二位 +15』


『第三位 ±0』


『第四位 -20』


 四組。


 一三〇から二十引かれる。


 一一〇。


 久世がそこまで計算した時、


 一組の数字も頭に浮かんだ。


 八〇。


 第1試験終了時、一組は最下位だった。


 そこへ三十。


 一一〇。


 同じだ。


 久世はわずかに目を細めた。


「一組と並ぶ」


 一条がこちらを見る。


 佐伯も反応した。


「え?」


「四組は一三〇からマイナス二十。一組は八〇からプラス三十」


 天宮が小さく頷く。


「どちらも、一一〇ですね」


 モニターが切り替わった。


『累計学校ポイント』


『一組 110』


『二組 115』


『三組 115』


『四組 110』


 佐伯がすぐに言った。


「同点……だよね」


 その声には、わずかに安堵が混じっていた。


 最下位が一クラスだけなら。


 同じ点数なら。


 黒田も画面を見た。


「だったら最下位じゃねえだろ」


 久世は答えなかった。


 一一〇という数字だけでは、


 まだ決まらない。


 画面の下に、同点時の処理が表示された。


 累計学校ポイントが同点の場合。


 当該試験順位によって処理する。


 佐伯の表情が止まった。


 第2試験。


 一組は、一位。


 四組は、四位。


 さっき表示されたばかりの順位だった。


「……そんな」


 佐伯が呟く。


 黒田が顔をしかめた。


「結局そこを見るのかよ」


 誰も返さない。


 表示が変わった。


『累計最下位』


 一拍置いて、


 その下にクラス名が出る。


『四組』


 教室から音が消えた。


 高瀬が息を詰める。


 天宮は表示を見たまま、何も言わない。


 黒田も口を閉じた。


 一三〇。


 四クラスの首位だった数字が、


 一つの試験で一一〇まで落ちた。


 一組と同じ一一〇。


 それでも、


 最下位になったのは四組だった。


 一条は中央モニターから、自分の端末へ視線を落とした。


 悔しがるより先に、


 次に何が来るのかを考えているように見えた。


 久世にも分かっている。


 累計最下位クラス。


 その言葉が意味すること。


 四組には、まだ個人合格条件を達成した者はいない。


 通常退学の対象から外れている者も、一人もいなかった。


 佐伯が、確かめるように言った。


「……私たちが、一人選ぶの?」


 誰も答えなかった。


 答えなくても、


 六人とも分かっていた。


 久世は一一〇という数字から目を離す。


 同じ教室にいる五人へ視線を移す。


 一条。


 佐伯。


 高瀬。


 天宮。


 黒田。


 自分を含めて、六人。


 全員で答えを揃える試験は終わった。


 その結果として、


 今度はこの六人の中から、


 一人を選ばなければならない。

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