プロローグ②
だが、第三者としての考えも欲しいと思うようになってきた。
そして、弟子を受け入れた。
良くも悪くも名の知れた魔術師だったがため、弟子に志願してくる魔術師はいくらでもいた。
だが、その中でも際立って目を引く存在がいた。
強い弱い。
実力がある。
考え方が独創的。
彼は、そんなものではなかった。
彼は────私を殺そうとした。
世界最強とうたわれる魔術師にその身一つで、たった一人で挑んできた。
これまで生きてきて、懇願するものや実力を示すものはいたが、殺そうとするものは一人としていなかった。
魔術は想像力ではある。
だが、想像力だけでは動かない。
恐れない、その勇気が重要である。
その子は、一〇歳にして『強くなりたい。だからお前を倒す』と戯言を口にした。
大人気もなく腹が裂けそうになるほど笑った。
初めて、魔術以外に興味を持った。
「旅に付き合ってくれないか? 遠回りになるだろうが、強くはなれる」
そう断言した。
そしてその子、ロアを連れて旅を続けた。
初めての弟子を連れ、5年間世界を回った。
時に喧嘩。
時には、食事を取り合い。
人生の充実した時間を過ごした。
でも、一つずっと考えていたことがあった。
それは、生物には切っても切り離せないもの────────「死」だ。
そして、魔術師は誰も考えてこなかった事をやってしまった。
生命の超越、死の概念を捨て、不老不死を得た。
その方法とは────魔導書との融合だった。




