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入学したのに①
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王都レギウス・オズ。
数々の魔術師の伝承が残され、今もなおその歴史は更新され続けている。
綺麗な薄い乳白色の髪を下ろした少女、ユイ・アルバルドは王都へ向かっていた。
何を隠そう、15歳のユイは今年から「マギアス学園」への入学のため、遠い田舎町から出てきたのだ。
列車に揺られながら「ふんふんふーん」と、陽気な鼻歌を奏でる。
窓の外を後目にデバイスで王都の事を調べていた。
入学することになったのは、ほんの数日前の事。
ユイは退屈な田舎町で生まれ育った。
気軽に話せる友人もいなければ、若者もいない。
ショッピングセンターや映画館、ゲームセンターのような娯楽施設もない。
だが、孤独というものは一切感じなかった。
何もないからこそ、町の人々が助け合い、暖かいコミュニティが形成されていたからだ。
となりのおじいちゃんと盤上ゲームをしたり、商店街の手伝いをしたり、馬や野鳥に餌を与えたりするなどをし、日々を過ごしていた。
退屈ではあれど、暇はしない。良くも悪くも、良い町ではあった。
そろそろ、独り立ちを視野に入れる年ごろになり考えたのは────。
「学校に行ってみたい」




