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道化と冠  作者: 青螢
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作戦の名は

 お久しぶりです……。書きたいことはあるんですが、なかなか文章にしづらい&時間がないで、書けてなくて申し訳ないです……。

 分析とか苦手な作者なんですけどね! 参謀とか格好いいじゃん! とかいう軽い気持ちで黒鷺を分析役にしたので、ちょっと、何言ってるかわからなくなってるところがあるかと思います。文章もあまりよくなくて……。そのような時は何言ってんだこいつーくらいの軽い気持ちで読み飛ばしてくださいませ~(汗

 いえ、本当に力不足で申し訳ないです……。

 真っ先に向かったのは、リリア嬢のとこ。

「クロちゃん! 大丈夫!?」

「でーじょぶさ。ちょいといれとくれ」

 床に車座になってるとこに場所を開けてもらって、ハクと一緒に座る。

 リリア嬢とシエルファ、軍服少女と狐蝶兄貴それから女子二人。ここに桔梗さんが加わって最前線パーティの完成。ちなみにギルド内では結構仲が良かったグループの人たち。だから俺としてはここが居心地よさげなんだけど、ハクはちょっと居心地悪そう。ごめんね。

「“癒しの揺り籠”」

 俺のHPが削れてることに気が付いたリリア嬢が回復呪文を唱えてくれる。

「あ、リリア嬢ありがと。でも気にしなくてよかったのに」

 苦笑いでお礼を言うと、リリア嬢はぷりぷり怒って俺に抱き着いてきた。

「あんな奴に傷つけられたってだけで業腹よ。女の子に何するんだかっ!!」

「「「「えっ!?」」」」

 リリア嬢と狐蝶兄貴以外の四人が驚いたようにこっちを凝視する。んー、なんだ? リリア嬢の怒りっぷり、じゃないよね?

「クロさん、女なの……?」

「あれ、教えてなかったっけ?」「ごめん! 秘密だったよね!?」

 俺の疑問と、リリア嬢の謝罪が被る。

「いんや、かまわんよ? ネナベばれんのめんどいなってだけで、別に秘密ってわけでもないからなぁ。今更女ですってのも言いにくいっちゃ言いにくかっただけでね?」

「あ、あー! よかった! うっかり言っちゃったからどうしようかと」

「きにせんでいいんだぜ。てか、性別は気にしないでくれると助かるんだけども」

「……全っ然わからなかったでありますよ! 声もそうですが、動作に女性らしさを感じられないであります!」

「……それってけなしてるよな? 喧嘩なら買うぜ?」

「クロさんがガサツなのが悪いんでしょ。牛若丸関係ないよ」

「ひどーい。てか、お前もネナベだとはなー……軍服少年が……」

「そろそろ名前覚えてほしいでありますよ! 牛若丸であります! あと少年って年でもないであります……大学も卒業してんですよ? なんですか? 身長ですか? 身長が悪いんですか黒鷺さぁん……」

「急にキャラ捨てないでよ。地雷踏んじゃった? ごめんね!」

 的な雑談を少しして、俺はさっとバスケットを取り出す。

「ご飯作ってきたよ。フランスパンで作ったサンドイッチ。食べごたえもあると思うんだけどね?」

「よっしゃ! おいしいご飯だー!!」

「米喰いたかったなぁ、黒鷺」

「そりゃまた今度。食べたくないならご自由に」

「食わねぇとは言ってねぇだろ」

「野菜たっぷりでありますな。これは美味しそうであります」

「リリア嬢、後よろしく。俺はちょっと解析に入るからさ、副マス頼んだぜ」

「りょうかーい! 一バスケット一パーティかしら。シーエ、行くわよ!」

「はーい」

 ご飯を副マス二人に託した。この攻略を指揮してるギルドだし、部外者メンバーにもこれで受けはいいだろ。リリア嬢可愛いし、まだ子供っぽい子がいって邪険にされることは少ないと思う。よし。

 今は休憩時間だし、腹ごしらえは大事だよね。って感じでハクにも一つ手渡す。バスケットの中に麦茶の水筒も入ってるし、後は皆で何とかしてって感じで。

「……クロは?」

 ハクには渡したけど、自分の分は取っていない俺を見て、ハクは首をかしげる。

「俺ちょっと今から作業。ハクは自由にしてていいけど、ちゃんとご飯食べてね?」

「ん……」

「なんかアウェイなとこ連れてきちゃってごめんね。空気読める子多いから、変に緊張はしなくていいと思うけど」

 そこでちらっと孤蝶兄貴を見ると、わかったと言うように親指を立ててくれた。ついでというようにウインクされたのにはちょっと、ぐらっときた。興味ないけど、ぐらっときた。色気やべぇ。何だこの美中年。兎嬢に写真送ってやろうかな。単体でも大丈夫かな。材料として喜ぶかな。……やめよ、ばれたら殺されそう。

 俺のそんな邪な想像は伝わんなかったのか、狐蝶兄貴はハクを見てそわそわしてた軍服少女と女子二人をいい感じに追いやってくれた。兄貴がちょうど壁になるように、でもグループから離れては見えないような絶妙な位置取り……さすが兄貴、惚れるぜ!!

「まぁ、なんかあったら言ってちょうだい。てか、どっか行きたかったら行ってもいいよ? あの男のとこ以外」

 ここでリード放すとちょっと怖いからなぁ。できれば視界に入っていては欲しいけど。そんな思いが伝わったのか、ハクはぼんやり頷いた。

「大丈夫」

 こっちを見ながらサンドイッチの包みを開くハクを視界の端に収めつつ、俺はアイテム欄からノートパソコンとコーヒーの水筒を取り出す。

 さすがマジの魔法瓶。大分時間経ったと思うけど、まだ中身は熱々だぜ。やけどしないようにコーヒーを啜って、俺は地面にねっ転がった。

「……」

 ハクがあまり良く思っていないような視線をよこしてくるけど、気にしない。あの子は育ちがいいのか、こんな風にだらしない姿を見せると、ちょっと困惑したような目で見てくる。申し訳ないな! でも今はこれが一番やりやすいんだ!!

 ノーパソを開いて、地面に肘をついて視線を合わせる。コーヒー飲むのにはつらい体勢だけど、パソコンやるにはこのくらいの高さがちょうどいいかな。肘痛くなりそうだから早めに処理終えないと。

 画面上にさっきの戦闘の映像を流して、目を通す。

 さて、何が問題だったかな。

 やっぱり物理攻撃があんまり通ってない。打撃よりも斬撃の方が通ってるように見えるけど、微々たるもんだな。あんま変わらん。遠距離の銃弾とか矢も同じくらい。

 属性で言ったら火、次に氷……そんなとこ。通らないのは水・土、かな。

 あ、これもしかしてあれだな、魔法は吸収されてるから減ってないように見えるだけで、物理攻撃って意外と通ってるのかな? ……あー、でも、地面からの蔦攻撃に帽子屋とかは魔法で対応してたし、その分は通ってるよな。

 ……いや。あれ? 魔法って全部吸収されてるな。この魔法と、それと、ダメージ計算。……あってる。魔法は全部吸収されてる。んー? じゃあ蔦撃退してたのはなんでだ?

 とりあえず問題のハクの魔法が当たった瞬間に映像を合わせる。……ハクの魔法が当たった時、頭の花が濃い赤になった。他の魔法の時も見てみる。……みんないろんな属性使ってるから確定ではないけど、花の色がちょっとずつ変わってるなぁ……これもしかしてあの花がキーか? ハクの時だけはっきりってことは、そんだけ強い攻撃だったとか?

 あ、魔法攻撃が当たった瞬間にのけぞってもいるな。蔦攻撃も撃退できてたし、これ、魔法自体は吸収したけど、衝撃は吸収できてないってこと? 俺達で言う、痛みは緩和されてるけど衝撃はそのまま、みたいな?

 そのまま映像を流して、最後まで見る。モンスターは苦しげに呻いて、暴れて、結果はご存じのとおりって感じ。

「ハクたーん」

「っ?」

 急に変な風に呼ばれたからか、少しびくりとしてハクはこっちを見た。俺は画面から目を離さずに聞きたいことを聞く。

「火属性魔法の普通の魔法だよね?」

「ん、レベルで覚える」

 上位職だと固有スキルが増えるけど、そんな魔法を使ったわけではないらしい。レベルで覚えるならどの魔法職でも覚えられるはずだから、特別にこの呪文に反応したとは思えにくい。じゃ、やっぱ強さかな。

 んだば、仮説として、魔法は吸収される。ハクは純粋な魔法職だから、攻撃は全部魔法。つまりチートが発揮できない。でも衝撃としては使えそうだから、ぶっとばすくらいはできるな。

 次に、頭の花が魔法に反応してそうだから、それ無くせば魔法攻撃はいるんじゃね、みたいな。そうでなくても弱点くさい。でもあいつ図体デカいからなぁ。あそこまで攻撃届けるのが大変そう。花ちぎるのは難しいね。

 俺ならいけると思うけど。

 解析結果としては、正直雑い。でもいけると思うんだよね。だって、物理攻撃は通るんだから、もうそれだけで大丈夫ってことでしょ? おけおけ。

「よし、方針はこんなん?」

「なんか決まったか?」

 パソコンに影がかかる。上を見上げると桔梗さんが。

「んー、大体?」

「ほー。……お前コーヒー持ってんだろ、よこせ」

「カツアゲかよ。あいよ」

 水筒そのまま渡す。一人用の水筒だからそのまま口つけるやつだけど、俺も桔梗さんもそんなことは気にせずに普通に飲んでいく。……これだから女子だと思われないんだね? もうちょっと気にした方が良いのけ?

「うまいなー……あぁ、飯もうまかった。さんきゅ」

 コーヒーをうまそうに飲む桔梗さんを見て、まいっかと思い直す。桔梗さんと俺の仲だしな。今更感あるよ、ここに関しては。外から見ればどんな関係だ感すごいんだろうけど。

「おそまつさん。てかたりた? もう二バスケット残ってるけど」

「よこせよこせ」

「カツアゲかよ」

 体を起こしてバスケットを取り出す。このおっさんぱっと見ガリガリでインドアそうなのに、めっちゃ飯食うし職業騎士なんだよな……。なんか腑に落ちんぜ。

 首をひねりながら返されたコーヒーを口に含む。あー、うま。俺も飯くお。

「クロ、御馳走様」

「おそまつさん」

 画面ずっと見てて動かなかった俺が起きだしたから、ハクがそう言葉をかけてくる。食べ終わって結構経ってそうなのに律儀なことで。めっちゃ嬉しいけども。にやけが止まらんぜ。

「んで、なんだって?」

 せっかくサンドイッチにかぶりついたのに、咀嚼する間もなく桔梗さんが聞いてくる。いや、食わせろよ。あんたも食えよ。もーしかたねーなー。

 コーヒーで口をすっきりさせてから、説明し始める。

「さっきも言ったけど、俺前線出るよ。壁にはなれないから特攻ってことで?」

「俺たちは邪魔にならないようにしてりゃいいな?」

「よろしゅう。後さ、たぶんさっきの、下の階の暗号? あれたぶん攻略ヒントだと思うんだわ」

「あー、なんかあったな」

「ん。天井に太陽の模様があったし、月の呪文で日食起きると思うんだよね」

 さっきは天井が光り輝いていた。その後その光が陰って、それが月食ってことだった。つまり天井自体が太陽。今は太陽の模様が描かれてたから、天井自体ってわけじゃないけど役割は変わってないと思う。

「“太陽に輝けるは 永久に続く栄光 緑育てる恵みの光 頂点に輝ける 無欠の王”ってあったじゃん? 緑育てる恵みの光ってのの、緑ってあのモンスターだと思うんだわ。んで、恵みの光が消えれば緑育たないイコール弱まるんじゃないかなって推測」

「なるほど?」

 わかってなさそうな表情で桔梗さんが頷く。

「月の呪文、俺が唱える?」

「ん? なして?」

 ハクがむすっとしつつ聞いてくるから、その提案をわざわざしてきたのに不思議に思った。自分で俺の補助するって言ったのに、他のことしたいのけ?

「お荷物らしいから?」

「……根に持ちなさんなよ……」

 侍男の言葉に、今になって怒ったのか、ハクが珍しく意地悪言ってる。俺の補助も、ハクのチートみには溢れちゃうから、嫌なのかな?

「ハクがいねぇとこの作戦バツなんだけど?」

「やる。でも、クロが倒して」

「そりゃそうだけどね? いや、まぁ、うん。言いたいことはわかるけどさぁ、倒しても俺のにはならんと思うよ」

「クロは強い」

「つってもなー」

「お前ら、お前らだけで会話すんな」

 桔梗さんがむっとして口を挟んでくる。

 あー、ハクと喋ってると俺も時々言葉が消えるからよそから見るとなんで通じてんの? ってなること多いらしいね。ドンマイ★

 ハクとは付き合い長いからこんな感じでも全然通じちゃうんだけどね。

「ま、俺とハクが頑張るって感じで。もしだめだったら月の呪文待機しておくように言っといて。一応さっきは神父服がやってたから、そこは変えない方がいいと思う。あれで呪文の持ち主認定されてたらあれだし」

 時々アイテムと同じように持ち主を認定するスキルがある。ゲーム内にいくつかしかない、その人固有のスキルとかになるから価値は高い。巻物とかで覚えることが多いけど、もしそれと同じような感じになってたらめんどうだから、二度手間をなくすためにさっきと同じ状況を作ったほうがいいとは思うよ。

「わかった。今んとこそんなもんか?」

「そ、あ、あー。あと個人的に桔梗さんのパーティの二人にお願いしに行くわ。もしかしたら借りるかも。もしうまくいかなかったらサポートよろしく」

 桔梗さんが来たからか、狐蝶兄貴たちは少し離れた場所にいた。いつの間にか秘密会議できるような状態だったよ、気が付かなんだ。

 後でそっち寄ってお願いしてこないと。

「後で文章送ってくれ。……じゃあそんな方針で行くか。お前の指示に従う。あの侍は近づけねえようにするから、お前も気をつけろよ」

「あい」

 これでやっとサンドイッチを食べられる。と思ったらまだ残ってたコーヒーが強奪された。

「ちょっと桔梗さん!?」

「まだあんだろ。これもらってくぞ」

「カツアゲかよ!! 俺のコーヒー!!」

 桔梗さんは俺の言葉を聞かずにコーヒーを持って歩いて行ってしまう。今から作戦会議でもすんのかね? でもなんで勝手に持ってくかな? やさぐれてんのかよ。八つ当たりかよ。

 立ち上がんのもめんどくさくて、諦めて麦茶をカップに注いだ。コーヒーはまだあるけど、なんか飲み直す気分でもなくなったわ。ため息一つでいろんな感情を吐き出した。

「まったく、桔梗さんは、もー……」

「……」

 ハクが気遣わしげな視線をよこしてくるから、それに笑顔を向けておく。

「大人げないよね」

「……」

 今度は何を言えばいいかわからないって言う、困惑の視線。

「ごめん、ご飯食べたら帽子屋んとこ戻ろう。ちょっと待ってて」

「ん、ゆっくり」

「あんがと」

 パソコンをかたして、やっと落ち着いてサンドイッチにかぶりつく。もう邪魔してくる人はいない。俺はゆっくりと昼食を堪能した。

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