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27話 防犯セキュリティのレヴィソック

少し残酷な描写があります。


苦手な方はブラバでお願いいたします!


久しぶりの更新です!よろしくお願いいたします!



「おい見ろ。こんな森の奥深くに若い女が一人で生活してるぞ。しかも髪の毛は黒髪だ。ありゃ高値が付く」


 偵察から戻ってきた男が歯抜けの口を大きく歪ませ笑う。

 ズボンの紐を緩ませ、何かを準備し始めたハゲの男が舌なめずりをした。


「売る前に味見だな。……ひひ、久しぶりに若い女を抱ける」


「おい、無茶苦茶するなよ? 悦がらせろ。怪我でもしちゃ売り物にならん」


「金目のもの持ってねぇかな……」



 6人ほどの野盗がそろりそろりと音を立てないように歩く。

人も気づかないほどの獣道の突き当たり、100mほど先の方で柔らかい灯りを覗かせる小さな家に近づいた。



「おい、ガジェとマーク。お前らはいつも通り周りから囲め」


 一番後方にいるはずの新入り2人に声をかける。

 ……だが、いつもの歯切れのいい返事はない。



「聞いてんのか? ガジェ――」


 振り返ると……誰もいなかった。

 今しがた話をしていた仲間が……誰も。


 野盗の頭は慌てて辺りを見渡した。


 ザワザワ……


 耳を澄ませても何も聞こえない。

 木々が不気味に葉を鳴らすだけ。


 気配も感じない。

 たった今、居たはずなのに……。



 一瞬ゾクッとしたが首を振る。


 いいや、大丈夫だ。きっと全員せっかちだから命令も聞かずに配置に着いたのだろうと。


 気を取り直し、前を向いた瞬間。


 ドン。



 なにか、分厚いものにぶつかった。


「!?」



 余りの衝撃によろけながら後ずさりし、目の前のそれを確認する。


 盗賊の頭は思わず息を飲んだ。



 虹色に輝く絹のような髪を風にゆらし

 月明かりを背に浴びた高身長の騎士が立っている。


 耳が……長い。

 罪人達にとって一生出くわしたくない

 残虐非道だと聞く……種族。



「ヒッ! なんでこんな森にエルフがぎゃぁぁぁ」


 有無を言わさず吹っ飛ぶ右腕。余りの激痛に頭はのたうち回る。



「こんばんは」



 次に左腕。


「ま、まっ……ぎゃあああああああ。俺の腕がぁぁぁぁ」



「俺の名前は」



 右足。



「レヴィオン」


 左足。




「あぎゃぁぁぁ!!!!! ああああああ」


「以後お見知り置き……って聞いてないな」



 四肢を失い、泣き叫ぶ男を冷たい視線で見下ろしたレヴィ。

 もう興味が失せたように目の光が消える。



「もう黙れ」


「ぎっ」



 なんの躊躇もなく美しい剣先で跳ねる。

 今、声を出していたはずのそれが呆気なく転がって行った。


 レヴィの視線の先には……先程処した屍が赤い液体を滴らせ、まとめて置かれている。



「……ゴミどもが。呆気なさすぎて……全然気が収まらないじゃないか」


 先程の盗賊達の言葉を思い出し


 また黒い感情が再燃する。


 事切れたそれに八つ当たりするように刃を立てた。


 何度も


 何度も。


 あっという間に無数の肉片が出来上がる。


 少しだけ溜飲が収まったところで切っ先の血を払った。


 切れ味が損なわれないようにポケットに入れておいた布で優しく切っ先を拭う。


 一切の返り血を浴びることもなくレヴィは首を鳴らした。


「ったく。こんな汚い血で道を穢して。誰がこれを片付けると思っているんだ」



 自分の処理の仕方を棚に上げ、レヴィはせっせと死体を片付ける。

 痕跡を残さないように。

 誰にも気取られないように。


 ふと、100m先の小さな家に視線を向けた。


 あれから一度も会話を交わしていない女が

 家の中で動いている。


 カーテンもない。

 質素な木造の家。

 暖かく穏やかな光が窓から漏れる。


 無許可で張り巡らせたレヴィの防護魔法によってあの家には断末魔すら届いていないだろう。


 常に動けるようにこの距離を保つ。

 レヴィにとって最適な間合い。


 あの家にこれ以上近づくこともなく、漆黒の騎士は今宵も闇に潜む。



 夜が明けた頃

 レヴィの馬が3つの大袋を引きずりながら道を歩く。


 憎しみを込めて粉微塵にした死体を麻の大きな風呂敷でまとめ、破れないように保護魔法だけかけて。


 後処理を頼むために最寄りの詰所に向かった。

 音や気配すら感じさせずに新人の騎士に近付く。



「お疲れ様」


 背後からいきなり声をかけられ、ものすごく驚いた騎士が振り返る。



「ひゃっ!!! れ、レヴィオン様! お疲れ様です」



 詰所で待機する騎士達が夜勤で眠そうな目を擦り、レヴィに頭を下げた。


「ああ」


 それだけ呟いて、いつも通り死体の処理を頼んだ。



 国家体制が整い始めたタガール。


 海を隔ててないせいで陸からの密入国はどうしても避けられないが、犯罪者を野放しにするほど今はもう生ぬるい国ではない。


 野盗や盗賊などの重犯罪者は問答無用でその場で切り捨てることが出来る。


 それは、レヴィにとっても好都合。



 温情も


 倫理や法律の抜け道を考慮する必要もなく


 遠慮せずに


 殺れるから。



 近寄り難いオーラを放つこの国の守護者に頭を下げながら、地面に置かれた麻袋に目を落とした新人は中を少し確認し吐きそうになった。



「うっ!?」



 その後ろで手際よく二人がかりで焼却炉に持っていく中堅の騎士の一人がレヴィに苦言を呈す。



「……レヴィ隊長。強いのは知ってるんですけど、なんでいつも細切れなんですか?」


「その方が運びやすいだろ」


「いやいやいやいや。いつも血の処理とかご自分でもめんどくさいって言ってますよね!? お願いですから処し方変えて貰えませんか!? 俺たちも困るんですけど」


「……考慮しよう」



 はぁ。

 この返事は一体何度目だろう。と騎士はため息をつく。


 確かにこの地は王都から少し離れていて集落も分散しているせいか、隠れ家として狙われる事も多い。


 だがそれでも騎士たちはくまなく警戒し治安を守っている。


 それなのにレヴィはほぼ毎晩どこからか死体を持ってくる。

 何故か毎回粉微塵にして。



 言っても無駄だと悟った騎士達は諦めたように頭を下げた。

 表情を変えもせず、レヴィは少しだけ振り返り呟く。


「じゃあ、死体の処理は任せた。引き続き夜の樹海の見回りは俺が行う。昼の見回りはお前たちに任せたぞ」


「は、はい! 伝えておきます!」


 颯爽と漆黒の馬に乗る。



 常闇の森と呼ばれる広大な樹海。

 実りが豊かで天然の果物やキノコなども沢山採れるタガール随一の森林地帯だ。


 昼は比較的村人なども気軽に散策に出向く場所だが……夜は一変する。


 闇が深く、夜行性の動物も蔓延る為色んな角度から危険なのだ。


 元々夜目が効き、人より30倍も気配察知能力が鋭く、暗殺(スニークキル)に長けたエルフである守護者より適任はいない。


 レヴィの走り去る姿を眺めながら騎士はただ言われた通りに処理を続けた。



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― 新着の感想 ―
レヴィさん、順調に周さん化(バイオレンス属性↑↑)していますね。 自分でも認めたくない気持ちだから、相手にも気付かれたくない。それでも守りたいの、尊いな! やっていることがハードなのも好きです。ファン…
世紀末覇者に出てくるモヒカンをイメージする野盗たち。 秘孔を突かれたか、剣で斬られたかの違いはあれど結果は同じ。笑 レヴィは相変わらず、彼女と会話もしないで一人で○ルソックス。 気取られない範囲で存…
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