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カビト戦記  作者: たちー
3/5

王都からの立て札

ソウジの心は晴れぬまま一週間の時が経つ。


戦で(あるじ)が死に取り残された家族は金は入れど絶望している。

その一方カンタは稼いだ金で隣の町に移住するというのだ。


ソウジは更に落ち込むのだった。


そして三週間後カンタは村人に見送られ満面の笑みで村から旅立った。


(クッ)


ソウジは無意識に拳を握りしめその場に立ち尽くした。


「父ちゃん、俺も町に行きてーよー」


カビトの何気ない一言を聞いたソウジの鼓動は破裂しそうな程暴れまわるのだった。


「あぁ……。」


ソウジとカビトが帰路につくと、何やら遠くの方で人だかりが出来ている。


トコトコトコ


「志願兵募集依頼だ!」


ザワザワ


「最近、頻度多いな……」


どうやら絶え間ない侵攻が功を奏して

隣国、(りょう)の国は滅ぶ寸前の所まで来ているらしい。


「こりゃ生きて帰ってくりゃカンタよりもスゲー大金が貰えるんだろうな!」


ソウジは目を見開き声を大にする。


「誰か文字を全部読み上げてくれないか?」


ソウジは身振り手振りでその場にいる村人に頼み込むのだった。


「父ちゃん急にどうしたんだよ?」


カビトがソウジをなだめようとする。


「……。」


ソウジはカビトをギュッと抱きしめる。


「すまなかった。」


カビトは何が何だか分からず唖然としている。


すると一人の村人が立て札に書いてある文字を読み上げるのだった。


現在、醍地(だいち)将軍の5千の軍が王都の喉元である輪用(りんよう)の城を攻めている。


この城を落とした後、更に雷源(らいげん)将軍の5千の軍で稜の王都を落とし稜を滅亡させる。


志願兵は雷源軍の第一陣に入り、敵の攻撃を受け敵の陣を突破しハシゴを城に掛ける役割を与える。


志願兵は明朝より北の方角へ向かうべし。


「ありがとう」


ソウジはカビトを抱き抱えスタスタと歩いて行った。

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