ep.7
食堂へ着くと一息吐く、開けるぞと言いガチャッとドアを開けた。
すると途端に悲鳴が上がる。
「生徒会の皆様が揃ってる!」
「今日食堂に来てよかった…!」
「会長様今日もかっこいい」
「副会長様も麗しい」
「真緒くーん!手振って!」
「萊くん抱いてー!!」
など、様々な声が響き渡る。
お目当ての人物はどこだと見渡していると隣に居た光が窓際の席を見てあ…、と声を漏らした。
「なんだ?見付けたのか?」
「あ、はい。居ました」
「光くんどこどこ?どの子ー?」
「あの窓際の席に居ますね、私の親衛隊隊長と一緒に居ます」
「同じクラスだったのか」
「そうみたいですね、行きましょうか」
四人でお目当ての人物の元へと向かう。
「伊奈瀬くん」
そう声をかけられ、聞き覚えのある声のした方へ向くと副会長が居た。
「あれ…」
「生徒会の皆様が僕たちに何か用ですか?」
僕が問う前に南くんが声をかけた。
「私たちは伊奈瀬くんに会いに来ただけですよ、生徒会として挨拶をしておこうと思いまして」
「副会長ここ食堂っすよ? 自分たちの人気分かってます?」
「ふあああ!食堂イベきたあああ!!」
「「浅見黙ってろ」」
「…はい」
「顔合わせのタイミングが無さそうだったので食堂へ来ただけです、そう警戒しないでください」
「あ、あの!副会長とても良い人だったから大丈夫だよ!」
「那月くんそれは知ってるけど、それとこれとは別なの」
「この子が光くんが言ってた子ー? 確かに儚い系美人さんだねえ、可愛いー!」
「え?えっと…」
「あ、俺っち生徒会会計の八乙女 萊だよー!同じ1年同士よろしくねん!」
「初めまして、今日転入してきた伊奈瀬 那月です」
「ほらほら、かいちょーと真緒くんも!挨拶挨拶ー!」
そう言い後ろで立っていた雅也と真緒の背中を押し那月の前へと立たせる。
「生徒会会長の鳳 雅也だ、よろしく」
「……しょき、の…たか…まお…」
「うんうん!二人ともよく出来ましたー!」
「伊奈瀬 那月です、よろしくお願いします」
「真緒くんは喋るのが苦手だけど、めちゃいい子だから仲良くしてあげてねー!」
「あ、はい」
「四人ともお食事中にお邪魔して申し訳ございませんでした」
「いえ、大丈夫です。わざわざ挨拶ありがとうございました。また会えて嬉しかったです」
「ふふ、伊奈瀬くんはいい子ですね」
「困ったことがあったらいつでも生徒会に頼ってこい、力になろう」
「はい、会長もありがとうございます」
「ねえねえ!俺っちは!?あ、萊って呼んでくれていいからね!」
「じゃあ、萊くん。萊くんもありがとう」
「ふふん、いいえー!」
「…………」
「……?」
真緒にじっと見つめられていることに気が付いたが何か言いたいことでもあるのだろうかと首を傾げる。
「書記の…」
「……ま、お」
「…え?」
「…真緒、よんで…?」
「真緒、先輩?」
「……ん」
ふわりと微笑むその姿は大きな身長とは裏腹にとても可愛らしかった。
「挨拶は終わりましたか?」
南が口を開いた。
「はい、終わりましたよ。南くん、伊奈瀬くんのこと頼みましたよ」
「言われなくても大丈夫ですよ」
「じゃあ俺たちは行くか」
「那月くんまたねー!」
「……ばいばい」
――食堂内が騒めきを取り戻した。
「会長たち本当に挨拶したかっただけだったんだな?」
「突然来るから何事かと思ったよ、もう」
「生徒会×なっちゃん!最高か…?? これは生徒会とくっ付けるしか…」
「僕、何かしちゃったかな?」
「ん?ああ、いや転入生ってことでただの顔見せだろ」
「そうだね、まあタイミングは考えて欲しかったけど」
「何もしてないなら良かったけど…」
「はは、安心しな」
「そうそう、僕たちの親衛隊や副会長様の親衛隊にはちゃんと伝えとくから大丈夫だよ。浅見も!ちゃんと伝えなよ?」
「え?生徒会×なっちゃんうまいって???」
「1回こいつ殴っていいかな」
「ぼ、暴力はだめだよ南くん!」
なんて話していたらチャイムが鳴った。
「やべ、もう昼休み終わるじゃん」
「ご飯食べて生徒会の皆様に会ってたら終わっちゃったね」
「僕はまた副会長に会えて嬉しかったよ」
「生徒会の誰とくっ付けさせよう…」
ボソボソと独り言を言う浅見を置いて行こうと入江と南は話し、こちらに声をかけてきた。
「そろそろ行こうか、授業の準備しなきゃ」
「浅見くんは…」
「ああ、あいつはほっとけ。行くぞ」
「う、うん」
こうして食堂での生徒会との顔合わせが終わったのだった。




