ep.55
「お待たせ致しました、季節のフルーツパフェになります」
そう言われ届いたパフェはフルーツがふんだんに使われておりとても美味しそうだった。
生徒会のみなさんも各々好きなものを注文をしていて、チーズケーキやタルトにティラミス、プリンアラモードなど、テーブルはちょっとしたパーティ会場みたいになっていた。
「そういえば、那月くん夏休みはふくかいちょーの家にお泊まり行くんだって?」
「あ、はい」
「………ずるい」
「真緒は親衛隊でお茶会していたじゃないですか」
「いいなー、二人とも那月くんと遊べて!俺っちも遊びたい〜」
「光、問題は起こすなよ」
「会長、問題とは?」
そう言ってニッコリ笑う光を見て雅也は溜め息をついた。
「伊奈瀬、光に何かされたらすぐに逃げるんだぞ」
「……那月、絶対にげて」
「あはは!ふくかいちょー危険人物扱いじゃん!」
「三人とも失礼ですね、何もしませんよ。今は」
「え、ええ…?僕大丈夫ですかね…?」
「伊奈瀬くん安心してください、何もしませんから。ね?」
「は、はあ…」
光以外の生徒会メンバーがやいやい那月に対して言ってくるのを、どうしたらいいんだと困惑しながら話を聞く。
(うう、早くパフェ食べたい…)
「もう!せっかく休憩しに来たのですから早く食べなさい」
光が一喝する。
くれぐれも気をつけてと会長と真緒が念押しをしみんなでスイーツを食べ始めた。
(ん!これ甘くて美味しい!バニラアイスにも生クリームにも合うし…)
ニコニコし夢中になってパフェを食べている那月を生徒会メンバーが穏やかに見つめていた。
この子に平穏が訪れて本当に良かった、口には出さないが皆そう思っていた。
「ごちそうさまでした」
ふうっと息を吐き目の前の空になった容器を眺める。
(最初は大きくて食べれないかもって思ったけどペロッといけちゃった、美味しかったからみんなにもオススメしようっと)
ふと目線を上げ周りを見ると生徒会メンバーは食べ終えており、各々お茶を飲んでゆっくりしていた。
「伊奈瀬くん、美味しかったですか?」
「はい!とても」
「那月、甘いの…すき、だから。…ね?」
「ふふ、そうですね」
「なんです、真緒。知ってるっていう自慢ですか?私もこれからたくさん伊奈瀬くんの好きな物知りますから良いです!」
「ふふん」
「くっ…!」
「俺っちも那月くんの好きなもの知りたーい!」
「お前らは全く…」
わちゃわちゃと騒ぎ出した生徒会メンバーを見てふふっと笑ってしまった。
皆さん仲良しなんだなあ、羨ましい。
「そうでした、伊奈瀬くん。今日で生徒会の仕事が終わりそうなので明日には家に帰ります。明日の朝に部屋までお迎えに行きますので待っててください」
「あ、はい!分かりました、ありがとうございます」
「……那月。楽しんで、きてね」
「はい!とても楽しみです」
そういい残りの仕事を片付けてくると生徒会メンバーはまたねと言い帰っていった。
「準備は終わってるから、明日の朝のお迎え待つだけだ。楽しみだなあ」
こうして僕の夏休みは始まろうとしていた――




