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ep.50


「那月くん、お昼ご飯は何が食べたい?」

「あ、そうだ。僕料理出来なくて…、でもお手伝いしたいからなにか簡単なものだと助かるんだけど…」

「大丈夫だよ、簡単なもの一緒に作ろうか。そうだなあ、甘いものは好き?」

「うん、大好きだよ」

「じゃあ、フレンチトーストなんてどうかな?簡単だよ」

「それなら僕にも手伝えるかも…!」

「よし、じゃあ作ろうか」

「うん!」


二人でキッチンに立ち、類に教えてもらいながらなんとかお手伝いは出来た。


フレンチトーストは少し焦げてしまったものもあったけどご愛嬌ということで。


お昼ご飯を食べた後は類とたくさんの話をした。


ずっと笑っていたと思う、この時間がずっと続けばいいのに、そう思った。


夜になり晩ご飯は和食を振る舞ってくれた、とても美味しかった。

類は料理上手なんだなあ、すごいや。


「那月くん、先にお風呂入っておいで」

「え、でも…」

「なに?一緒に入りたい?」

「へ!?あ、いや!そ、そういう訳では…」

「ふふ、冗談だよ。行っておいで」

「うう…!もう!じゃあお先に…」


からかわれながらお風呂へと向かった。


人の部屋にお泊まりとか初めてだから色々緊張しちゃうけど、そんなの大丈夫だよって感じで類は僕のために色々してくれた。


一つしか変わらないのに、この余裕はなんだろう…?


僕もあんな風になれたらいいなあ、難しいかな?



って類に話したら


「那月くんはそのままが一番可愛いからそのままでいて」


と言われてしまった。



「ごめんね、布団が僕が寝てるベッドしかなくて一緒に寝ることになるんだけど大丈夫かな?」

「あ、うん…、へ!?」

「一緒に寝るの、いや?」


コテンと首を傾げる姿が可愛らしかった。


「い、いやじゃないよ!狭くない、かな…」

「那月くん華奢だから大丈夫だって、それにくっついて寝れば幅取らないでしょ?ね?」

「う、うん…?」


納得させられて一緒に寝ることになった。


「じゃあ、そろそろ寝ようか」

「うん」

「那月くん、おいで」

「お邪魔します…」


先に布団に入った類が早くと言わんばかりに声をかけてくる。


「狭くない?大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。ね、類ギュッてしてもいい…?」

「ふふ、そんな可愛いお願い聞いてあげるに決まってるよ。おいで」

「えへへ」


ギュッと類に抱きついて僕たちの距離はゼロになる。

僕の目の前は類の胸元で、背の高い類の顔が少し上にあるから見上げる形になる。


ボーッと見つめていると、視線に気づいたのか視線がこちらに向けられる。

スッと頬を撫でられ、類は微笑んだ。


「可愛いね、那月くん」

「類はかっこいい…はちょっと違うから美人さんだね…?」

「ふふ、ありがとう。はあ、もうすぐお別れかあ」

「あ…、そ、そう、だよね」

「寂しい?」

「うん、寂しい…。もう類と過ごすことも無くなるのかあって。僕最後の日泣いちゃいそうだよ」

「泣かないで、笑ってさよなら出来たらいいな。ね?」

「う…、頑張ります…」

「ね、那月くん。目、閉じて」

「…?うん」


チュ――


「那月くん、大好きだよ」

「あ、えっ…」

「ふふ、おやすみ。また明日」

「お、おやすみ…」


優しいキスをされ、眠りの世界へと誘われた。




目が覚めちゃった…、類は…、寝てる。

朝早くに目覚め類が起きるまで顔を眺める。


右手を伸ばし、類の唇へと持っていく。


ふにっと、柔らかいのその唇は閉じられたままだ。


「キス…、してもいいかな…」


数秒考えたあと、えいっと顔を近づけ口付けを交わす。


「や、やっちゃった…!」


一人あわあわしていると、類の肩が震えているのが分かった。


え!? も、もしかして…起きて、た…?


「類…?起きてるの…?」

「ふふ、おはよう那月くん。可愛い朝の挨拶ありがとう」


そう言われ顔が真っ赤になった。

狸寝入りをしていたのだ、全部聞かれていた、恥ずかしい。


「も、もう!起きてたなら言ってよ!類のばかあ!」

「か、可愛くてつい…。ふふ、ふ…、ごめんね」


類はいつも僕のことを可愛いと言う。

僕はどこが可愛いのか分からないが類にはなにか刺さるものがあるらしい。


二人で少しベッドでのんびりした後は、起きて朝食の準備などをしその後はゆっくり過ごした。



明日はゆっくりしようと言うことで今日、部屋に戻る予定だが本当はもっと一緒に居たかった。

でも類はまだ片付けがあるということで、わがままは言えない。


本当に、もうすぐでお別れなんだよな。


実感があるような、無いような。

最後は類のためになることがしたい。


「あ、ねえ類。お願いがあるんだけどいいかな?」

「どうしたの?」

「一緒に写真撮って欲しくて」

「写真?もちろんいいけど」

「ありがとう!とびきり笑顔でね!いくよ、はいチーズ!」


パシャッと撮れた写真は二人とも笑顔で、でも穏やかな表情だった。

これを、ああして…。


類に喜んでもらえるように頑張ろう。



「一日お世話になりました」


頭を下げてお礼を言う。


「こちらこそありがとう、いい思い出になったよ」

「あと数日だけど、最後まで傍に居させてね」

「もちろんだよ。ありがとうね、那月くん」

「何回お礼言うの」

「何度だって言うよ、好きな人と過ごせて嬉しいからね」

「そ、そっか…」

「じゃあまた、月曜日にね」

「うん、またね」


バイバイと手を振り類の部屋を後にした。


「帰ってからはやることがあるから、それを早くやっちゃおう」


そう思っていたが、部屋に着くなり浅見に質問攻めにされ根掘り葉掘り聞かれたのだった。



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