ep.49
«ただいま、今真緒先輩と寮に帰ったよ»
っと、着いた連絡した。
「真緒先輩、ありがとうございました。お茶会も、送ってくれたのも」
「ん、だいじょぶ」
「今日は本当に楽しかったです!あの、凪咲先輩とか親衛隊のみなさんは甘いもの大丈夫ですか?」
「みんな、好き」
「お礼に今度なにか差し入れさせてください、僕のセンスでみなさんが喜んでくれるか分かりませんが…」
「気にしないで」
楽しみにしてる、そう真緒先輩から言われロビーで解散した。
ピロリロリン――
「あれ、類?」
ピッ
『もしもし?類?』
『こんばんは、那月くん。お茶会はどうだった?』
『楽しかったよ!面白い先輩が居たんだ』
『ふふ、そっか。良かったね』
『電話、どうしたの?なにかあった?』
『ううん、ちょっと声が聞きたくなっただけ』
『そっか、僕も類の声が聞けてよかった。ありがとう』
『明日なんだけどさ、僕の部屋来ない?そのままお泊まりも』
『え?いいの?でも同室の人…』
『僕今は一人部屋だから誰も居ないよ、大丈夫。だから来ない?』
『えっと…、じゃあ、お邪魔しようかな』
『ふふ、嬉しいな。お昼頃に部屋に迎えに行くね』
『うん、分かった。待ってるね』
『そういう事で、おやすみ那月くん』
『おやすみ、類』
ピロンと電話を切り今日が金曜日なのを思い出した。
「お泊まりかあ、何気に初めてかも…? ふふ、楽しみだな」
部屋へと戻り今日のことや明日のことを話すと浅見がソワソワした様子でこちらを伺ってきた。
「浅見くん?」
「な、なっちゃん…。俺死んじゃうかもしれない…」
「へ!?」
「も、ももも…萌え死ぬ〜〜!!!!!」
「萌え…?」
「ありがとう…、本当にありがとう…!俺生きてて良かったよ…!なっちゃんがこんなにも受け受けしいとは思ってなかった、いや想像以上だよ!最&高!!あのセリフを言う時が…来る!」
「あのセリフ…?」
「ゆうべはおたのしみでしたね…?キャッ!言っちゃった!まだ早いって俺〜!」
「お泊まり、行ってもいい…?」
「グハッ…、も、もちろんOKだよ…」
「ありがとう!」
俺はもう瀕死だよ、とボソボソと呟きながら横たわってうねうねしている浅見を横目にお泊まりという初めてのことにちょっと浮かれてしまった。
翌日――
「なっちゃん、準備は出来た?」
「あ、うん」
「そろそろ先輩来る頃かな?」
昨日あの後、類からお昼ご飯は僕が作るから食べないでねと連絡があった。
何を作ってくれるか楽しみだけど、僕料理出来ないから類の手伝い…っていっても何かあるかな…?
「楽しみだね?」
「そうだね、楽しみだけど…、ちょっと緊張しちゃう」
「はは、そっかそっか!なっちゃんお泊まり初めてって言ってたもんね、リラックス〜!」
「り、リラックス〜」
「そうそう!先輩優しいからきっと大丈夫だよ」
「ふう、落ち着いたかも」
「なら良かった!」
そんな話をしていると、チャイムが鳴った。
「はいはいはーい!」
浅見が元気な声で玄関へ行くとそこには類がいた。
「こんにちは、那月くんは居るかな?」
「居ますよ!なっちゃーん!先輩来たよ」
その声に呼ばれワタワタしながら荷物を抱え二人の元へ行く。
「あ、お、お待たせしました」
「大丈夫だよ、準備は?」
「出来てます!」
「そう、じゃあ行こうか」
「はい」
「なっちゃん行ってらっしゃい!楽しんできてね!」
浅見から見送られ、類と一緒に部屋へ向かった。
「はい、ここが僕の部屋だよ。って言ってもダンボールが多くてごめんね」
「あ、いえ…」
片付けられた部屋を見て、もうすぐこの恋も終わるのかと寂しくなる。
「最後くらいは恋人らしいことしようと思ってね、付き合ってくれてありがとう」
「ううん、嬉しかったから。こちらこそ誘ってくれてありがとう」
「お泊まり、楽しみだね」
クスッと類が笑った。




