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ep.4


休み時間になる度に、机の周りにはひっきりなしに誰かが来て声をかけてくる。

どこから来たの、どうしてこんな時期に?や中には恋人は居るのかなど。

アワアワと焦っていると見かねた入江くんが声をかけてきた。


「はいはい、お前ら那月が困ってんだろその辺にしとけ」


入江たちばっかりずるいぞ〜!なんていうブーイングもサラリと躱して大丈夫か?と声をかけてきた。


「那月、大丈夫か?」

「あ、うん。助けてくれてありがとう入江くん」

「どういたしまして」

「那月くんはこのクラスの人気者だね」

「はああ、クラスメイト×転入生うまい、うますぎる…」


「浅見はちょっと黙ろうか」

「ほんっと腐男子というか浅見って見境ないよね」


そう笑顔で浅見を止める入江とチクリと浅見を刺す南。


あはは…、と笑いながらこの三人はいつもこの調子なのかなと思いながら見つめる。


「次の授業は…、お?町屋先生じゃん」

「僕歴史苦手なんだよねえ」

「歴史!俺は寝るぜ」

「えっ、浅見くん寝ちゃうの…?」

「起きます!今すぐ起きます!そして女神の横顔を眺め続けます」

「め、女神…?」

「あ、那月くん気にしなくていいからね」


浅見の言っていることが分からなかったが南に気にするなと言われたためそのままスルーすることにした。



「おら、席に着け〜ってもうみんな着いてんね。んじゃ授業始めるぞ〜」

「「「はーい」」」


緩く喋る先生の授業はどんなものかと思っていが、意外にも教え方は上手く面白くてとても楽しかった。



「はー!やっと昼休みだ」

「お疲れ様、那月くん。ここレベル高いって有名だけど授業ついていけそう?」

「あ、うん。どの先生の授業も分かりやすくて面白かったよ」

「それならよかったよ」


南くんとふふっと笑いあっていると横から

「親衛隊隊長×なっちゃん… ふむ、これもまたいい」

という浅見くんのよく分からない声が聞こえたが、南くんが笑顔というか目は笑ってなかったんだけど、で浅見くんを黙らせていた。


「なあ、早く食堂行こうぜ」

「そうだね、混む前に早く行っちゃおうか」

「ムフフ、なっちゃんの無双の始まりだ!」

「…ええ?」


浅見のよく分からない言葉を何だろう?と思いつつ四人で教室を出た。




――食堂


ガヤガヤと騒がしいその場所は生徒たちで溢れかえっていた。

各机にタッチパネルが置かれており、そこで注文をする。

メイン料理からデザートまで幅広く取り揃えられたメニューは生徒たちに大人気だった。


「よし、到着ー!」

「俺いつもこのうるささには慣れねえんだよなあ」

「そう?僕はもう慣れたよ」

「食堂イベ起こんないかなあ」

「……?」


三人が各々言っているが僕には意味がよく分からなかった。

そんな僕に気付いたのか南くんがこれ、と何かを差し出してきた。


「耳栓…?」

「そう、那月くん慣れてないだろうから付けてた方がいいよ」

「あー、そうだな。那月にそれは必須アイテムかも」

「悲鳴が上がること間違いなし!」

「え、え?どういう…」


こと、と言いたかったが入江くんが開けるぞと言うので慌てて耳栓をする。


ドアが開いた瞬間、一瞬の静寂の後にキャー!やうおおお!といった声で満ち溢れた。


「なっ、なにこれ…!?」


教室でも似たようなことがあったがその比ではない。

なにせ三人とも顔が整っているのだ、もちろん親衛隊持ちである。

浅見に至ってはオープン腐男子ということもあり同士が集まっているのだ。


いつものこと、のような雰囲気で三人は窓際の空いていた席へと向かい始める。

置いていかれまいと、その後ろを追いかけているとどこからかなにあの子?誰?という声が所々から聞こえてきた。


「あー、早速噂されてんな」

「まあ僕たちと一緒なのもあると思うけど、那月くん儚い系美人だからね。本人自覚ないっぽいけど」

「はああ、無自覚美人総受けうまい…」

「僕何かしたかな…?」


コテンッと首を傾げるとどこからかバタバタッという音と共に生徒たちが食堂を後にする。


「もー、なっちゃんたら!無自覚さんなんだからっ!」


浅見くんに頬をツンツンされながら言われた意味がよく分からないでいた。


「とりあえず、飯食おうぜ。俺Aランチ」

「僕はBランチにしようかな」

「俺はもちろんオムラッ…いや、待てよ…。ここは王道に則って、なっちゃん!」

「は、はい?」

「君は今日オムライスを食べるのだ!のだ!」

「…? いいけど」

「頬いっぱいにオムライスを頬張るなっちゃん、萌える!きゅん!」

「そんな浅見は何にすんの?」

「俺はカツ丼〜!」

「はいはい」


特に食べたかったものも無かったので浅見が決めたオムライスにしたが果たしてどんなオムライスなのだろうか。


なんて思っているうちにウエイターにより料理が運ばれてくる。


「うわあ、美味しそう…!」


黄色いふわふわのたまごに王道のトマトケチャップ、かと思いきやシェフの遊び心なのだろうか、猫が描かれていた。


「猫が描かれてるよ!かわいい!」

「お?本当だ」

「珍しいね?こんなの描かれてるなんて」

「なっちゃんのため、ってこと…!?」

「? 普段は無いの?」

「「「無いな(ね)」」」


三人が口を揃えて言う。


僕のための特別なオムライスだったら嬉しいな、なんて。


「ふふ、じゃあ残さず食べなきゃね」


四人で手を合わせいただきますをし、各々食べ始める。



描かれた猫を崩すのはもったいなかったが、記念にと南くんが猫オムライスと一緒に写真を撮ってくれたので残さず食べれた。


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