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ep.20


「ねえ、今日何食べる?」

「俺はガッツリ系がいいな」

「俺はなんでもいいよ!」


ヤイヤイと話しているとカチャッとドアの開く音がする。

三人でそちらに向くとそこには待ちわびていた人が立っていた。


「………みんな」


「な、な…」

「那月…?」

「那月くん…!」


怖かった、怖かったけど心配かける方が苦しくてつらくて。


「なっちゃん!あ、よかった… 本当によかった…」

「那月出て来てくれてありがとう」

「那月くんもう大丈夫だからね」


瞳に涙をためた南と浅見を見て胸がキュッと痛んだ。


「あ、の…。あ…、ごめん。ごめんね」


今出来る、僕の精一杯の笑顔で三人を見つめてみたがどうしても上手く笑えなかった。


「那月くん」


そういい南が近付くとそのままそっと那月を抱きしめた。


「そんな顔して笑わないで、僕たちそんな顔は見たくないよ」


「あ…、っ…」


ごめん、そう言おうと思ったが上手く言葉にならず出てきたのは涙だった。


「よしよし、泣かないで。大丈夫だから、出て来てくれてありがとう」


そういい優しく撫でられた。


「那月、ご飯は食べたか?まだなら一緒に食おうぜ」

「そうそう!俺ら今から食べるからよかったら一緒に食べよ〜!」

「ほら、那月くんみんなで食べよ?ね?」

「うん、うん…」



数日ぶりに見た三人は変わらず優しくて、そんな三人の優しさに僕は沢山泣いた。



「あ、そうだ。俺風紀委員長の連絡先もらってたんだ、なっちゃん出て来てくれたこととりあえず連絡しても大丈夫?」

「…あ、うん」

「学校には行けるようになったら行こう、僕たちも一緒に行くから」

「ありがとう…」

「よし、じゃあみんなで飯食おうぜ!那月は食べられる分だけ食べな」

「材料は買ってきたからなんでも作れるよ、那月くん何食べたい?」

「あ、えっと… ハンバーグ、がいい…」

「なっちゃん可愛い〜!じゃあハンバーグみんなで作ろう」

「ぼ、僕…、料理出来ない…」

「あ、そうなの?じゃあ僕と入江で作るから大丈夫だよ。那月くんは浅見と一緒にお喋りでもしてて」

「う、うん。ありがとう」

「じゃあ僕たち作ってくるからゆっくりしてなね」


「なーっちゃん!お喋りしよ?」

「浅見くん…」

「はい!あなたの浅見くんです!」

「あの…、えっと」

「うん、ゆっくりでいいよ。大丈夫だから」

「色々ありがとう、あとごめんね」

「ねえ、なっちゃん」

「ん?」

「俺ね、なっちゃんと出会えて本当によかったなって思うんだ」

「それは、どういう…」

「ここってさ、エスカレーター式の学校じゃん?だからメンツも変わり映えしないっていうか。そんな時になっちゃんが来てくれて本当に嬉しかったんだよ?」

「そ、んな…。でも、僕…」

「何があったかは聞かないよ、ただ守ってあげられなくて本当にごめんね。もっと気にかけてあげるべきだったなって反省した」

「浅見くん、は…、なにも悪くないよ。僕が、あの…」

「こーら!そうやって自分のこと責めちゃうのだーめ!」


むにっと、優しく頬を摘まれる。


「俺も入江も南も、なっちゃんのこと大好きだから守れなくてすごく悔しかった。なんであの日一緒に帰ってあげなかったんだって思った。こんなこと思ってもなっちゃんの傷が癒えるわけじゃないのは分かってるけどね」

「ん…」

「だから、これからは俺らになっちゃんのこと守らせてくれないかな?」

「……え?」

「なっちゃんが怖くなくなるまで、ちゃんとそばに居るからさ。ダメかな?」

「だ、め…じゃない」

「うん、ありがとう!じゃあ俺らにいっぱい守られてね?」

「……いい、の?」

「いいから言ってんの〜!」

「ありっ…、ありがとう…」

「あ〜!泣かないで〜!」

「っ、ごめ…ごめん…」

「あはは、泣かせてごめんね?」



ぐすぐすとまた泣き出してしまった僕に浅見くんは大丈夫だからもうなにも怖くないから、そう言ってくれた。


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