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砲艦外交


ラトナとイルモ解放戦線(仮名)の面々が囲む、ささやかな茶話会w

あの"峠の茶屋"の菓子類や飲み物を頬張りながら・・交渉はラトナの思惑通りに進んでいた。


そんな中、ラトナは・・手持ちの収容バッグに手を入れ、ユラークたちの視線を集めるかのように、ひとつの魔道具を取り出す。


「そうだね、あなた方に・・私の故郷、かつての帝国ルシャーナの風景を見せてあげよう!」


その魔導具は、手のひらに収まるほどの小さな立方体・・しかし、そこから放たれる光は普通ではなかった。

そう、何もない空間に映像を浮かび上がらせたのだ!


異世界風に言うならば、"空間ディスプレイ"というべきものなのか!?


「えっ!? ゆ、夢でも見ているの・・・」

「なんと・・すごい! 何もないところに・・」


アユリーナを含め・・ユラークも、ルジャンも、ナディラも息を呑み、目を離せない。

それは、この時代にはない・・失われた魔導の極致ともいえる技術。



ラトナが持つ立方体、そこから放たれる淡い光は、空中にひとつの光景を浮かび上がらせた。



-----それは200年前の古き映像。

ルシャーナ帝国の中心、帝都クラム。

その壮麗な街並みが、まるで今そこにあるかのように浮かび上がったのだ。


賑やかな通り・・笑顔を交わす人々。そして先進的な設備。

ラトナにとって懐かしき光景。もう二度と戻れない故郷。彼女の目に涙があふれる。


ちなみに・・この映像は帝都クラムをを紹介するために制作された当時の観光案内用ガイド動画である。

ラトナは、ユラークたちに"かつての帝国"を見せようとしたのだ。

魔導文明が栄え、あらゆる技術が現代よりも進歩していた時代・・・

その映像を通して、これからの計画や指針となる何かを感じ取ってほしかった。



しかし、ユラークたちの関心はそこにはない。

彼らの視線は、映像の内容ではなく・・映像を映し出す魔法そのものへと吸い寄せられてしまったのだ。

常識を逸脱した現実! 恐るべき魔導技術・・

その神秘性に彼らの心が奪われた!


「このような魔法・・・あなた様はまさに人智を越える存在。

このユラーク! どこまでもお供いたします」


いきなりの発言、忠誠の言葉に面食らうラトナ。

強面のユラークが・・こんなことを言い出したのだ。


これは・・予想外の反応!

だが、彼女にとって、この程度の魔導具など特別なものではない。

200年前の帝都では、これくらいの技術などありふれた存在だった。

(とはいってもかなり高価ではあるが・・・)



そして今! ユラークだけではなくルジャンも、ナディラも尊敬の目でラトナを見ている。

まさに、彼らにとって万能の存在!

いわゆる女神降臨といったところなのかw


ラトナはそんな崇拝の空気を感じ、"ふっ"と唇をゆるめる。

バベル教みたいに崇められ、女神にされるのも・・悪くないねw


「うっふふ・・♡ 調子に乗ってしまいそう・・・」


跳ねるような声音。

ラトナは、ここでさらなる演出を加えてみようかと・・考えた。


その横でアユリーナは、彼女の意図を察したのか、そっと首を振る。

小さな制止の仕草。しかし・・・

ラトナはそれを受け止めることなく、静かに指先を動かし、印を結ぶ。


そしてその瞬間、空気そのものが震え、地の底から響くような重低音が走った。


ドッドドドドッッッ・・・・


逃げる聖教軍の残党を追っていた・・あの巨人たち、

人型魔導兵器キュウルーラが、まるで風のような速さで戻ってきたのだ。


「さぁさぁ、おかえり! キュウルーラたち。あなた方の・・必殺技を彼らに見せてあげて」


ラトナが、そう発言すると・・

キュウルーラたち10体は、ユラークたちの目の前で整列し、まるで人間のように優雅な所作で挨拶をした。

鉄と岩で構成された無機質な巨体とは思えない、洗練された動き。


ユラークたちの驚きと感嘆が広がる中、彼らキュウルーラたちの腕がゆっくりと持ち上がり銃口が出現する。

狙いは遠くにそびえる巨大な岩塊。



そして次の瞬間、轟音が響き渡った。


ドッオオォォォォーーン


10体のキュウルーラの砲口が一斉に輝くと同時に、あの岩塊が木っ端みじんに粉砕されたのだ。

それだけではない。周囲の地面ごと大きく削り取り、巨大なクレーターを穿つ。

地形すら破壊し、全ての生物を消滅させる範囲攻撃!


この時代では到底ありえない絶対的火力!・・殲滅力をユラークたちの目前で見せつけたのだ!


「どう!? 素晴らしいでしょ・・私の愛すべきキュウルーラたちの実力」


ラトナは満足げに微笑む。


そう、その光景は、まさに地獄・まるでハルマゲドン!

敵であれば絶望、味方なら、なんと頼もしいことか!

恐怖と感嘆、絶望と希望が入り乱れる。


「う、うわぁ! これは・・現実なのか!」

「すごい! な、なんて魔法だ。だが素晴らしい! これで勝てる! 余裕で勝てる! 復讐の始まりだ」


次期市宰卿(市長)と目されるユラークは、恐怖よりも希望を見いだし、親の仇・復讐への期待を膨らませる。

だが、ルジャンとナディラは、ただその威力におののくばかり・・・




だがしかし・・・このキュウルーラの砲撃魔導は、決して無敵ではない。

そう、連射ができないのだ。ここが要注意点!

魔弾の再装填には長い時間を必要とし、軽々しく放てる代物ではなかった。



--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)





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