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キュウルーラ・大地から生まれる



空気が震え、地面が大きく波打つ。

ラトナの足元から吹き上がった土砂と石片は、散らばっていた低品質な武具を巻き込みながら、膨れあがり・・

やがて人の背丈をはるかに超える巨大な塊、鉄岩となった。

その巨大な鉄岩は・・・静かに、ゆっくりと輪郭を変え始め、何らかの形・・

そう! 人の姿へと変わっていく。


これが"魔導錬成"・・・ラトナが得意とする魔導なのだ。

そんな不思議な光景をアユリーナは興味深そうに見つめていた。


「ラトナ様、これが錬成なのですね。なんてすごい!」


土くれの塊・鉄岩が完全に姿を変え、そこに立っていたのは・・・全長3ラヌル(メートル)を超える人型の巨像。


しかし、まだ動かない。

巨像の背中をくり抜き、そこへ魔導術式の動力機構を埋め込まなければならないのだ。

(エンジンみたいなものなんですよね!)


かつて200年前、"海の民"と戦ったあのラトナが愛すべきシンルーラ(人型魔導兵器)ほどの性能は望めないが・・・

それでも十分に役に立つはずである。(ラトナ談)


-- -- -- -- -- -- -- -- -- --


レイルール山の秘密基地(隠れ家)から持ち出してきた"魔結晶"を収容バッグからそっと取り出し、手のひらに乗せた。

優美に輝き・・宝石としての価値があるとともに、それは動力機構(魔導エンジン)にもなるのだ。


ラトナは、"魔結晶"の表面に魔力を注ぎ込みながら、魔導術式を刻み込んでいく。

これが巨像を動かす動力源となり制御装置にもなるのだ。


ただし・・この"魔結晶"、その美しさの裏腹に大変危険、取り扱い注意!

そう、魔力を注ぎすぎると、大爆発する可能性がある。




-- ドガァァ・・ガガッァァン --


乾いた衝撃音が大地を震わせ、炎が一気に舞い上がった。

「な・・なにこれ、ば、爆発したの?」


アユリーナは思わず息を呑み、口元を押さえる。

幻想ではない。彼女が初めて目にする、本物の爆発だった。


ラトナは静かに頷き、粉砕された結晶の破片を拾い上げる。


「これが"魔結晶"の力だ。扱いを誤れば、こうなるのだよ」


アユリーナにも理解しやすいように、ラトナは・・ためしに爆発させたのである。


「こんな綺麗な石なのに・・危険物だったのですね」


「うん、魔力さえ注ぎ込まなければ、美しいだけの宝石・・しかし、注ぎ込めば危険な兵器となる」


ラトナは破片を指先で転がしながら、日の光にかざして見た。



-*- - - - - - *-



全長3ラヌル(メートル)を超える巨像が、地鳴りのような振動とともにゆっくりと立ち上がった。

ラトナたちの目前を覆う影は重く、その重圧に圧倒されてしまいそうになる。


そして・・その腕に抱えられた巨大な丸太は、武器というよりも、むしろ"狂気"そのものだった。

ひとたび振り下ろされれば、十数人をまとめて吹き飛ばすことなど造作もないだろう。

その破壊力に・・・期待大である。


だが、ラトナは静かに、目を細める。


かつて彼女が知る200年前のシンルーラ(人型魔導兵器)の性能には・・まったくといっていいほど及ばない。

あまりにも違いすぎるのだ。

素材も品質も粗雑で、性能は比べるまでもない"劣化製品"

最高級の素材を使っていないのだから当然だよね。


それでも・・・この時代では、十分すぎるほど"使える"はず。

さらに、動力となる魔結晶も問題なく稼働しているのだ。


粗削りながらも、求めた水準には達している。まずまずの合格点

自分でも"よく仕上げた"と胸を張れる出来だ。


ラトナは満足げに息をつき、口元をわずかに持ち上げた。


「彼の名を・・・そうだね! シンルーラの劣化版ということで 、キュウ()ルーラと呼ぼうw」


その発言には、冗談めいた軽さと、誇らしげな響きが混じりまくっていたのだ。


こうして・・この時代に堂々と姿を現す。

シンルーラの後継機とも呼ぶべき存在!? キュウルーラ・・ここに誕生す。





--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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