帝国炎域戦線
〈帝国南炎域・イグナリア火山道〉
赤黒い岩肌が続き、火口から吹き出す熱風で空間そのものが歪んでいる。
帝国軍大隊の後ろ――
レオン一行が“先陣”へ歩み出る。
帝国使節団筆頭ライゼンは止めようとするが、
レオン(ノエル名義)は静かに告げた。
「――ここから先は、俺たちが行く。
影は、通常戦力では持たん。」
ミュゼも頷く。
「……認めるしかないわね。
帝国の兵では“再生する影”には太刀打ちできない。」
レオンは剣を抜き、赤い地脈へ視線を向ける。
「クラリス、イリナ。行くぞ。」
クラリス「はい、旦那様。」
イリナ「オッケー! 一番槍いっくよ〜!」
セリオは震えながら叫ぶ。
「き、来ますぅぅぅ!!
前方から……三十……いや四十!?
影の群れぇぇぇ!!」
アリア、瞳を金色に光らせる。
「“虚界兵”……上位混成。
前方に大型“影獣”もいるわ!」
その瞬間――
大地が裂け、影の群れが噴き出した。
影獣ワーム × 12
虚界兵(槍型)× 20
影狼ラヴァ・ハウンド × 8
帝国軍後衛に緊張が走る。
ライゼン「……帝国戦線、構え! 後方防御陣を維持しろ!」
ミュゼ「最前線はノエル殿たちに任せるわよ!」
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影獣ワームが巨大な口を開く――
レオンは一歩踏み込み、
「――断ッ!」
たった一撃。
聖炎が閃き、ワーム群が“跡形もなく蒸発”した。
帝国兵「……ひ……一撃!?」「な、何者だ……ノエル殿……!」
影狼が左右から襲いかかる。
クラリスは軽く息を吐き、
「――氷華穿ち《グレイシア・ピアース》。」
氷の軌跡が弧を描き、影狼が次々と貫かれ霧散する。
イリナが興奮。
「クラリスさん! 今のカッコよすぎでしょ!」
クラリス、さらりと微笑む。
「旦那様の護衛として当然ですわ。」
虚界兵が密集して攻撃隊列を築く。
「じゃ、行っくよ~~ッ!」
イリナは槍を回転させ、
「――星槍爆衝!!」
星光が爆ぜ、虚界兵がまとめて吹き飛ぶ。
アリア「……この二人、やっぱり“世界の強者側”ね……。」
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戦闘が進むにつれ、影の強度が上がり始める。
虚界兵の第二波。
背後の帝国軍が警戒を強める。
ミュゼ「左右から影が回り込んでくる!
ノエル殿、中央は任せるわ!」
レオン「了解。中央突破する。」
クラリス「旦那様、左 flank 取ります!」
イリナ「じゃワタシ右ぃぃぃ!!」
セリオ「来るぅぅぅ!! 今度のは硬い奴ですぅ!!」
アリア「虚界兵“装甲種”……前より上位よ!」
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ライゼンは即座に方向転換を命じる。
「帝国軍、後衛に徹せよ!
支援魔導と援護矢撃を集中しろ!
前面はすべてノエル殿たちに任せる!」
帝国兵「前に出ない作戦……! よし、防衛線を固めろ!」
ミュゼ「これなら……前線が崩壊しないわね。」
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レオンが中央
クラリスが左
イリナが右
三人が同時に突破口を開く。
影獣の群れが三分割され、
帝国軍も後方から安全に援護が可能となる。
アリア「見て。ノエルさんたちの動き……
三点分断戦法。完全に大軍を想定した戦い方よ!」
セリオ「そ、そうなんですぅ!
でも次……もっとヤバいの来ますぅぅぅ!!」
レオンが振り返る。
「“次”とは?」
セリオ、目を見開く。
「く、来ます……!!
十二魔導将の“眷属級”……!
でっかい“影の巨兵”ですぅぅ!!」
その直後。
火山道の地面が破裂し――
“影の巨兵”が姿を現した。
帝国兵「ひ……でかい……!!」
アリア「強度……前線の三倍……!」
レオン、剣を構える。
「――ここからが本番だ。」
いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、『ブルーリヴァー後日談 ― 影の残渣と、静かなる決意』




