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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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緊急着陸 ― 火裂谷キャンプ、灼熱の前線へ

〈帝国領上空・ヴァーミリオン・ウィング〉

セリオの震える声が、甲板全体に緊張を走らせていた。


「き、来ます……! 上……真上です……っ!」


アリアが風の魔力流を解析し、即座に叫ぶ。


「――影の乱流、突入! 高度維持不能!」


ミュゼが魔導陣を展開する。


「滑空艇、制御系が死んだわ! 風石の揚力が飲まれていく!」


ライゼン: 「全員、衝撃に備えろ!

 帝国軍式・緊急降下手順へ移行する!」


船体が激しく揺れ、

空気が悲鳴のようにうなりを上げる。


セリオ: 「ひぃぃぃいいッッ!! ボクの命落ちていきますぅぅぅ!!」


イリナ(妙に楽しそう): 「きたきたきたーー! 最高級のスリルじゃんコレ!」


クラリス(静かに怒): 「イリナさんは黙って手すりを掴んでくださいまし!!!」


レオン(ノエルの声で落ち着いて): 「全員、前傾姿勢。重心を船体中央へ。――大丈夫だ、落ち着け。」


その声だけで、揺れる跳ねる鼓動がスッと整う。


(不死王と知らずとも、人々は“命を預けられる声”だと感じる)


ミュリオ: 「着地点、確保します! あそこなら……!」


アリア: 「火裂谷の外縁! 岩盤が厚い! いける!」


ライゼン: 「操舵ッ!! 下降!!」


――ズドォオォン!!


滑空艇は炎の大地に火花を散らしながら滑り込んだ。 砂と石と熱風が舞い上がり、甲板に響く金属の悲鳴。


やがて、止まった。



---


〈帝国領・火裂谷外縁前線地帯〉

岩と鉄杭で囲まれた半ば軍事砦の野営地。


火山灰の匂いと鋼鉄の焼ける音。

ここは“炎の聖樹イグニア”を臨む 帝国前線拠点。


帝国将校たちが駆け寄る。


「ライゼン卿!ご無事でしたか!」


「滑空艇は……?」 「修理可能だ。ただし飛べる保証はない。」


ミュゼが状況報告を簡潔に述べる。


「空に“影の乱流”。虚界の干渉は、すでに臨界に近い。」


将校たちの表情が一斉に強張る。


レオン(ノエルとして): 「影の侵食は地上へも近いということか。」


ライゼンは深く頷く。


「……ここから先は帝国領深部。

 我々が先導するが、行動は“監視下”で行ってもらう。」


(以前の条件を、再び強調。)


イリナ(くだけた口調): 「へーいへーい、監視ね監視。

 サボらないから安心してヨ?」


クラリス(遠慮なく釘を刺す): 「イリナさん。やる気と失礼は別物ですわ。」


イリナ: 「ほら出た、クラリス節~♪」


(火花、バチバチ)


セリオは既に地面に座り込んでいた。


「ボク、空もダメ……火山もダメ……人生キツい……」


カイルは背中を支え、真剣な声。


「生きろ。」


レオンは火山の中心、赤黒い煙が上る方向を見つめる。


「……あの奥に、“炎の聖樹イグニア”がある。」


アリアが小さく頷く。


「ええ。揺らいでる。

 氷とは違う――燃えながら“壊れようとしている”鼓動。」


ミュリオ(唇を噛みながら): 「レイブンさんなら……こう言うはずだ。

 “立ち止まるな”って。」


レオンが振り返り、静かに答える。


「なら、進むだけだ。」


ライゼン: 「明朝、前線第二層へ向かう。

 全員、休息と準備を整えろ。」


炎の大地に、夜が落ち始める。



いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、夜の囁き ― 焦熱の大地で揺らぐ影

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