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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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141/165

帝国南領・前線キャンプ「紅炎の壁」

夜明け。

赤い朝日が火山地帯を照らし、乾いた風が布陣された陣幕を揺らしていた。


帝国軍の前線拠点――紅炎のベルト・バスティオン

黒鉄で造られた城壁と、火山灰で黒く染まった旗が並ぶ。


レオン一行は、帝国軍指揮幕へ案内された。


ミュゼが軍用地図を広げながら説明する。


「この先は“火の裂谷”地帯。

 聖樹イグニアはその中心――《紅炎冠の聖堂》に眠っている。」


クラリスは一同の装備を確認しつつ静かに言う。


「旦那様。熱風が強まっております。

 水分補給と呼吸法を忘れずに。」


「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。」


クラリスはほのかに頬を染める。



---


ミュリオは携行ケースを開き、何種類もの瓶と触媒を並べる。


「これが例の応急処置用セラ・フレア・プロト――

 影の黒炎の侵食を“遅らせる”効果がある。

 飲んだら喉が焼けるけど、死ぬよりマシ。」


セリオ、震えながら瓶を見る。


「の、喉が焼ける……ですか……?」


イリナ、既に二本目を口にしている。


「オーッ! カラダの中あっつい!! これ強くなれる感じ!!」


ミュリオ

「ちょ、待って! 一日一本!! 馬鹿か君は!!!」


イリナ

「だいじょうぶだいじょうぶ☆」


クラリス(殺気微増)

「だいじょうばないでしょう?」



---


レオンは、ミュリオが触媒の配置を終えたのを見計らい、穏やかに声をかけた。


「昨日……“レイブンさんもそうする”と言っていたな。」


ミュリオは手を止め、少しだけ表情を曇らせる。


「……ああ。」


「彼は、強い仲間なのだろう?」


ミュリオは息を吐く。


「レイブンさんは“七星騎士団《暁刃》”。

 ――最前線で戦ってきた人だ。」


イリナ、誇らしげに胸を張る。


「七星の中でもガチの本物だヨ。

 レイブン様は“斬り伏せた数”じゃたぶんトップクラス。」


カイルは少し目を伏せる。


「でも……今回の水の聖樹では……」


ミュリオは言葉を継いだ。


「負けたんだ。

 “十二魔導将・第八位 ヴェル=オルグ”に。

 その時……レイブンさんの弟子が重傷を負った。」


レオンのまなざしが深く沈む。


(戦いの果てに、また“奪われる”ものが出たのか……)


アリアは短く補足する。


「その“十二魔導将”は、氷の地であなたたちが遭遇したイスカリオスと同じ階級。

 ――つまり、“影の根”は確実に覚醒へ向かっている。」


クラリスが剣の柄に手を添え、静かに誓う。


「旦那様……今度こそ、影を断ちましょう。」


レオンはうなずいた。


「必ずだ。」



---


外から、低く重い太鼓の音が鳴り響いた。


帝国軍兵

「前線部隊、出陣準備――! 火裂谷に展開せよ!」


イリナは槍を肩に担ぎ、


「よっしゃあああ!! 影ぶっ飛ばしツアー開始ぃ!!」


セリオ

「それ観光みたいに言うのやめてぇぇ!!」


カイル

「……師匠、声デカいです……」


レオンはマントを翻し、前を向いた。


炎の聖樹イグニアへ――

影の根を断つために。



いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、飛行滑空艇ヴァーミリオン・ウィング》

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