黒の玉座会議 ― 十二魔導将、静かに集う
〈虚界・深淵層 第七階 “影鏡の間”〉
光のない空間。
ただ、黒い水面のような床が広がり、
そこに映るのは 世界各地に揺らぐ“影”の脈動。
その中央に――影で形作られた王座が一つ。
王座に腰掛ける者は、まだ姿を現さない。
ただ、声だけが響いた。
> 『……報告。』
その声に応じるように、
黒い霧が形をとっていく。
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十二魔導将・第九位《凍哭の魔術帝》イスカリオス
白い氷像のように佇む魔族。
氷の翼は欠け、身体には深い斬撃跡が残っていた。
> 「……不死王。いや、今は ノエル と名乗るか。
あれは未だ、剣を捨てていなかった……。」
声には焦りはない。ただ、静かな苛立ちだけが滲む。
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十二魔導将・第八位《影喰の君》ヴェル=オルグ
黒曜の翼を持つ男、ヴェル=オルグは片膝をつき、静かに息を吐いた。
> 「……水の聖樹を護った“剣士”と“星槍の少女”。
あれらは、ただの戦士ではなかった。」
イスカリオスが目を細める。
> 「ほう……『七星』か?」
ヴェル=オルグは淡い笑みを浮かべた。
> 「剣士は鋭い。“不死王”の影すら見る。
だが……それ以上に――少女だ。」
霧が揺れ、彼の声が静かに響く。
> 「あの槍は、星を呼ぶ。
まだ未熟だが、いずれ我らの障害になるだろう。」
イスカリオスは興味深げに言った。
> 「ならば、お前は何故殺さなかった?」
ヴェル=オルグは、ただ短く答えた。
> 「――面白いからだ。」
沈黙が落ちる。
> 「力とは、成熟し、燃え立つ時にこそ価値がある。
あの少女と剣士は“まだ育つ”。
だから、あえて生かした。」
そこへ新たな影――
冷たい声が空間に響いた。
> 『――戯れが過ぎるぞ、ヴェル=オルグ。』
霧が形を成す。
漆黒の法衣。
禍々しい六紋の魔眼。
息すら影に変えるほどの存在感。
十二魔導将・第三位
《災炎執行者》 バルグ=レメル
> 「世界は“均衡を取り戻そうとしている”。
……ならば、我らは崩すだけだ。」
黒炎が影鏡の間に燃え上がる。
> 『不死王レオン。
その歩みが、再び“絶望”に変わるように。』
影は静かに笑った。
世界は、まだ何も救われていない。
いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、帝都ヴァルハイド・夜の食堂




