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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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皇女アメリアの謁見 ― 炎の玉座と静かな対話

〈帝国首都ヴァルハイド・紅蓮宮〉

火山石と金の柱で飾られた、帝国でもっとも荘厳な宮殿。


ノエルたちの準備が整ったその日の夕刻、

宮廷より一通の使令が届いた。


「帝国皇女アメリア殿下より、ノエル殿への謁見要請です。」


クラリスがピタリと動きを止める。


「……殿下“お一人に”ですの?」


使令官は淡々と頷いた。


「はい。他の方はお控えください。」


イリナの眉が跳ね上がる。


「えっ、いやいやいや!?

 レオン様――じゃなくてノエルはウチらの隊長だよ!?

 単独って何それ危険じゃない!?」


クラリスは笑顔のまま殺意100%。


「殿下が何をお考えでも、旦那様は渡しませんわ。」


セリオ(震えながら)

「なんか……女子の戦場のほうが怖いですぅ……」


アリアは小声で分析する。


「……“個別に会いたい”ということは、

 ノエル様の正体に“薄く気づいている”可能性が高いわ。」


レオンは静かに頷き、皆をなだめる。


「心配するな。すぐ戻る。

 待っていてくれ。」


クラリス & イリナ(完全に同時)

「もちろんですわ / もちろんダヨ!!」


再び火花。



---


紅蓮宮・高天井の回廊を進むと、

奥の広間で一人の少女が佇んでいた。


白銀の髪。炎を宿した琥珀の瞳。

気品はあるが、威圧感ではなく“静かな強さ”を纏っている。


帝国皇女――アメリア・ヴァルハイド。


彼女は振り向き、微笑んだ。


「初めまして、ノエル殿。」


ノエル(レオン)は丁寧に礼を返す。


「こちらこそ、光栄です。殿下。」


アメリアは近くの炎水晶に触れながら言った。


「……あなたは、“ただの画家”ではありませんね。」


レオンは微笑を崩さずに返す。


「人には、過去も事情もあるものです。」


「ええ。私も、そう思います。」


アメリアの視線は、刺すような観察ではなく――

“知ろうとしている”人のものだった。


「この国は今、炎の聖樹が軋むことで揺らいでいます。

 ですが……それでも私は、“守りたい”のです。

 帝国という家を。ここに生きる人々を。」


そして、真っ直ぐに告げる。


「だからお願いです。

 ――私の手を借りてください。」


レオンの瞳がわずかに揺れる。


「……帝国は、王国を敵と見ているはずでは?」


アメリアは、首を横に振った。


「戦う理由は、もうありません。

 “影”という共通の敵がいるのだから。」


静かに広場の炎が揺れ、影が淡く伸びる。


「私は、力や名声より――未来を選びたい。」


レオンは、短く息を整え、応える。


「……その願い、確かに受け取った。

 共に行こう。殿下。」


アメリアはほっと微笑んだ。


「ああ……よかった。

 やっぱり、あなたは“光”の側の人だ。」


その言葉は、“不死王”ではなく

“人”としてのレオンに向けられたものだった。



---


謁見を終え、外へ戻ると――


クラリスとイリナが、並んで待っていた。


(※仲良く待っていたわけではない)


クラリス(優雅な微笑・背後炎のオーラ)

「遅かったですわね、旦那様?」


イリナ(ジト目・尻尾はないのにブワッと膨らんだ感)

「なーに話してたのかなー? あれかなー? 内緒話かなー?」


レオンはため息のように、静かに笑う。


「……準備が整った。明日、出発する。」


クラリス & イリナ

「はい、旦那様! / 了解だヨ!!」


セリオ(小声)

「……マジで頑張ってください……」


アリア(真顔)

「これもう魔族より人間関係のほうが試練よね。」


火の都に夜が降りる。

炎は揺れ、影もまた揺れる。


だが、一行の進む先は定まっていた。


> ――炎の聖樹イグニア。影の根の震源へ。





いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、皇女アメリア視点 ― 炎都の夜、揺らぐ心

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