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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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134/165

影の執行者、初対峙 ― 三位の光、影を裂く

〈帝国南境・火の谷前線地帯〉

地熱が唸り、赤い風が吹き荒れる。


セリオが叫ぶ。


「き、来ます来ます来ます!!

 ヤバいやつ!! 前に山2つくらい越えてますぅぅ!!!」


アリアの瞳が金色に輝き、瘴気の流れを視る。


「……来たわ。“影の執行者”エンクレイブ。

 虚界兵を引き連えてる。数は十……いや、十二体。」


黒い炎にも似た影が地を這い、

その中心から、白い仮面の存在が歩み出た。


影の執行者エンクレイブ


> 『……新たなる光。

 虚界の計算には存在しない“誤差”。

 ――興味深い。』




ノエルは一歩、前へ。


「誤差で構わん。ここで断つ。」



---


アリア、手を翳し呪文を紡ぐ。


「鑑定――《真視オラクル》」


光が走り、構造が解析される。


「エンクレイブの核は“背骨中央から頚椎部”に走る影脈。

 前回と同じく――清浄炎セラ・フレアでのみ再生阻害可能。」


セリオ(震えながらも聞き取る) 「つ、つまりっ!!  また背骨沿いにぶっ刺さなきゃいけないんですねぇぇ!!?」


アリア、さらに続ける。


「それだけじゃないわ。

 この個体――“冷却反応”に弱い。

 氷紋ドラグ・グラシエルと相性が悪い。」


クラリスの瞳が鋭く光る。


「つまり――私たちの加護は、“天敵”ですね。」


イリナが満面の笑み。


「勝った!!!!(※まだ戦ってない)」



---


虚界兵が一斉に襲いかかる。


ノエルは剣を抜き、ただ一言。


「行く。」


瞬間、空気が変わる。



---



赤炎の奔流を踏み抜き、一直線にエンクレイブへ。


剣閃が、影を断ち割る。


エンクレイブは初めて“避ける”ように動いた。


> 『……速度差。

 解析不能。』




ノエル 「理解できなくて構わん。」



---



影兵に囲まれるが――


「戯れは不要ですわ。」


氷華剣舞グレイシア・ブロッサム


刃が氷光の花弁を描き、

影兵十体が“無音”で崩れ落ちる。


クラリス(微笑) 「旦那様の背に影など触れさせません。」



---



「よっしゃぁ!! 星、全開いっくよーー!!!」


星槍アステリアが流星光を纏う。


「天砕槍――《ステラ・ジャベリン》!!!」


放たれた槍光は

虚界兵ごと地形を真っ直ぐ貫通した。


セリオ 「ひっ……ひとりだけ戦場ルール違う……!」



---


アリア 「今!! 首の根元“影脈”露出!!」


ノエル、クラリス、イリナ

同時に駆ける。


時間が“引き延ばされたように”静かになる。


ノエルの炎刃

+ クラリスの氷紋

+ イリナの星光突き


三つの属性が 一点で重なる。


「――斬ッ。」


ズガァァァァン!!!


影の核が、完全に断ち割られた。


エンクレイブが初めて苦痛を滲ませる。


> 『……不完全なる光が……

 完全なる影を……上回る……だと……』




ノエルは静かに答える。


「光も闇も、ただ“そこにある”だけだ。

 お前たちが奪おうとしなければ――ただ共に在れた。」


> 『理解不能……人間は……なぜそこまで……』




「“守りたいものがある”からだ。」


影の執行者は霧散した。


黒い残滓が風に溶けて消えていく。



---


帝国兵、呆然。


イリナ 「ね!? ノエル様すっごいでしょ!!」


クラリス(勝利の微笑) 「ええ。旦那様は“世界で一番強い”のです。」


セリオ(泣) 「ぼくもう寿命20年縮みましたぁぁ!!」


アリア(深く息を吐く) 「……でも、今のは“始まり”よ。」


ノエルは空の向こう――

炎の聖樹の揺らぎを見据えた。



いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、紅蓮の宮廷 — 皇女アメリアとの謁見

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