12話 氏真(其ノ一)
藤吉郎は、今川の陣に向かっていくと、見張りの足軽たちとは顔見知りらしく、
軽口を叩きながら、どんどん奥に入っていった。
今川の前線基地は桶狭間にも置かれていたが、あくまで、本隊は沓掛城の中におり、
桶狭間の前線基地を担当していたのは、義元の子、今川氏真だった。
藤吉郎、権六、と、(権六に背負われた)俺、の3人は、氏真の陣に着くと、
藤吉郎は氏真に面会すべく、取り次ぎを頼んだ様だった。
「氏真様。ご無沙汰しておりますぎゃー。氏真様におかれましては、ご健勝なことで、この藤吉郎、祝着至極に存じ上げますぎゃー」
「そなたが、手土産があるからと言うから会ってやろうと言うのだ。」
氏真は、いわゆる、エリート御曹司と言う感じで、すらりとした顔立ちをしており、高校のサッカー部でエースを張ってそうな感じのイケメンだった。
「ここに連れて来ておりますのは、織田信長の息子、奇妙丸で御座いまする。」
「おお、うつけ信長の息子を連れて来たとは、これは天晴れ!まずは、本物かどうか、確認したいな」
氏真は、館の下男をやっていて、今川方に寝返ったものを連れて来させると、俺の顔を確認させた。
「確かに、奇妙丸様に間違え御座いませぬ」
下男が、奇妙丸であることを確認すると、氏真は飛び上がって喜んだ
「でかした!藤吉郎! 褒美は思いのままぞ!!! どの様は褒美が良い?」
「褒美は、金一封と、この生意気な餓鬼の釜茹での刑を見物させて頂くことで御座いまする」
「釜茹でか、それは、良い考えだな! 信長の息子を釜茹でにしたとなれば、兵士たちの士気も上がるであろう。さぞかし、泣き叫んで茹でられていく様を楽しみたいものだな」
氏真を見て、ふと思い出した。。。。高校の、サッカー部のキャプテンって、落ちこぼれの俺と視線を合わせるのも嫌がったっけ。。。。スクールカーストって奴か。。。。せっかく転生したのに、また、同じ様な奴にやられるのか。。。。
いや、、、、、、。もう、俺は死ぬんだ。釜茹でにされて。
俺は、最後に残った力を振り絞って、氏真を睨みつけ。氏真の顔目掛けて唾を吐きながら、悪態をつきまくった!!!!
何を言ったのか、言葉にならない、言葉の様なもので、ありったけの力を込めて、、信長が必ず氏真を殺しに来てくれる! そんなことを叫んだ気がする。
すぐに、氏真からビンタを喰らい、俺はそのまま気を失った。。。。。。




