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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
38章.神殿再建(3)ランデル攻防戦(1)

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38-13.ランデル防衛戦(8)防衛戦(1)

挿絵(By みてみん)


ランデル側が、”そろそろメラージェの攻撃が始まるかもしれない”と準備を進めているタイミングで、メラージェ側も、実際に攻撃準備を進めていた。


たびたびランデルの攻撃を受け、少々の損害は出ていたが、何とか陣地が完成した。


これでようやく攻勢に移ることができる。

メラージェ軍指揮官のペイランカは、自身の目でランデルの陣を飽きるほど見て、対策を考えていた。

外から観察してわかることはたくさんあるが、まだ見えていない部分もたくさんある。


立場の問題もある。メラージェは先鋒。

本隊が到着する前に落としてしまっても構わないとは言われているが、言葉通りに受け取って良いとは限らない。


ウスカゥ王国(地名ではハスクバハル)の制裁である都合、仮に落とすのがメラージェ軍だとしても、本体が到着するのを待った方が良さそうだ。


ウルキスタ本隊が到着するまで、この陣地を維持するのは絶対条件となる。

ランデルが自分から大攻勢をかけてくる可能性は少ない。

やるなら陣地が完成する前にやらなければ、効果が薄い。

構築がある程度進んだところで仕掛けて、大打撃を与えるのが効率が良い。


ペイランカは、そのタイミングには注意を払っていたがランデルは出てこなかった。


あのタイミングに出ないのなら、積極的に攻める気は無いように見える。

とは言え、そこがまた危ない。

ラハイテスは力押しの将では無く、裏をかいて地味に消耗を狙ってくる可能性も高い。

陣地から出たメラージェ軍を狙う可能性もある。


危険はあるが、まずは、突いて様子を見るか。

どうせ時間が経てば、本体が到着し、こちらが有利になるのは見えているのだから、急ぐ必要は無い。

とは言え、何もせずに見てましたとも報告し辛い。

とりあえず、様子見と行くことにする。


「火でも放てば、柵はどうにかなるか?」

近年のランデルの実力は不明ではあるため、様子を見る。


副官ビテフィは、実行する可能性の高そうな攻撃方法は検討していた。


「物見の報告では燃えそうだと」


「簡単に燃えるものを手間暇かけて作ると思うか?」


もちろんビテフィもそう思う。が、実際偵察した結果の報告が燃えそうに見えるだった。

「いえ、燃えても構わない、罠の可能性もあります」


ペイランカも、そう考えるのが妥当だろうと思う。

何をするつもりなのか。

「先に試しておく価値はあるか」


全力ではなく、様子見のために攻撃を仕掛けてみる。

それがペイランカの出した命令だった。


……………………

……………………


遂に、メラージェのランデル攻略の戦火が開かれる。


火矢をかけて燃えるようなら一戦交えようとするが、簡単には燃えなかった。

燃えやすい柵を作って誘い込むのが目的では無いようだ。


ビテフィ率いる本体は西門を目指す。

当然、ランデル側の抵抗はあるが、こちらも、抵抗を予期して、それなりの準備はしている。


一か所だけ空いている突入口は、一気に人数で押せば突破できるはずだが、

見慣れない重装兵が守りを固めている。


見せかけだけだと思っていた重装兵は、なんと、思い切り動いて食い止めている。


「あれで動けるのか。あんな重装兵がランデルに居るとは聞いていなかった」

※大きな国だと、サンプルとして重装が置いてあるので、

 どんなものかは知っています。

 中途半端に知ってるだけに、あんなもの装備して動けるわけないと思ってます。


連合から合流した兵だろう。とはいえ、連合でもあんな兵が活躍したとは聞いていない。


あの重装兵を排除できない限り前には進めず、重装兵の手前は、敵に突かれ放題だ。

もちろん簡単には落ちず、たちまち負傷者が山のように出る。

※たぶん頭の中で想像するような数ではありません20名程度です。


「ビテフィに退くよう伝達を」


ビテフィも、ここを突破するのは無理だと思っていたので、これが潮時とあっさり撤退する。


メラージェの第一次攻撃はこれで終了となった。


--------


「退いたぞ!」、「油断するな」


油断するなと言いつつも、やっと一息つける。


「重装兵……こんなに強いのか」、「驚いた、本当に守り抜いた」

※打たれ強いだけで、攻撃力はほとんど無いです。


「重装兵、班交代だ」


急いで今まで戦っていた重装兵の装備を外して怪我の有無を確認する。

汗だくだ。体のあちこちが痛くて、怪我の有無が分からない。

「痛たたた、擦れて血が出た」

「擦り傷か、傷は深くないな」


見て回る方は、至急治療が必要かを確認しているので、こういう言い方になるのはわかるが、

それはわかっていても、それなり腹は立つ。


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「ああ、わかってる。大怪我じゃなくて良かったという意味だ。

 おい、そこの、ここが擦れるようだ、なんとかしてやれ」


……………………


ランデル側は、ひとまず第一回の攻撃を凌いだことと、重装兵の効果を実感して、大騒ぎになっていた。

ランデルの守備隊には、これが初の実戦となる者も多かった。

陣地の中から槍で突くだけ。

そんな戦いであっても、実戦に慣れれば、生存率は上がる。


ただし、心配もあった。

決して長い時間では無かった、あの戦闘で既に、重装兵はバテバテだったのだ。

今回はローテーションする必要のない短時間だったが、ほとんど機動力の無い重装兵をローテーションするには、サポート役の負担が大きい。


スワレンは、今回戦った重装兵の怪我の様子を見る。

ほぼ外傷と言えるほどの外傷は無い。擦り傷で多少の出血がある程度。

ただし、流血が無いだけで、打ち身は多い。

今回は敵が重装兵対策をしてこなかったから、有効な攻撃が無かっただけで、相手が重装兵対策して大型の武器を装備してくると、ダメージは大きく増える。


「諸君、素晴らしい活躍だった。

 幸いにも重傷者は一人も出ていない。敵の攻撃は通らなかった」


スワレンはそう言いつつも、重装兵の疲労の具合を見ると、ローテーションを組むには現在の人数では全然足りないように感じる。


それに、この狭いスペースに自力でほとんど移動できない重装兵を待機させるだけのスペースが無い。

今の人数に最適化されている。

重装兵が何日持つか。連続して攻め込まれたら何日も持たない。

敵が諦めずに続けて攻撃してきたら籠城戦に移行する前にここが落ちる。


西門はいざとなれば塞ぐことはできる。

だが、西門を閉じれば別の場所が攻撃を受ける。

それがどこになるかは予測が難しく、スワレンとカヤハルが攻撃を受けている場所に加勢に行くが、スワレンの隊のうちの半分は元騎士隊で今回は重装兵として西門を固めている。

動かせるのはジェローネの隊だが、陣地が破壊された場合の修復の要となるので戦わせたくない。

となると、スワレンが直接率いるランデル兵の守備隊だけになり、スワレンとしてはやりにくい。


※スワレンさんとカヤハルさんは年齢が異なるだけで、戦闘に関しては、

 かなりキャラ被りしています。力押しも、壁としての防御も機転を利かせた攻撃も

 全部できるオールマイティーキャラです。

 現時点では、年齢的に、本人の戦闘能力にはスワレンさんの方が分があります。


今回の戦闘では、ランデル側の損害は軽微。

メラージェ側には重傷者が数十名、死者も出た。

守る側が有利とは言え、ランデル側の圧勝と言える。


ただし、数十人を一時的に戦闘不能に追いやったところで、本体が到着すれば、少々の損害で勝敗は変わらない。

状況は変わらない、とりあえず、重装兵の効果が確認できたことが最大の収穫だった。

訓練はしていたものの、実戦でどれだけ戦えるかはまったくわかっていなかったのだ。


========


一方で、メラージェ軍では、対ランデル戦で、かなり強力な敵という手ごたえを持った。

一回やればわかる。あれは、そう簡単には落ちない。


指揮官のペイランカは、メラージェだけではランデルは落とせないと判断し、本体が来るのを待つことにした。

本体のウルキスタがそろそろ、3日圏内に入ってきている。

惜しむほどの時間ではない。


3日とは言っても8割がた到着するのが3日後。

遠方から大部隊が移動する場合、先頭集団と末尾にはそれなりの時間差がある。


この時点で速い部隊は、既に到着し始めていた。


ウルキスタ本体に先行して到着した部隊の指揮官はウベルチという。

ペイランカには知将寄りに見えた。


ウベルチは到着するなり、ランデルの陣を離れた場所から観察し、どのような守備を固めているか調べていく。

ペイランカは、今まで調べた内容を報告する。


ウベルチは、到着した翌日には、軽くランデルに仕掛けている。

西門ではなく、北と南から仕掛けた。

堀があるので、少人数で攻めてもどうにもならない。

当然陥落させようとしているわけではなく、目的は、ランデル側の反応を見るため。


ランデル側も、それはわかっているので、わざと、全力は出さずに反撃する。


それでも、戦い方の傾向は見えてしまう。

ランデル側は、相手の方が圧倒的に多数なので、損害を出さずに追い返すことに注力する。

結果として、あまり積極的な抵抗ではなくなる。


兵の消耗を極端に控えているように見えたため、ウベルチは移動で疲労している兵を休ませることに注力した。

ところが、見事にランデルの奇襲を受ける。


ほんの一瞬のことだったが、柵の一部を焼かれ、兵が集まっているところに、矢の斉射を受けたため、襲撃の規模に反して負傷者が多く出てしまった。


その後も、夜間に断続的に襲撃が有り、ウベルチの部隊は早くも士気が下がりまくる。

格下の軽装兵に、こうも容易く被害を受けると、士気は大きく落ちる。


ラハイテスが軽装兵を使うのには、そんな心理効果を期待したからではなかったが、

予想外の効果を上げていた。


軽装兵は、標準的な装備を持てないような、非力な軍に多い。


ハスクバハル側は、ラハイテスの軽装部隊に手を焼いた。

本体が到着する前から、ランデルを疲弊させるつもりが、こちらの方が大きな被害を受けた。


正直手痛いが、ラハイテスの手勢が一晩に何度も襲撃を掛けてきたのだから、それなり疲弊しているはずだ。


ここで、多くの兵を割いて、木を切り倒す。

本体が到着する直前のこのタイミングで、この場所にスペースを作る。


あとは、ランデル兵を、ここに釘付けにする。


大部隊と共に運ばれてくるので、少々の奇襲で壊滅的な打撃を受けるとは考えにくいが、用心に越したことは無い。

攻城兵器だ。強固な城でもないランデル攻めには不要に思えるものだが、比較的近い場所に小型のものが配備されていたので、念のために運んできた。

強固な城を攻めるのには使えない小型のものだが、ここを攻めるにはちょうど良い。

本隊より遅れて到着する可能性が高いが、既にそう遠くないところまで来ているはずだ。


もしかしたら、この戦いで勝敗を分ける可能性がある。


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