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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
37章.神殿再建(2)

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37-16.タカアシガニ旅行(12) 自活できるのが大人。爺さんは自活できないから大人扱いされなかった

挿絵(By みてみん)


年齢で一律大人かどうかを決めるのは、俺的にはあまりしっくりこない。

高卒で何かしようとしても親の同意が必要になる。

自分の意思で自分の将来を決められないというのは俺は不幸なことだと思っている。


尤も、来年、2022年から18歳成人に変わるようなので、その点は改善するが、高卒が多数派だった時代には、20歳成人だった。

自身の意に沿わない選択を強要された人も多いだろう。

まあ、同様に年齢制限に救われた人も多いとは思うが。


世界的に18歳成人が標準的であり、合わせないと不便が多いというのが主な理由だと思っているが、参政権の都合も大きいようだ。

ただ、実際のところ、社会知識が十分でない者が投票してまともな結果になるかというと、そんなことは無いと思うので、参政権に関してはどうかな?というのが正直なところだ。

それも含めて権利を持つ人が誰に投票しようと勝手というのが民主主義なのだが。

参政権は年齢一律で構わないと思う。


大人か子供かの切り分けは、年齢よりは親から自立できているかの方が比率が大きいと思う。

被扶養の20歳大学生が自活している18歳より大人なのかと言うと、俺はそんなことは無いと思っている。

親と同居している間は大人と認めないという話ではない。


早くから働く人と、遅くまで扶養を受ける人が居る。

居ること自体は問題無いとして、一方的な扶養を受けている人が成人年齢に達しているから大人で、自活できている若い人が未成年扱いはどうかなと思うのだ。


少なくとも、俺は自活できているのであれば、若いからと言って権利を制限するのは良くないと思っている。

もちろん、権利と責任はセットでなければならないが。

日本の場合は、18歳成人で事実上若い側の制限は概ね改善できそうに思うが、学生はもっと国から手厚い保護を受け、そのかわりに大人の権利を一部制限されても良いように思う。



一方で、あの世界には、そんなにまともな法律は無いので、ある程度若くても、自活できれば大人。

小学校卒業くらいの歳で大人扱いになるが、その歳では自活が難しい場合も多い。

だから”自活できれば大人”、俺はその基準で良いと思っている。


あ、いや、法律は、あの世界にも本当はあるけど俺が知らないだけかもしれない。


が、まあ、実際に自活できるのが大人だった。俺もその基準で良いと思う。

だから自活できない爺さんである俺は、大人扱いされなかった。


あれは、俺的には極めて難アリなのだが、地球人の俺があの世界に行ったから例外が発生してしまっただけで、法律の問題では無い。


普通は、異世界に送られたら、もっと都合の良い現地に適応した姿になるか、適応しなければ、そのまま野垂れ死ぬのが普通だと思うのだ。


行ったら、大人ご卒業みたいな扱いになってるのは理不尽だ。


”自活できるのが大人”

これは、あの世界に行って、あの世界で過ごした俺だからそう思うだけで、一番初めに俺がただの人間だった頃どう思っていたかはわからない。

もう覚えていない。


でも、今はこう思う。

「学生でもなく、自活してるんだから、あれで大人なんだよ」


「でも若い、いくらなんでも若すぎる」


当然の反応だと思う。

俺も年齢のバランスが凄く悪いと思っている。


「不釣り合いだとは思ってるよ。

あっちに居た時の俺もたぶんそう思ってるし、俺が望んでそうなったわけではないはずだ。

 たぶん、若い子は立場が弱いから、不本意ながら同行してるんだと思う」


写真に写ってる歳と、一緒に暮らす時期が異なっているくらいなのだから、もっと後でも良いと思うのだ。

ただし、あの世界で30歳は中年くらいの扱いだ。”そろそろ孫が”くらいの勢いなのだ。


「でも、今の日本とはライフサイクルに差がある。30代には孫がいる」

「30代で孫?」


30代と言っても幅がある。


「40前に孫が生まれるくらいだったら、日本にもときどき居るんじゃないか?」


「ときどきは居るかもしれないけど、身近なところには……」


俺と洋子さんが高校生だった時代、最終学歴で一番多かったのは高卒だ。

その割に、身の回りに全く居なかったのだが。


「うちの学校は高卒いなかったけど、あの時代最終学歴高卒が多かったはずだ」


※”うちの学校は高卒いなかった”はほぼ全員進学したという意味で、

進学後中退で最終学歴が高卒の人は存在します。

当時は人が多すぎて大学進学可能なのは25%程度、高卒はその倍近いので、

最大派閥が高卒でした。


「そうだっけ?」


「俺も進路相談で大学進学以外の選択肢提示されなかったから知らなかったけど。

 ただ、高卒で働き始める人が多かったなら、20前に子供持つ人も居たんじゃないか?」


実際、高学歴女性ほど、第一子の出産年齢が上がっていくのだ。

だから、高学歴女子が少なかった頃は、今よりも第一子の出産年齢が低かったはずだ。


----


洋子にも栫井(かこい)が好んで若い子を選んでいるわけではないことはよくわかる。

そもそも、女の子とイチャイチャしていたわけでは無さそうだった。


逃げないように監視されている。または、常に付き添いが居る。

そんな感じではあった。


「なんで若い子ばっかりなのか、もう一度温泉浸かって確認してみる?」


それはちょっとリスクが高い。


「酒飲んで温泉入ったら、俺の心臓が破裂するから!!!」


風呂から上がってからは、宴会に移行していた。

泥酔するほどではないが、それなり飲んでいる。


酒飲んで風呂入ったら、俺の吐血フラグが立ちまくりそうだし、事故が起きて大変なことになりそうだ。

眼鏡かけてるときに裸見てしまったりとか、事故が起こりそうな気がするのだ。


「水着持ってくればよかったなぁ……」


「お風呂で記憶が見えるなんて思いませんからね」


俺が公衆浴場で発作起こしたら大変だから風呂付の部屋にした。

結局、洋子さんと唯ちゃんと一緒に風呂に入ることになって俺に見えていない記憶が、洋子さんと唯ちゃんに見えることが分かった。


それまで一緒に風呂に入ることなんて無かったので気付かない……今更気付くのも、どうにも、誰かの細工に思えてしまう。


ただ、俺の記憶と洋子さんたちに見えているものには差があるような気がする。

説明しても納得してもらえないのだ。


「でも、本当にあの世界の男は地位が低かった。

 特に50男はもう、産廃扱いだった」


栫井(かこい)が嘘を言っているとは思わないが、唯にはそうは見えなかった。

「あんまり産廃扱いされてる感じじゃなかったですよ」


栫井(かこい)がその言葉に反応する。


「そういや、疑問がある」

「なに?」

「産廃扱いの俺は貧乏だったはずだ」


確かに裕福には見えないシーンもあるが、話のつながりが見えない。

「それが何かあるの?」


「食べ物が無くて飢えた記憶はあまり無いけど、貧乏人には色付きの服は買えないんだ。

 俺は服を買うためにかなり金を貯めなきゃならなかった。

 女の子が青い服を着ているのなら、それなり裕福な子だと思う。

 金持ちが、老人に関わるのは変な気がする」


ここで衝撃の事実が発覚する。


「ああ、あの子、青い服着てないわよ」


【青い服の子】って呼んでただろ!!!!!

俺は全力で叫んだ。俺の心の中で。


「青い服着てない?」

「ええ。いつもほとんど灰色?」


それは貧乏人の服装だ。


「ああ、あそれは灰色と茶色以外は高いからだな。

 そうか、じゃあやっぱり産廃扱いだ」


「色で差があるんですか?」


「灰色は安かったが、青とか赤は貧乏人には手が出なかった。

 染料が貴重だったのかな?

 その土地以外では色が出ないのか、原料が手に入らないのか、水質的な問題かもしれない。

 青は森の色だな。森の染料は(あい)みたいなものだったんじゃないかな。

 【青い服の子】って言うから、いつも青い服を着てるのかと思ったけど違うのか」


「写真に青い服で写ってるからそう呼んでるだけで、青い服は着てないわ」


ぬう。俺はずっと青い服を着ているイメージで、なんか変だと思っていたのだ。


……………………

……………………


よくよく確認すると、青い服の女の子は、青い服を着ていないことが多かった。

俺には見えないが、洋子さんと唯ちゃんはそう言った。


そして、アップで写ってる子は、色付きの服を着ている。

少なくとも2色以上の色の服を持っている。

一緒に行動しているのに差がある理由はわからないが。


それと、異世界にも温泉があったことを思い出した。


これは俺にも視覚情報付きで見えた。石の記憶が読めているのだと思う。

迷宮のボス部屋だったと思う。

そこにはベスのでかいやつが居て、ベスとそっくりな話し方をする。

俺的には失礼な話し方に思えるが、洋子さんと唯ちゃんは、ベスとそっくりだと言っている。

ベスは洋子さんの家で飼っていた犬にしか見えない生き物だが、中身は竜のオーテル。

オーテルは俺にはかなり丁寧な言葉で話をしていた。

なので、ベスのでかいやつは、俺には失礼な言葉遣いに思えた。


ベスも、洋子さんと唯ちゃんには何故か妙に無礼な言葉遣いだったのはよく覚えている。

あの無礼な言葉遣いと、竜の一頭が同じ言葉遣いなので、つまり、そいつがオーテルの母親、俺の竜の妻なのだろう。


ベスのでかいやつがあの世界では竜と言われている。

俺たちから見るとベスは100%犬なので、竜はでかい犬に見える。

でかい犬の記憶は俺も見たことがある。


オーテルは俺を竜だと言っていたが、見えた風景の中で俺は人間だった。

竜よりずっと小さい。

まあ、他の人間と比べて極端に大きいのだが。


竜のおまけで凄い美人がそこらに裸で転がってたり、俺の周りを歩き回っていたりするが、俺はスルーしていた。そいつは見た目は人間だが、人間ではなかった気がする。

あまりにも整った容姿なので、俺的には作り物に見えてしまう。


竜は寿命が長いので、しばらく放置してもあまり問題ない。

問題なのは人間だ。


俺が何となく覚えている記憶では5人くらい女がいたと思うのだが、もっと少ない時期があったようだ。

俺と一緒に行動していた子は、青い服の女の子と、アップで写っている女の子の他に、もう1人居たようだ。

金髪で長髪ではない女の子。

その子が何かしらのカギを握っている可能性が高そうだ。


「金髪の子がカギを握ってそうだな」


「やっぱり見覚えがあるような気がするのよね」

「金髪の子?」

「ええ。話したことがある気がするけど、いつ話したのかわからない」


金髪と言っているが、本当は金ではなく薄茶色の髪で、日が当たると金髪に見える。

その髪色を何と呼べばよいのかわからないので便宜上金髪と呼んでいる。


不思議なことに、洋子さんは見覚えがあると言っている。

話したこともあるかもしれないと言っているので、過去に洋子さんはその子とも接触している可能性がある。


ただ、いつ会ったのかが特定できないというのも妙な気はする。

俺の場合、何度も異世界に行っている可能性が高く、いつ会ったかは分からないが、洋子さんは何度も機会は無いと思う。


俺と同じように夢の中で見るのではないだろうか?

俺は起きても覚えているが、洋子さんは夢で話しても起きたときには覚えていないとしたら、辻褄が合いそうな気がする。


夢で話したのに、夢の内容を忘れているとしたら、石の記憶として読めそうな気がする。

そう考えると、石の記憶として読めない時点で、それも妙な気もする。


さっきの風呂で尻を見られるときもそうだったが、この一緒に行動している女の子たちは、俺を守ってくれているようだった。

少なくとも大事には思ってくれているように見えると言う。


俺は嫌なことだけ覚えている。

なので、金髪の女の子は、俺に酷いことをしないので思い出せないのかもしれない。


いつも一緒に行動していたようで、金髪の子の存在は時々確認できる。


俺のあの世界での生活では、野生動物を捕まえて食料にすることも多かったようで、獲物を捌くのだが、俺はそれが嫌だったことを覚えている。

その記憶の中で、金髪の子が一緒に作業していたという。


それにイノシシに襲われたときにも、実はその子が居る。

おそらく、青い服の子と同様に、俺はその子と一緒に暮らしていた時期は長いと思う。


俺は嫌だったことしか思い出せない。

だから、その金髪の子が出てくる場面を見つけるのが難しい、つまり、たぶん、良い子なのだ。


不思議なのは、写真に写っているあの愛嬌のある……川でいきなり服脱いだせいで俺が大変な目に遭った子は、大量の女に囲まれる雨漏り小屋のときには近くに居る。

やはり青い服の子と同年代に見えると言う。


異世界に行って、レギュラー陣が揃いも揃って高校生くらいの女の子。

凄いありがち設定だ。

そのありがち設定で行けば、普通は、俺は生まれ変わって、レギュラー陣の女の子と同世代になるのが定番だと思うのだ。


ところが俺は、今の年齢のままで、異世界では老人で産廃扱いされる。

なぜかそこは定番ではないというあたりが、やはり物語との差だろうか。

※物語です!


俺は、産廃扱いでひどい目にあった……なのに、自力で帰ろうとしなかった。

まあ、まさか、自分が異世界と元の世界を行き来できると思っていないから仕方ないのだが、俺は帰ってきた。

そして、あの青い服の子はおそらく今でも俺を探している。


俺が帰ることを知っていたのか?

それとも、再度異世界に行くことまで知っているのか?


まあ、”帰らない”という選択肢ははじめから無かったのだと思う。


いろいろおかしい。俺自身が計画的に何かをしたわけではないように思う。


俺は若い子集めてハーレム作ろうと思うだろうか?

たぶん、思わないし実現する手段も持っていないのではないかと思う。

若い女の子を集めておけば、俺が満足すると思ったやつが存在するように思える。


それは、俺自身ではない誰かだろう。


何か仕掛けがある。


仕掛けを暴いてから異世界に行かなければならないのではないだろうか?

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