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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
17章.重機娘とデート編

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17-16.重機娘とデート(3)工事現場は密航路

だんだんと、終活の時期が近付いてきます……

挿絵(By みてみん)


※基本土日祝日更新です。

スペランカーレベルに心の弱いおっさんの、とっても残念なお話です。おっさんが興奮しても凹んでもすぐに倒れてしまうお話なのです。生温かく見守っていただけると助かります。



題名が加齢臭で宣伝は終活で中身はパンツの話。こんなのどうやって収拾つけるんだよ!と思う方も多いかと思います。それは至って正常な判断かと思います。

面白いかつまらないかは読者様が判断することですので判断できませんが、一応、加齢臭も終活もパンツも繋がった話を最後まで投稿する予定です。お付き合いいただけるととても嬉しいです。

挿絵(By みてみん)


「それでは行くぞ」

リーディアを先頭に、集団が移動開始する。


一応、道沿いに兵が配置されている。スワーレンとラハイテスの兵っぽい。


いきなり行くと大パニックになりそうなので、ちゃんと考えて作戦が練られている。

うちの脳筋軍団は、作戦の立案能力も実行能力も無駄に高いのだ。


俺のところで遊んでないで、軍で真面目に働けよと思うのだ。


とは言っても、こんなの’竜と愉快な仲間たち’だ。

グリアノスがでかすぎて、遥か遠くからでも,グリアノスだけは先に見えてしまう。


これだけ準備してあっても、やはり騒ぎにはなる。


「りゅ、竜が出たーー!!」「ぎゃーー!」


「ははは、愉快、愉快!」 ダイターンカムヒアが大喜びだ。

いや、流石に、これを見てそういう反応はどうかと思うのだが。


「人払いさせた方が」ラハイテスだ。


「まだだ。我々の姿を見れば落ち着くかもしれん」

「なにしろ、この方が居る」

リーディアとスワーレンは、謎理論で俺のハードルを上げに来る。


なるほど。確かに、俺はやたら目立つ。でかい男の老人はとても珍しいらしい。

その上、尻尾まで生えてしまった。


目立つという点では、自信がある。そして、それが悩みの種でもあるのだ。

俺は地味に一生を終えたいのだ。


【竜になれば良いのよ。竜になれば、解決するよ】


『竜になると、人間の女達が先に死ぬんだろ』


【そうよ。だって寿命が違うじゃない】


やっぱり、女達が先に死ぬのか……俺は、女達が先に老いて死ぬのは嫌だなぁ。


【人間がすぐに死ぬのは当たり前でしょ】


竜と人間の寿命は違う。だから、グリアノスがそう思うことに関しては仕方ないかもしれないと思う。


だが、俺は老人扱いされるこの歳まで人間として生きてきて、俺の心は全力で人間なんだよ!


……………………


ストーンサークル周辺では、たいした騒ぎにならなかったが、少し離れると、そうでもなかった。


やっぱり、対策しててもそれなり騒ぎになるのだ。


ダルガンイストは越えられないので、タンガレア側を進む。


ここいらには大きな村はないが、ところどころ人が住んでいる。

それと、ダルガンイストの迂回路があって、旅人や商人が通る。


ただの通行人までは、竜が来ることは伝わっていないようで、多少の騒ぎはどうしても起きてしまう。


「トルテラ様と竜の一行だ」 「これが竜、おとなしく従っている」

「竜王の噂は本当だったのか」 「なにがあるの?」


はじめはギャーギャー騒ぐ人たちが多かったが、通り過ぎると、後ろを付いてくる。


「なんか、変な噂流しただろ」 俺は、誰宛と言うことなく話す。

「噂は勝手に流れるものだ」 リーディアが即答した。

確信犯か……ここで言う確信犯は、一般的な意味の方の確信犯だ。

いや、正しい意味の方でも通るから、どちらの意味でも変わらないか。


俺の居た、日本という国では、辞書に載っている本来の意味と、実際に使われる意味が異なっている言葉があった。

本来は、”無罪だと確信して、実行するけど、実は法に触れてます”と言うのが、確信犯なのだが、一般的には、”法に触れることは確信してるのに実行する”のが確信犯になっている。


勝手に広まるものだから、誰も悪くないという正しい意味の確信犯と、広まることを期待してわざと流したというよく使われる方の意味での確信犯。


それはそうと、竜王ってなんだ? この世界にもドラクエみたいなランクが有るのだろうか?


「竜王ってなんだ?」

「竜の王様という意味だろう」 リーディアが答える。


「”なんでそんな言葉が広まっているのか”って言ってるんだよ!!」


【いいわよ。私は。だって、私の夫が竜の王だったら、嬉しいじゃない】 グリアノスの言葉が直接脳に届く。


”いいわよ”じゃねーよ! 俺が良くないんだよ!


「グリアノスは、トルテラを竜王と認めると言ってる」 テーラが言った。

テーラが翻訳して伝えたのだろうか?


「そういうことだ」

リーディアがキリっとした顔で言った。


俺が聞いたグリアノスの言葉と、テーラの翻訳はだいぶ違うんだが。


グリアノスに聞いてみる。


『竜王って言われてるけど良いのか? 竜にも国とか王様とか居るのか?』


【国なんて無いわ。そんなもの作るのは、人間くらいでしょ。でもあなたは王様。一番強いもの】


強いやつが王様の世界なのか。俺は竜になったら、毎日バトル人生なのだろうか?


【戦いなんて起きないわよ。あなたが一番強いことは見ればわかるもの。

 それに、来ても私が追い払ってあげる】


やっぱり、考えが読まれてる。


【人間の世界も楽しいわね。なんで人間は私の後を付いてくるのかしら?】


『人間も、グリアノスと一緒に歩くのが楽しいんだよ。珍しいから』


珍しいからってのはわかるんだが、困るのは、そのあとだ。


人が集まってきて、そのあと、俺達を先頭に凄い行列ができる。


珍しいから見に来るのはわかる。

たが、どういうわけか、仕事をほっぽりなげて行列に加わる。

こりゃ、このあたり一帯の仕事が全部止まりそうだ。


『珍しいから、見に来たのだと思う。グリアノスみたいな立派な竜を見たこと無いだろうから』


【そう。前に来た時は大騒ぎして煩かったから、私、人間嫌いだったの】


まあ、いきなり現れたらそうなるよな。


でも、でかい竜が出て、大人しかったら、見てみたいと思うのが人情か……


「人がついてくるのが楽しいって」 テーラが翻訳して? 伝える。


「それは良かった。グリアノス殿が嫌がるようなら、追い払わねばと思っていた。

 仕事がやりにくくなると困るからな」

ラハイテスが言う。


『なんの仕事だ?』 グリアノスに聞いてみる。


【ひみつ】


秘密じゃねーよ。

なんなんだよ。お前ほんとに竜かよ!

中に人間が入ってて操作してるんじゃないだろうな。


仕方がないので、人間の女に聞く。

「おい、リーディア、何するつもりだ?」

「私は付き添いだ」


リーディアは教えてくれない。


ラハイテスに聞く。

「おい、ラハイテス、何をするつもりだ」

「竜にお願い事を」ラハイテスが答えた。


「だから、何を頼んだ」 再度問う。


「物騒な話ではない」 リーディアが横から答える。


くそう。わざと話をごまかしてやがる。ますます怪しい。

俺が酷い目に遭うのだ。きっと。


するとグリアノスが教えてくれる。

【穴を掘るの】


『穴?』


【私が掘ればすぐ終わるわ】


まあ、でっかくて体重も大きそうだから、そうなりそうだ。


【私頑張るから見ててね】


見ててねじゃねーよ。結局意味が分からん。


「おい、どこを掘るつもりだ」 今度は、人間の女に聞く。


すると、ラハイテスが止まって指さす。


何かと思うと、細い道がある。

ここを通れば、ダルガンイストを通らずに連合領に入れる。密行路だ。

「やっぱり来た」「竜が来た。もうだめだ」

竜を見て急いで人が離れていく。ガラの悪そうな人達だ。山賊ではなさそうだが。


離れはするものの、そのまま、遠巻きで見ている。

何か少々悪いことをして暮らしてた人たちではないかと思う。


ここを掘るのか?


ダルガンイストや森を含む連合領と、タンガレアはほとんど貿易が無い。

貿易自体は合法で、自由にできるが、ダルガンイストを通過するので大荷物は運べない。


俺も昔使ったことがあるらしいのだが、ダルガンイストを通らなくても、ここを通れば行き来できる。

ただし、ここも道が細く、大荷物を運ぶのは難しい。


細いから問題がなかったわけで、通りやすくなったら、今度はここを巡って戦いが起きそうな気かするのだ。


そんなものを俺が見てたら、なんか、いろいろまずくないか?

いかにも、俺のお墨付きみたいじゃないか!!


『おい、ちょっと待て』


【ふふ。だいじょうぶよ。私はちゃんとできるから】


いや、心配してるのは、できるかどうかじゃ無い。やった結果どうなるかだ!!


俺はだいじょばない気持ちでいっぱいになった。


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