17-5.対中華まん戦訓練(1)立ち入り禁止エリア設定
だんだんと、終活の時期が近付いてきます……
※基本土日祝日更新です。
スペランカーレベルに心の弱いおっさんの、とっても残念なお話です。おっさんが興奮しても凹んでもすぐに倒れてしまうお話なのです。生温かく見守っていただけると助かります。
題名が加齢臭で宣伝は終活で中身はパンツの話。こんなのどうやって収拾つけるんだよ!と思う方も多いかと思います。それは至って正常な判断かと思います。
面白いかつまらないかは読者様が判断することですので判断できませんが、一応、加齢臭も終活もパンツも繋がった話を最後まで投稿する予定です。お付き合いいただけるととても嬉しいです。
実際に中華まんを倒すかは別として、試すだけは試しておこう。
選択肢無しと言うのは、あまり良くない。
「わかった。皆がそう言ってくれるなら、中華まんを退治する方も試してみようと思う。
試すだけ試してみて、無理そうならその時諦めれば良い」
トルテラがそう言うと、女達は少し安心した。
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テーラにグリアノスが居るかを確認する。
「テーラ、グリアノスは居るか?」
テーラは頷く。
「協力するって」
グリアノスは、まだ会話できる範囲に居てくれたようだ。
イグニスは、まだ居る(菓子を食いまくっている)ので聞く。
「対中華まんの練習するけど、ディアガルドはどうする?」
「一番大きな竜と共にある」 イグニスが答える。
手伝うと言う意味でとって良いのだろうか?
「”わらわ”は、お菓子食いすぎなんだよ」 アイスが言う。
「妾のことを妾と呼ぶでない!」 イグニスが答えるいつも通りだ。
イグニスは、人間の食い物に興味は無いと言う割に、毎回大量の菓子を消費する。
元々、もっと早くイグニスが来ると思っていたので、イグニス用の菓子は置いてあったが、凄い勢いで減っていく。
イグニスは高い菓子でも凄い速度で消費するし、あまり拘りが無いようなので、イグニス用に安い菓子を大量に買ってあるのだ。
「明日、俺が竜の国に行くから、またこのストーンサークルに来てくれ」
そう言うと、
イグニスは「明日じゃな」と答え、また菓子を食う。
帰る気は無いようだ。
テーラもグリアノスに伝えてくれる。
今日は解散だ。
解散すると言ったが、ちょっと試しておきたいことがある。
ストーンサークルに行くと、エスティアとリナが付いてくる。
「何するの?」
「ああ、自由に行き来できるか試そうと思ってな」 そう答えると
「竜の世界?」、「どうやって行くの?」 リナとエスティアに聞かれる。
「ああ。竜の世界。たぶん火だと思うんだが」 二人の疑問に答える。
「火?」
「火を使ったらストーンサークルに吸い込まれて。だから多分、火を使ったときに移動するのだと思う」 そう答える。
実は、竜の世界に行く方法が確定していない。
恐らく火を使うと行ける。ゲート移動も、魔法の一種なのではないかと思うのだ。
ところが、試そうとすると、人が寄ってきてしまう。
少し遠巻きに見ているが、竜の尻尾の射程内だ。
これじゃ危ない。
「この周辺立ち入り禁止にしておかないと、危なくて試せないな」
そう言うと、
「ああ、予め通達出して、ラハイテスに警備してもらおう」 リナが言う。
緊急で、ストーンサークル付近を立ち入り禁止にする必要がある。
それには、けっこうな人数が必要だった。
幸い今はあてがある。
ラハイテス達だ。
熊を運び終わったら、あとは単なる邪魔者だと思っていたが、今の俺には必要なものだったようだ。
やはり、熊イベントも、はじめから仕組まれたものだったんだな……そう思った。
おそらく、俺はRPGのお使いイベントみたいなのを、アホみたいに順調にこなしているのだろう。
ラハイテスとブロソススワーレンを呼ぶ。
警備はラハイテスに頼むが、スワーレンは、ラハイテスがおかしな動きをしたら制圧しなければならないので、話を知らないと邪魔するかもしれない。
同じ話を聞いてもらう。
「明日、中華ま……黒い悪夢の迎撃訓練をする。危ないので、一帯の警備をして欲しい」
既に、トルテラが”黒い悪夢”を”中華まん”と呼んでいることは、多くの者が知っていた。
言い直さなくても、意味は通じる。
「やるのはかまいませんが、急すぎます。準備する時間が足りるか……」 ラハイテスが言う。
当然だ。俺が警備を考えずに竜と約束してしまったのがまずかった。
「訓練の内容は秘密なのか?」 スワーレンだ。
「あまり広まっても嫌だが、多分遠くからでも見えてしまうから、秘密にする意味はない」
変な言い方だが、実際そんな感じだ。
「見せてもかまわぬのなら、安全な場所に見物人を集める方が楽だろう」 スワーレンが言う。
ラハイテスのために、楽な条件を引き出したと言う感じだ。
俺は、なかなか良い子じゃないか!と思った。
が、褒めるわけでもなく、あっさり答える。
「その方がやりやすければ、そうしてくれ」
「立ち入り禁止の範囲は?」
「尻尾を振る練習だ。あの大きさだ。かなり離れて見て欲しい……
あと、立ち入り禁止が一目でわかる杭を立てて欲しい」
なんか、ラハイテスの秘書みたいなやつがメモ取りまくってる。
正式な命令書扱いになっちゃうんだろうか?
いや、べつにかまわないが、命令出すのが無職の老人ってのは、いろいろまずくないだろうか?
あとはダルガンイストへの説明。これはリーディアに頼む。
必要な時にはそこに居る。さすがリーディア。
「ダルガンイストに報告入れておいてくれ。無断でやると驚くと思うから」
そう言うと、頷いて言う。
「既に一報は入れてある。あとで改めて私が報告しに行こう」
完璧だ。変なポーズとかで俺をガッカリさせなければ凄く優秀なのに!!
そんなところで、解散する。
大雑把なことしか言っていないが、たぶんなんとかしてくれるだろうと思った。
信用していると言うか、ラハイテス、ブロソススワーレン、リーディアの3人は、軍人としてはなかなか優れている。その点では俺は信頼している。
だけど揃いも揃って脳筋で残念なのだ。
「それでは。私は報告に行く」 リーディアがイイ顔をしたので俺はガッカリした。
「おう、頼んだ」 一応、表面上は柔らかに言う。
変な顔するのは困るが、リーディアが居てくれて助かった。
リーディアはすぐ、俺ががっかりするような残念なことをするのだ。
その点、エスティアとリナは安心だ。脳筋じゃ無いし。
エスティアとリナを、警備の話にまで付き合わせてしまった。
「悪い、警備の話まで付き合わせちゃって」
そう言うが、帰ってきた返事は、ちょっと違ったものだった。
「あんまり無理しなくていいのよ。中華まん倒さなくても、良いんだから」 エスティアが言う。
「倒すのが目的じゃ無いから。ずっとひざまくらでもかまわない」 リナが言った。
俺はエスティアとリナに対する忠誠度が凄く上がった気がした。
ストーンサークルの周りを見渡して気付く。
ラハイテスの兵たちの食料生産のため、ストーンサークルの周囲には大量の大芋畑があるのだ。
「まずいな、迎撃練習で、大芋畑を破壊するかもしれない」
「それはおそらく問題ない。
ラハイテス達の食料調達のため、大量に畑を作ってある」 リナが言う。
それはわかるが、一部が破壊されても問題ないほど大量にあると言うことだろうか?
そう思ったが予想外の方向に否定された。
「宿舎の周辺でも栽培できる」とリナが言った。
宿舎と言うのはラハイテスとスワーレンの宿舎のことだろう。
だとすると、ストーンサークルからかなり距離がある。
ストーンサークルの影響力がそこまで届くとしたら、相当強力なストーンサークルと言うことになる。
「このストーンサークルは、そこまで強力なのか?」 そう聞くと、
「それもあるが、おそらくはあなたが滞在する間だけ、範囲が広がるのではないか?」 リナが言った。
「森に俺が住んでいなくても、森で大芋とれるのに?」
トート森は俺が居なくても大芋がとれる。
「竜が守る土地だからって言われてる」 エスティアが言った。
確かに、今となっては、ここも竜が守る土地なのかもしれないな……と思った。




