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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
17章.重機娘とデート編

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17-1.竜出現の影響

だんだんと、終活の時期が近付いてきます……

挿絵(By みてみん)


※基本土日祝日更新です。

スペランカーレベルに心の弱いおっさんの、とっても残念なお話です。おっさんが興奮しても凹んでもすぐに倒れてしまうお話なのです。生温かく見守っていただけると助かります。



題名が加齢臭で宣伝は終活で中身はパンツの話。こんなのどうやって収拾つけるんだよ!と思う方も多いかと思います。それは至って正常な判断かと思います。

面白いかつまらないかは読者様が判断することですので判断できませんが、一応、加齢臭も終活もパンツも繋がった話を最後まで投稿する予定です。お付き合いいただけるととても嬉しいです。


挿絵(By みてみん)


”竜が現れた。トルテラが竜を呼んだ”。この情報は一気に拡散された。

この世界には、竜の話はあるものの、実際に目にした者は、そう多くはなかった。

特に、竜が目撃されるのはトート森が多かった。


森に大きな竜が現れたことは、噂として伝わっては居た。

※ディアガルドがオーテル神殿跡地に来た時の話


あとは、散発する超巨大な竜の目撃談があるが、これは一瞬目撃されるもので、幻の類とされていた。

また、ダルガンイストの軍と竜が戦ったと言う噂も流れていたが、兵士たちの証言がバラバラで、信ぴょう性の高そうなものはあまり無かった。


ところが、今回の騒動は別で、森ではなく、ダルガンイストに巨大な竜が2体現れ喧嘩し、さらに、遥かに大きな竜が出て、先に来た竜を追い払った。


この光景を数百人が目撃していた。


間近で目撃したのは、ランデルの兵150人と、ダルガンイスト側の、ブロソススワーレン率いる50人。

その他、ダルガンイストの警備に当たっていた兵と、やじ馬で集まっていた兵で合わせて200人程度。

そして、さらに、やじ馬で集まっていた商人たち。


少し離れた場所からは、ダルガンイストの町側からも多くの人々が見ていた。


一度にこれほど多くの人が同じものを目撃することは、そう滅多に無い。


そして、竜が姿を見せた。そして、それを追い払うことができる竜が存在する。

これは、この世界の人間にとって、極めて大きな出来事だった。


商人は、情報を広めに走り回り、翌日には城下町にも届いていた。


ランデル勢、ダルガンイスト勢共に、あまりの熱狂ぶりに収拾がつかなくなっていた。

「見に来て良かった」、「あんなもの一生見られない」、見られたことを喜ぶもの。

「化け物だ」、「あんな恐ろしいもの二度と見たくない」 見て恐れを抱いたものに分かれた。


----


ラハイテスとカヤハルに情報収集の結果が報告される。


「トルテラ様は以前から竜の化身大鎧だと言われており、

 あの2頭を一発で黙らせた大きな竜が、トルテラ様の竜だったようです」

 

「トルテラ様の竜とはどういうことだ?」


「それが、トート森に伝わる伝承のようで、ここでは細かな情報は現時点では入手できていません」

報告の兵が答える。


情報は少ないが、見てわかったことがあった。

ラハイテスは言う。

「まあ、操ってるのか化けてるのかはわからないが、竜が出ても気にせず向かっていった。

 そういうレベルの存在ということだな。バカバカしいにも程がある。

 一発で城壁を破壊するほどの力だ。

 あれが襲ってきたら、勝負にならん。逃げる以外の選択肢はない」


リーディアは、グリアノスが破壊したと言ったが、見ていた者たちは知っていた。

城壁はグリアノスが当たって壊れたかもしれない。

グリアノスを壁に当てたのは、恐ろしく巨大な竜だった。


トルテラがあの竜を操ることができる可能性が高い。


「兵の様子はどうだ?」


「兵も恐れて帰りたがるもの、ますます神だと言う者も」


皆がまだ混乱収拾に走り回っている段階だと言うのに、ラハイテスはさらっと言う。

「あの男がダルガンイストに付くなら、私はダルガンイストと同盟を結ぼうと思う」


「え、そ、それは」 地区代表の一人が困惑する。


ランデルは小さな国だったが、交通の発達していないこの世界では、その小さな国でさえも、情報が伝わるには時間がかかる。地区ごとに抱えている問題や、希望も異なる。

ランデルの中でも地区に分け、その代表となるものが同行していた。


カヤハルが、各地区代表たちの代弁をする。

「我々は、トルテラ様の配下。同盟など結ばずとも、攻撃を受ける心配はない」


ラハイテスは答える。

「儀式を見せるという名目があるにしても、私から指揮権を奪いもせず、

 こんなに近くにランデルの150人もの兵を置くことを許した。

 もはや、我らは気にする必要の無いほど小さなものなのだ」


カヤハルの意見も、実は同じだった。


ダルガンイストの最大の武器は、ダルガンイスト要塞だった。難攻不落の要塞。

ところが、要塞は移動しない。最大の武器を使うには、敵がそこに来なければならない。


連合側から見て、ダルガンイスト要塞の外側に位置するランデルは、ダルガンイスト軍が要塞に立てこもると、アルガラトデルデから攻撃を受ける。その都合で、アルガラトデルデ側に付いているに過ぎない。


ダルガンイストの勢力が広がって、勢力図が塗り替われば勢力境界の国から離脱できる。

トルテラの竜、グラディオスの噂が広まれば、境界の国々は勝手にダルガンイスト側に付く。

それはもう既に決まっているようなものだった。

これだけの人数が実際に見てしまった以上、もう、どうやっても噂を止めることはできない。


嘘の噂を流したところで、証言者が多すぎる。


そして、貿易に関して凄い進展があった。

今までは、ガラドー(連合側)との貿易は、民間レベルであっても、あまり盛んでは無かった。

※民間レベルの貿易が禁止されていたわけでは無い


もともとダルガンイスト要塞は自然の地形を利用して作られた者であり、ガラドー(連合側)との間には、断崖絶壁が存在し、流通コストがかかりすぎるのだ。


ところが、ランデルの染め物を高値で買ってくれる商人が現れた。


染め物の場合、輸送コストに対して、物の価値が高いために、流通コストの問題があまり影響しない。

今まで需要が無かったために安値で取引されていたものが、ダルガンイスト相手では高値で売れる。

商人の名はヘレンと言い、ブロソススワーレンの実の妹。

貴族、武家になったブロソススワーレンとは別で、商家に残った。

ヘレンは、リーディアの弟の妻でもある。


この世界の社会では、まだまだ、こういった個人的な(つて)が強かった。

ラハイテスは、運命的なものを感じていた。

この関係をより強くしていきたい。そう考えていた。


「トルテラ様と、竜の関係についてはリーディア殿に詳しく聞く。

 だが、私はダルガンイストに付こうと考えている」


そう言って、ひとまずはお開きとなった。


========


この瞬間、勢力図が大きく塗り替わろうとしていた。


ラハイテスの兵も、ランデルの兵とは言いつつも、一人一人出身の村は異なる。

これだけの特ダネを、故郷に持ち帰らないわけにはいかない。


それは、兵も、兵を束ねる者もわかっているので、帰ることを許す。

ラハイテスの兵が150人に増えていたのも、情報収集のために加わった者が多いこともあった。


結局、50人近く減り、また100人程度まで人数は減った。


噂には尾ひれが付く。

一番大きな竜グラディオスは勝手に竜の王、竜王とも呼ばれるようになった。



ランデルの染め物は灰色と赤が多かった。

同じ赤でも土地によって色味が異なる。ランデルの赤は非常に色の変化が少ない鮮やかな赤だった。

ダルガンイストで言う”タンガレアの赤”は少し紫がかったものだが、ランデルの赤は、青味の少ない本当の赤。

使い続ければ色は薄くなるが、ダルガンイストの赤のように黄色っぽくならずに、赤いまま薄くなる。


タンガレアでは、赤系の染め物は多いので、あまり価値は上がらなかったが、ダルガンイストでは人気があることがわかり、早速、増産の準備を進めていた。

この染め物を加工するのはダルガノードだが、最終的な消費地は城下町だ。


実は、人々がトルテラのために買うものだった。


そう言った意味では、経済面でもトルテラの影響が大きかった。


========


同盟の話は水面下で進められ、ランデル兵たちの宿舎がダルガンイスト城門近くに作られる。

ここには水もある。

絶壁の上にあるダルガンイストの町と違い、ここでは少々深く井戸を掘れば水が出る。


対外的には、捕虜を中心として作られたリーディアの部隊だったが、実際には、ランデルの軍の出張宿舎であった。

その隣には、ダルガンイストの出張宿舎も建設され、一応監視の任に当たっていた。

ブロソススワーレンの部隊だ。


もちろん、城壁のストーンサークルに来る、中華まんの予想ルートは大きく外してある。


所属が微妙な関係上、ダルガンイストからは十分な量の物資は届かないので、主食は大芋、そして、染め物取引で得た金で物資を揃える。


城壁のストーンサークルに井戸を掘れば、きれいな水が出ると言うので、何本か掘ったが、そこでは、毎朝不思議な光景を見る。


トルテラが、髭剃りにやってくる。


今日はテーラの番だった。

いつもと同じ。ルルも居る。


ジョリ、ジョリ


ふんふん。

「におわない」

「におわない」


ジョリ、ジョリ


ぺた。


「くっつかない」

「くっつかない」


ここはストーンサークル。竜を呼ぶ儀式に使われた場所だ。

この光景に見られていない者たちは、神聖な儀式なのだと思い、ありがたく見守っていた。


ところが、この和やかな空気の中、トルテラは悩みまくっていた。


俺は中華まんとは戦わず、どこにも行かず何もしない。

そう言ってしまった。

このまま放置すれば、中華まんは、ストーンサークルを次々と破壊し、あと90日もしないうちに、最後のストーンサークル、カリオ神殿跡地のストーンサークルを破壊するだろう。


俺は、俺がそのとき消えてしまうかもしれないと思っている。


ところが、俺は竜の体の一部を人間側に持ってくることができることがわかった。

これなら、尾で攻撃することができる。

ここ、城壁のストーンサークルを攻めて来た時、尾で攻撃できるのだ。


だったら、倒しておいた方が女達と長い時を過ごせるかもしれない。


----


髭剃りの光景は、女達も周りで見ていた。

そして、何人かは、トルテラが何を考えているのか、ある程度想像がついていた。


家出のサークルが破壊される時見ていた。

トルテラの尻尾は、黒い悪夢、中華まんに対抗可能だが、人間のトルテラではサイズ的に無理だった。

ところが、トルテラの竜の尻尾であれば、恐らくあれを倒すことができる。


トルテラなら、倒すと言う選択をするかもしれない。

読者の皆様ありがとうございます。おかげさまで、12/16時点で総合評価850pt行きました。

そして大変ありがたいことに、平日減りにくくなりました。

減ると萎えるので、とても助かっています。


評価が目に見えるとやる気が出ます。

そろそろ終わりが見えてきましたので、積極的に感想募集します。反応があることが嬉しいので、感想ではなくネタ的な内容でも問題ありません(お気楽にどうぞ)。


挿絵(By みてみん)

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