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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
40章.戻ってきたおっさん

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40-02.おっさんフラグ立てる

挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)


========


俺は地球での歴史があの形で確定したことを再確認して安心した。

俺が望んでいた以上の形で確定できた。

払った代償も大きかったが……


「俺はあのまま消えてしまってもかまわなかったんだがな……」


そんなことを口走る。


もちろん、その選択ができないことはよく理解している。

俺がこの世界に来なければ、オーテルが生まれることは無い。

俺はオーテルが生まれてこない歴史を容認したくはないのだ。


俺がこの世界に来た理由もだいたいわかっている。

呼びに来たのはオーテルだが、オーテルは俺に会いたかっただけで、

俺をここに呼ぶための餌として使われただけ。


俺がここに呼ばれたのには理由がある。


そして、俺が今居る場所もわかっている。

オーテル神殿跡地。


俺は娘をオーテルと呼んでいた。

オーテルが俺を呼びに来て、俺が異世界に行くとここに着く。

そして、この場所の名はオーテル神殿跡地。

そう思っていた。


実際はどうなのかよくわからない。

この世界の人間は、オーテルをオーテルとは呼んでいない。


俺は、オーテル神殿跡地に住んでいる神様の名前はオーテルだろうと思っていた。

俺は神殿の名前は、神様の名前と一致すると思ったからだ。

だが、カリオ神殿跡地に住んでいる神様の名前はカリオ様ではなかった。


※本人はそう思っているようですが、”カリオ”はこのおっさんのことで、

 このおっさんがカリオ神殿の神様です。

 なので、このおっさんの認識が間違っています。


オーテル神殿跡地に住んでいる神様の名前は誰も知らなかった。


このあたりは歴史がねじ曲がっているので、元がどうで、どうして俺が、オーテルをオーテルと呼ぶようになったのかもよくわからない。


この場所はトート森にあり、カリオ神殿跡地とも近い場所にある。

俺が以前来た頃であれば、女たちはトート森で暮らしている。

だが、俺に尻尾が生えた以降であれば、女たちは城下町に居る可能性が高い。


尻尾が生えている前提の服が用意してあったことを考えると、女たちは森ではなく、城下町で暮らしている可能性が高い。


森から城下町は、普通の人間のペースで歩いて行くには、かなり遠い。

だが、この体の移動能力は非常に高い。


体調が万全なら2日もあれば行けそうだが、まだ尻尾が生えきっていない。

万全になるのには時間がかかりそうだ。


情報を集めるにしても、俺は、特定の誰かに会うまで、人からは認識されないかもしれない。

まずはエスティアに会えば良いのだろうか?


まだ、尻尾が生え途中で、この状態では、長距離は歩けない。

もうしばらく尻尾が生えるのを待ってから出発することにする。


出発までの暇な時間を使って神殿跡地を見て回る。

このオーテル神殿跡地はヒントが得られることがあるという稀有な場所なのだ。


歩き回ってみるとピンと来た。

頭の中にいきなりメッセージが届くような感じで、今まで見たことのなかった場面が見えた。


エスティアとリナ……ほかの女たちも一緒だったようだ。


女たちが俺をここまで探しに来たようだ。

それは、既に起きたこと。

過去に起きたことであることがわかる。

俺の主観ではなく、この場所の主観での過去。


女たちにとっての時間軸とも同じはずだ。


どうも、俺が横浜に帰ったあとも歴史が続いているようだ。

俺は、以前の続きに戻ってきたのだろうか?


さらに続きが見えた。


ラハイテスとスワレン、カヤハルが戦っている。

そこに女たちも……


なんで戦場にいるんだよ!!!!!!


「くそう、いつの話だ?」

今戦ってるから、今すぐ行けみたいな感覚が。


なんで、こんなタイミングでと思うが、このタイミングに俺が来るように調整されてたって感じか?

だが、戦場の場所がよくわからない。まずは拠点に行くことにする。

もう少し尻尾が伸びるのを待ってからにしたかったが、急いで出ることにする。


……………………


オーテル神殿跡地から出ると、体が重く感じる。

神殿跡地は、転移直後の俺が過ごすのに適した環境になっているのだと思う。

思った以上に、移動速度が稼げない可能性が高そうだ。


風があるわけでは無いが、神殿跡地の外は、時空のうねりのようなものがあって、進みにくい。

俺がいた時代より人が増えているのか、通行人が結構いる。

だが、やはり通行人に俺は見えていないようだ。


そして、通行人の動きがおかしい。

間欠的に動いている。

この現象は、過去経験した記憶がない。

きっと時間の流れが一定ではないのだと思う。


俺が動けていない時間があって、その期間がすっぽり抜けている感じだ。


神殿跡地を出発するのが早すぎたのかもしれない。


移動速度は万全な時と比べると1/5くらいだと思う。

さらに半分の時間しか動けていないとすると1/10ほどになってしまう。


それじゃ、普通の旅人の移動速度とかわらないくらいまで落ちてしまう。

これでは、急いで出発するよりも、尻尾が生えるのを待ってから出発した方がマシな気がする。


以前住んでいたお堂のサークルで休息する。


このサークルはかなり小さいが、それでも効果は大きいようで、

尻尾の伸びが早い気がする。

オーテル神殿跡地まで戻らずとも、ここでも問題なさそうだ。


ここは以前住んでいた場所で、もしかしたら女たちが居たりするのではないかと思って念のために寄ってみたのだが、最近人が住んでいた形跡はない。

井戸は使われているようだが、以前から、俺が住んでいないときにも、利用している人はいたと思う。

旅人も使うだろうし。


共用の井戸として開放したつもりはないが、空き家の井戸を使うのは、悪いことではない。

俺も、空き家にある井戸は勝手に使うし。


このお堂の様子は俺が知っているころと大差ないので安心する。

相変わらず建物の大きさの割に本体の部屋が小さい。

多少の劣化はあるが、俺が去ってから10年とかは経っていないと思う。

たぶん、もっと短い期間だと思う。


少し休むと尻尾がかなり生えたので、尻尾の装備をつけ直す。

これを一人でつけるのは厳しい。


尻尾は追いかけると逃げる。犬が自分の尻尾追いかけてくるくる回ったりするが、気持ちはよくわかる。

尻尾の先は掴めるが、尻尾鎧の装着は相当めんどくさい。


尻尾鎧を付けなおして早速出発するが、尻尾が生えたからか、ずいぶん走りやすくなった。


道は全体的に広く、森の外れまで来ると、俺が知っているよりも木が伐採されて草原が広がっていた。


お堂のサークルを見たときは、さほど時間は経っていないと思ったが、この風景の変化を見ると、何年かは経っているのかもしれないと思う。


短期間でこんなに変化するとは考えづらい。


次の日には尻尾の感じはそれなり良くなって、以前とさほど変わらない速度で走れるようになった。

ただ、時間の流れが歪んでるのは変わらず、たぶん、俺が動ける時間は半分くらいだと思う。

それでも常人の5倍くらいの速度で移動できるはずだ。


……………………

……………………


そろそろ城下町に着くころだが、見覚えのない風景が広がっている。

遠くに、拠点の丘が見える。


見覚えの無い風景が広がっているが、間違いなく、ここは城下町だ。

だが、俺が見たことのないところまで開拓されて拡大している。


やはり、あれからだいぶ時間がたっているのかもしれない。

それにしても、やけに畑が広がっているが、なんだ?


戦争のために兵糧を増産しているのだろうか?


畑をこれだけ広げるとなると、ある程度の時間がかかるはずだ。

あれから3期、4期(2年)くらいは経っているのだろうか?


屋敷には誰もいないようだ。

ユーリ、ゼストも居ない。

妙だ。皆どこへ行ったのだろうか?


攻め落とされたという感じではなく、拠点はそこに存在している。

だが、女たちは居ない。


たぶん、ラハイテスの国に行っているのだと思う。

既に戦闘が始まっているのか、相手が誰で、なんで戦っているのか知りたいのだが、

町の人たちと話ができない。

俺は、特定の人物に会うまで、存在を認識してもらえないのだ。


城下町の住民は、どうやら俺が来たことに気付いたようだ。

まあ、聖なるトイレが発動したからだと思うが。


だが、俺はここに居るのに誰も気付かない。


この瞬間思いついたのだが、もしかしたら、俺と同じように、人前に出てくることができないだけで、世の中には、神様がけっこうそこいらじゅうを歩き回ったりしているのではないだろうか?

なんて考えたりもした。


地面に文字を書いたら、意思疎通できるんじゃないかと思ったのだが、それもできなかった。

俺が触れることができるものは、ほかの人たちには触れることも見ることもできないのだと思う。


次はダルガンイストへ行ってみることにする。

新通路側に居る可能性もあるが、城壁下のサークルがどうなっているかも調べておきたい。

運がよければ、もしかしたら、ディアガルドかグリアノスと話ができるかもしれない。


女たちと過ごしたあの頃の風景が、すごく遠い出来事のように思えた。


俺は少々、女たちの存在を邪魔だと思うこともあったが、……なんか、どうでも良いことで理不尽な目に遭わされたりするから困ったりすることもあったが、あの暮らしは気に入っていた。


俺はあの暮らしを自分から壊そうと思ったことはあまり無かった。

まあ、ときどき逃げ出したりしたことも有るが、思い返してみると、

楽しいことも多かった。


あいつらのうち、1人でも欠けていたら俺は歴史を破壊してしまうかもしれない。

だから、たぶん、全員無事だと思う。


それにしても、なぜ、あいつらはそんな危ない場所に行ったのか。

俺が急に居なくなったせいで、あちこちの勢力から追われて、追い詰められているのだろうか?


……………………


まだ時間のうねりがあるが、トータルではそれなり早く動けている気がする。

たぶん、俺が動ける時間と俺以外が動ける時間の比率は1:1に近い。

俺が動ける時間は通常の半分程度。何かに当たると、当たっている間は俺の方が止まっている状態なのかもしれない。

通行人と接触すると、次の瞬間には通行人は通り過ぎている。

どういう仕組みかはわからないが、俺も相手もお互い触れることはできないようだ。

俺の声は相手には届かないようだが、相手の声は俺には聞こえる。

ただし、俺が動けるタイミングでしか聞こえないので、会話は飛び飛び。


ダルガンイストに着くころには夜になっていると思っていたが、昼間のうちにダルガンイストに着いた。

ダルガンイストは巨大な要塞で高低差が大きい。

連合側から行くと丘上側に出る。

一応、丘上のリーディアの屋敷に行ってみるが、女たちはいなかった。


ダルガンイスト下にはランデルの兵舎もない。

兵舎はともかくとして、兵舎のところにあったはずの新しいサークルが無い。


城壁下の大きなサークルは健在だった。良かった。

これが無くなると俺の行動の選択肢が非常に狭まるのだ。


そして、なぜかサークルは使用不能だった。

ディアガルド、グリアノスに会いに行くことはできないようだ。


この状態ではサークルも使用不能なのだ。

これでは竜と接触するのも難しい。


せっかくここまで来たものの、ランデルがどこにあるのか俺は知らない。

以前、ラハイテスの部隊と戦ったことがあるので、あの周辺だろうという見当はつくが、

正確な位置はわからない。


……と思ったのだが、さっきから、やたら馬車が走ってるのが気になる。

この場所で補給してまたどこかへ荷物を運ぶような感じだ。


以前はこんなに貿易は盛んではなかった。

それに、この荷は軍需品のように思える。


この先におそらく戦場がある。


そろそろ夜になる。

夜の間は輸送部隊は移動しないので、朝になるまで待たなければならない。

その後も輸送部隊についていくとなると、時間のロスが非常に大きい。


輸送部隊が動き出すまで何もできなさそうなので、城壁下のサークルに戻る。


サークルであれば、時間の揺れがなく楽に過ごせる。


一刻も早く女たちの安否を確認したい気持ちもあるが、おそらく、あいつらがピンチになると、俺は突然呼び出されたりするはずなので、そんなに心配しなくても良いとも思っている。


たぶん、ゆっくりでも間に合うから、こんな状況なのだ。


そう思った瞬間、足元が沈んだ。


「うお、なんで急に!」


※フラグ立てたからですね!



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