:若竹と紫陽花、そして黒い水の記憶――越後・初夏の散歩道
初夏の雨は、景色を優しく濡らし、眠っていた五感を呼び覚ましてくれます。
私の愛する地元には、この季節だからこそ出逢える、美しい情景と歴史のロマンが詰まっています。
まず足を向けたのは、湯田上温泉の静かな山の手。
「湯田上の 薫る若竹 露の候」
雨を含んだ柔らかな空気の中、すくすくと伸びる若竹たちが、青く瑞々しい香りを放っています。
しっとりと濡れた竹林を歩いていると、日々の喧騒が綺麗に洗い流されていくようです。
そのまま、すぐ近くにある護摩堂山の峠道へ。
ここの名物は、なんと言っても色鮮やかな紫陽花です。
「護摩堂の 紫陽花唄う 峠道」
雨を喜ぶように咲き誇る紫陽花たちは、まるで楽しげに合唱しているかのよう。
青、紫、ピンク。一歩進むごとに色を変える峠道は、雨の日だけの特別なステージです。
そして、山を下り、少し足を伸ばして新津の金津山へ。
ここは、かつて「日本の石油王」が築いた、日本最古の石油の里。
「草水や 栄華のなごり 金津山」
「草水」とは、燃える水、すなわち石油のこと。
いまは静かな緑に包まれた金津山ですが、目を閉じれば、かつてこの地を潤した空前の栄華と、泥臭くも熱かった人々の息吹が、かすかな石油の匂いと共にふっと蘇るのです。
若竹の香、紫陽花の唄、そして歴史のなごり。
雨の越後路には、千年の時を超えて今もひっそりと、豊かな物語が息づいています。
下手な小説もかいてます。よろしかったら、ご覧ください。あっちゅ、3年寝たいな太郎。




