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越後の散歩道から、あなたへ送る四季の言葉。  作者: あっちゅ寝太郎


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第4話:金と銀の二重奏、散歩道のフィナーレ

第4話 大人の作法に身を正し、日常の可笑しみにクスリと笑う。

 そんな賑やかな初夏の一幕を経て、私は再び、いつもの静かな散歩道へと戻ってきた。

 傾きかけた太陽の光が、道端の草むらを優しく照らし出している。

 ふと見ると、いつの間に緑からその色を変えたのだろう。

 お馴染みのコバンソウ(小判草)たちが、初夏の強い日差しをいっぱいに吸い込んで、見事な姿を見せてくれていた。

「コバンソウ 黄金模様に 衣がえ」

 ただ青葉が枯れていくのではない。

 初夏という新しい季節の訪れを祝うかのように、植物たちが自らキンキラキンの豪勢な衣装へと「衣替え」をしているのだ。

 風に揺れるその姿は、まるで小さな千両箱をひっくり返したかのように、辺り一面をパッと華やかに彩っている。

 足を止め、その黄金の波をじっと見つめてみる。

 よく見れば、輝いているのはコバンソウだけではなかった。

 千草ちぐさの茂みの中で、朝露を抱いた他の草の穂が、光を浴びて白銀の糸のようにきらめいている。

「ちぐさの穂 金と銀との 二重奏」

 優しく吹き抜ける初夏の風に揺られて、黄金のコバンソウと白銀の穂先が、サラサラ、チリチリと微かな音を立てて擦れ合っている。

 それはまるで、大自然が奏でる極上の二重奏デュエットのようだった。

 目に見える美しさだけでなく、耳を澄ませば聞こえてくる、静かで、しかし確かな命のメロディ。

 タンポポの綿毛に始まった私の小さな旅は、この金と銀の美しい音楽に包まれながら、静かに幕を閉じていく。

 移り変わる季節の中で、次はどんな景色が私を待っているのだろうか。

 心地よい風を胸いっぱいに吸い込みながら、私はまた、ゆっくりと歩みを進めるのだった。

あとがき

 これにて、『あっちゅ寝太郎の、初夏はつなつの風を追いかけて』の全四話、無事に幕引きと相成りました。最後までお付き合いいただき、心より御礼申し上げます。

 初夏の清々しい風に誘われて歩き出した散歩道でしたが、蓋を開けてみれば、自然の美しさに感動したり、己のお腹まわりに焦ったり、はたまたレストランでボーイさんを凍りつかせたりと、なんとも賑やかな道中となりました。

 格好いい大人の美学を気取りつつも、どこか抜けた日常の可笑しみ。それらを引き出しの奥から引っ張り出し、五・七・五の形に留めておくのは、私にとって何よりの贅沢な遊びでございます。

「なろう。にて 笑うは一人 与太彦か」

 私のそんな可笑しな失敗談を読んで、呆れる方もいれば、苦笑いする方もいらっしゃるでしょう。

 ですが、私のすぐ隣では、お調子者の「与太彦」が、今も「旦那、そりゃあ大事件だ!」と手を叩いて大笑いしている。そんな気がしてならないのです。

 読者の皆様の日常にも、クスリと笑える素敵な風が吹きますように。

 また次の季節、別の物語でお会いできることを楽しみにしております。

 ありがとうございました。

 ――あっちゅ寝太郎

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