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越後の散歩道から、あなたへ送る四季の言葉。  作者: あっちゅ寝太郎


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空に駆ける聖獣

夕暮れ時、ふと足を止めて見上げた空に、息をのむ光景が広がっていた。

ただの雲の切れ間、と言ってしまえばそれまでかもしれない。しかし、まばゆい逆光のなかに浮かび上がったその形は、どう見ても天を駆ける「麒麟」の姿そのものだった。

光り輝くたてがみをなびかせ、静かに、しかし力強く雲の海を渡っていく。その神聖な佇まいに、思わずスマートフォンのカメラを向けずにはいられなかった。夕闇が迫る前の、ほんの一瞬の逢魔が時。黄金色に縁取られたシルエットは、確かな存在感を放ちながら西の空をそめてゆく。


日々の生活に追われていると、私たちはどうしても足元ばかりを見て歩きがちになる。目の前の仕事、明日の予定、スマートフォンの小さな画面……。けれど、ほんの少し首を上げて空を仰ぐだけで、そこには想像を超える壮大なドラマが用意されているのだ。形を変え、姿を変え、私たちの心をどこか遠くの物語へと誘ってくれる。

「茜雲 麒麟を仰ぎ 照らす空」

「あま照らす 麒麟のすがた 空駆ける」

「夏の雲 亀や魚に 姿変え」

古来、麒麟は吉兆の印、穏やかな世の訪れを告げる聖獣とされる。また、千変万化する夏の雲は、ときに亀や魚の姿を結んでは消え、見る者の心を遊ばせてくれる。

この偶然の出会いが、私だけでなく、これを見てくれた誰かににとって、小さな幸運の兆しになれば嬉しく思う。形を変え続ける空の芸術は、一期一会の贅沢な贈り物だ。

今夜は少し、良い夢が見られそうだ。

皆さんの街の空には、今日、どんな景色が広がっていましたか?


ふと見上げた初夏の空に、息をのむような瑞兆が現れました。流れる雲が織りなした一瞬の奇跡を、言葉と写真、そして拙作の三句に託して。日常の喧騒から少しだけ離れ、仰ぎ見る空の広がりを感じていただければ幸いです。

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