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越後の散歩道から、あなたへ送る四季の言葉。  作者: あっちゅ寝太郎


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お掃除戦記と、お勝手の敗北――日常の連作句

いつもご一読いただきありがとうございます。本日は、日々の生活と執筆の中で生まれた句を、ひとつの物語としてご紹介します。私の部屋は、知る人ぞ知る「うなぎの寝床」のような細長い小部屋。日夜、時代小説の世界に浸りながらも、現実では「塵」との果てなき戦いに明け暮れております。一、塵の部屋 拭けども拭けども 降り積もる石川啄木のような心持ちで雑巾を走らせるのですが、拭いたそばから新たな塵が舞い降りる無常。掃除機という現代の得物を手に、狭い「うなぎの間」を戦い抜いた後は、文人気取りで一服しようとお勝手へ向かいました。しかし、そこでもまた別の「戦い」が始まります。二、真菜箸まなばしを 取りに台盤だいばん なんだっけ創作に没頭するあまり、意識は平安か江戸か……。何かを成そうと立ち上がったはずなのに、一歩歩けば目的を忘れる。この「忘却」こそが、執筆における最大の敵かもしれません。ですが、真の悲劇はこの後に待ち受けていました。先日、我が家に迎え入れたばかりの最新鋭、白く輝く豪華な電子コンロ。これで美味しいものでも、と意気込んだのも束の間。作句に呆けているうちに、スイッチの消し忘れという痛恨のミスを犯してしまいました。三、新物や はや消し忘れ 傷物に真っ白だったはずの「新物」は見事な焦げ付き。その惨状を前に、私は思わず天を仰ぎました。四、自信作 三方ヶ原の 家康か今の私は、武田軍に完敗し、ほうほうの体で逃げ帰った徳川家康そのもの。焦げたコンロを「しかみ像」のごとく見つめ、この敗北を糧に、次こそは「輝く」作品(と台所)を取り戻したいと誓う今日この頃です。皆さまも、冬の火の元と、創作中の「なんだっけ」には、くれぐれもお気をつけください。

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