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小旅行 うたを詠みました。
越後、春の断片を拾いながら。
車窓を流れる景色に、ふと心が動く。
言葉にするまでもないような、けれど書き留めておかなければ消えてしまいそうな、そんな旅の途中の即興です。
土の匂いと、霞む空。
春霞 田圃をみれば つちおこし
窓の外には、ぼんやりと霞んだ春の空が広がっていました。ふと目を落とせば、黒々とした土が掘り返されている。
これから始まる季節への、静かな準備がそこにはありました。
神の山に、心を洗われて。
弥彦坂 こころにそよぐ 若みどり
弥彦の坂をゆっくりと。
目に飛び込んでくるのは、生まれたばかりのような瑞々しい若緑。
木々を揺らす風は、いつの間にか私の心の中まで吹き抜けていきました。
水平線の先に、想いを馳せる。
波しぶき 君へとつづく 水の道
視界が開け、不意に現れた日本海。
弾ける波しぶきの向こう、光る海面が一本の道のように見えました。
その道の先、いま遠く離れた場所にいる「君」を想います。
(あとがき)
飾らない、小旅行の原風景。
特別なことは何もないけれど、この景色に出会えたことが、今回の旅のすべてだったのかもしれません。




