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陰陽師のしごと  作者: 遼東
肝試し
34/56

第34話 あ~止めて!!ギブギブギブギブ!!!ああああああぁぁあぁあぁぁああああぁぁぁぁあああああ!!!!




「ゆ~う。あそぼ~ぜ~」


・・・・んん・・・。


重いまぶたを俺の全力を持って持ち上げる。


誰だ!?

俺の久しぶりの安眠を奪った奴は。


その犯人を突き止めて叩きのめしてやろうと少し起き上がったとき、ドアが開く。


「勇。拓也くんと太郎くんが遊びに来てるわよ。起きなさい」


姉さんが俺を起こしに来たようだ。

それにしても拓也だったのかさっきの声は。

つーか、道路で大声出すなよ近所迷惑だ。


「え?んと、今日は何日?」


「8月7日。ちなみに今は昼の1時よ」


「え?1時?・・・・マジかよ・・・」


真偽を問うたが時計を指差され見てみると本当に1時であった。

今日は確か拓也と太郎になんか約束されていたような・・・。


「とにかく、皆待ってるわよ。早く着替えていきなさい」


「分かった。だから部屋から出てって」


「あら失礼」


姉さんを部屋から追い出すとすぐに着替えて携帯と財布を持って部屋を出る。


居間の近くを通ると、居間に祝詞と葵がいるのが見えたので挨拶と行って来ますを言いに行く。


「祝詞、葵おはよう。それと、これからちょっと出てくるから。葵も祝詞も互いにつっかかんなよ」


「分かってるわよ」


「勇様おはようございます。行ってらっしゃいませ」


葵はちゃんと挨拶を返してくれたけど、祝詞は・・・。まだ、俺が葵を連れてきたことが気に食わないみたいだ。


「だから何であんたは勇のことを『勇様』って呼ぶのよ!」


「だって勇様は勇様ですからです」


はあ。と一つため息をつき外に出る。



家の門扉の前で拓也と太郎が仁王立ちしていた。

いや、仁王立ちしてるのは拓也だけか。


「遅い!!」


と拓也。

俺は黙って拓也にヘッドロックをかける。


「勇。おはよう」


「ああ、まあこんにちはだけどな今の時間じゃ」


「ギブギブ。マジで!離して!」


「まあそうか」


「ギブギブギブ!!ギブアッブゥ!!!」


うるさいからしゃべってる時に殴っちまった。

舌とか・・・・切れたかもな。ハハハ。


「まあ、こいつはほっとくとして、今日はどこ行くんだ?」


「こいつが誘ったんだからこいつが決めるんじゃねえの?一応起こしとけよ」


「しょうがない。手間の焼ける奴だな。ほら、さっさと起きろ。腕折るぞ」


「二人ともさっきから俺に対して酷くねぇ!!?大体勇は原因作ったのに何が手間の焼けるだよ!!太郎は太郎でギブの大号令をシカトだしよぉ!!助けてくれたって良いじゃねえか!?こっちがお前らの腕折ってやるよ!!腕出せやごらぁ」


拓也は怒り来るって飛び掛ってくる。

俺はその頭を掴み振り回す。


「あ~止めて!!ギブギブギブギブ!!!ああああああぁぁあぁあぁぁああああぁぁぁぁあああああ!!!!」


3分後


「・・・・・もうヤダ・・・」


あきらめたようだ。

全く勝てない試合を申し込んでくるなよ。めんどくさい。

ていうか、マジでどこ行くんだよ。


「で、どこ行くんだ?」


俺が聞きたかったことを太郎が聞いた。








―――――世界の書

・・・式紙

陰陽師によって使われるもの。専用の札に霊力を込める事でそれに魂が宿り、動くようになる。神霊や妖怪などとは違い、意思を持たないため簡単に操れる。


―――――理の書

・・・式紙

存在しません



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