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関係ねぇ

昼時を過ぎて、店はようやく落ち着きを取り戻していた。


皿の音だけが、静かに響く。


姐さんが、ふっと息を吐いた。


「……私があの子に魔物討伐、勧めたのよ」


ぽつりと。


「責任は、私にもあるわ」


ルークは、何も言わない。


ただ、手を動かしている。


 


「なのに」


少しだけ、視線を向ける。


「全部あの子にぶつけるのは、不公平じゃない?」


 


沈黙。


 


ルークの手が、ほんの一瞬だけ止まる。


 


だが、何も言わない。


 


姐さんは、くすっと笑った。


 


「……なに」


軽く首を傾げる。


 


「危ないことしたのが気に入らない?」


 


一拍。


 


それとも、と続ける。


 


「別の理由?」


 


 


ルークの指が、わずかに強く皿を押さえる。


 


ほんの、僅かに。


 


姐さんは、それを見逃さない。


 


 


「……あんたさ」


 


さらっと言う。


 


「女の客と、楽しそうに話してたじゃない」


 


一拍。


 


「ずっと」


 


 


空気が、少しだけ変わる。


 


 


「それであの子が、ああなった」


 


 


言い切らない。


 


 


ただ、置く。


 


 


ルークは、黙ったまま。


 


 


だが。


 


 


その沈黙が、答えだった。


 


 


姐さんは、鍋に視線を戻す。


 


 


「……あの子、分かってないのよ」


 


 


小さく、呟く。


 


 


「自分が、何に振り回されてるか」


 


 


一拍。


 


 


「まぁ」


 


 


肩をすくめる。


 


 


「似た者同士だけどね」


 


 


 


カタン。


 


 


皿が、少しだけ強く置かれた。


 


 


 


ルークは、顔を上げない。


 


 


ただ。


 


 


「……関係ねぇ」


 


 


低く、吐き捨てる。


 


 


 


でも。


 


 


その声は。


 


 


さっきより、少しだけ荒れていた。

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