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第19話 夜勤主任は現場を選ぶ

監査結果は一週間で出た。


 宮坂は横流しと虚偽報告で解任。《煌牙》は一定期間の活動停止。白鷺メディアはダンジョン関連スポンサー契約を剥奪された。


 そして東港市は、補給センターの夜間運営を会社から切り離し、公共管理へ移すと発表した。


「大槻さん」


 姉崎が新しい書類を差し出す。


「市の調達管理室へ来ませんか。安定していますし、待遇もいい」


 ありがたい話だ。昔の私なら飛びついたかもしれない。


 でも、書類を見つめるうちに、答えは自然に決まった。


「お断りします」


 姉崎が目を瞬く。


「夜の搬入口を、独立した補給拠点として残してください。机の上から管理するより、現場で回したい」


 ちょうどそのとき、塚本と《ラフギア》の三人が新しい棚を運び込んでいた。片桐は救助班との共有ロッカー配置図を作っている。莉央は「夜勤補給便」の看板案を勝手に三種類も並べていた。


 いつの間にか、選ぶ前から形ができていたのだ。


「……本気なんですね」


「はい。私は現場の方が向いています」


 姉崎は少し考え、それからうなずいた。


「では、東港夜間補給ハブ。初代責任者として申請します」


 責任という言葉を聞いても、もう息は詰まらなかった。


 押しつけられるものじゃない。


 自分で選んだ責任なら、ちゃんと持てる。


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