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第12話 隠し通路の先の保管庫

監査を始めて二日後、【棚卸】の白文字が、今まで見たことのない密度で点滅した。


 搬入口の西側壁面、その向こう。


 通常の保管量ではありえない数の回復薬、魔力電池、投光フレア、簡易食糧、結界杭。しかも全部、正式な棚番号がない。


「壁の先に、部屋があります」


 姉崎と片桐、莉央、それに立会人として塚本を連れて、旧換気通路の扉をこじ開ける。通路の奥は長年使われていないはずなのに、床には新しいタイヤ痕が残っていた。


 突き当たりの鉄扉を開けた瞬間、全員が息をのむ。


 そこは丸ごと一つ、隠し保管庫だった。


 高級回復薬、スポンサー向けの撮影用装備、救助班予備物資、さらに昼勤用の帳票束まで、きれいに分類されている。分類されていること自体が、犯人が現場の物流を熟知している証拠だ。


「……宮坂だけじゃない」


 私は棚札を見てつぶやく。


 《煌牙》専用、白鷺メディア案件、夜勤責任転嫁用返品、と手書きされた札がある。


 莉央が低い声で言った。


「雑だね。長く続いて、慣れすぎた人の字だ」


 姉崎は即座に封鎖を指示し、片桐は救助班員に警備を回した。


「これで疑いじゃなくなった」


 片桐の言葉に、私はうなずく。


 やっとここまで来た。


 ただの『見える』じゃない。見えたものを、誰にも消されない形にできた。


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