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レオン覇道戦記  作者: 慈架太子


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第6章:聖教公国の闇と星を喰らう者

「……ひ、光の……『昇天儀式』など……すべて、嘘だ……」


騎士は、ガタガタと震える顎を必死に動かし、泡を吹きながら言葉を絞り出しました。レオンの放つ「ヒール」の温かな光が、かえって次の激痛を予感させる恐怖の象徴となり、彼の心を完全に粉砕しています。


「教皇……あの御方は……信者たちの『祈り』を、魔力として回収しているのではない。……彼らの『絶望』と『魂』そのものを……地下の……『根』に、捧げているのだ……!」


ミレイユがお椀型の胸を鋭く上下させ、理系らしい冷徹な分析を口にします。

「『根』ですって? 精神エネルギーを大規模に吸い上げるための魔導回路……いえ、生体組織に近い何かをこの地下に植え付けているというの?」


「そうだ……。奥の聖域にある……『古の種子』を芽吹かせるため……五千人の信者を……一斉に……捧げる……今夜……その、『最終降臨』が……行われる……」


騎士の告白によれば、教会の地下には巨大な魔導生物が根を張っており、今夜の「大祭」に合わせて集まった数千人の信者たちを、一気に養分として飲み込もうとしているというのです。


「主の……名は……『星を喰らう者』……。教皇は……神の代行者などではない……ただの、餌付け役だ……ぐ、あああぁっ!」


騎士がすべてを吐き出した瞬間、彼の胸に刻まれた教会の紋章が黒く発火しました。口封じの呪印です。


「バルト、バルク、術式の解体を! セレス、抑えて!」

「間に合わない! 術式が内部から……!」


ミレイユの叫びも虚しく、騎士の体はどろりとした黒い液体へと溶け落ち、後には不気味な沈黙だけが残されました。


「……今夜、五千人が犠牲になる、か。掃除のしがいがありそうね」

エルザが剣を鞘に納める音を響かせ、氷のような殺気を放ちました。




「面倒なことはしない。全部、破壊だ」


レオンのその一言で、九人の行動指針は決まりました。隠密工作も説得も不要。元凶そのものを、その基盤ごと物理的に消滅させるのみです。


「了解しました。論理的に見て、根源を断つのが最も再発防止率が高いですから」

ミレイユがお椀型の胸を期待に膨らませ、バルトとバルクに視線を送ります。


「がっはっは! 掃除どころか、更地にしてやるぜ! バルク、出力全開だ!」

「応よ! この腐れ地下空洞ごと、圧縮して潰してやる!」


バルクとバルトが同時に床へ手を突くと、巨大な魔力波が教会の地下全体を駆け抜けました。土魔法と構造解析による「大規模崩落」の連鎖が始まり、おぞましい儀式の紋章が刻まれた石材が、悲鳴を上げるように砕け散っていきます。


「エルザ、ヴァレリア、逃げようとする教会の幹部たちは一歩も外へ出すな! セレス、奥の『種子』を凍結封印し、私が粉砕するまでの時間を稼げ!」


「任せて!」

セレスが両手を掲げると、地下空洞の奥底から迫りくるおぞましい触手のような「根」が、一瞬にして絶対零度の氷柱へと変わり、動きを止めました。そこへエルザとヴァレリアが、逃げ惑う不浄な司祭たちを「魔力纏い」の圧力で一箇所に叩き伏せ、包囲網を完成させます。


「さて……これで終わりだ」


レオンが「アイテムボックス」から取り出したのは、ミレイユが設計し、バルクとバルトが鍛え上げた特大型の魔導爆縮弾。


「ピュリフィケーション・グランド・ゼロ」


レオンが起爆の魔力を流し込むと、地下空洞の最深部で、太陽にも匹敵する純白の浄化光が爆発的に膨れ上がりました。

「星を喰らう者」の種子も、信者の魂を啜っていた魔導回路も、そして権力に溺れた教会の腐敗も、その圧倒的なエネルギーの前では塵一つ残さず消失していきます。


地上では、大祭に集まっていた信者たちが、足元から伝わる巨大な震動と、大聖堂の隙間から漏れ出す眩いばかりの聖なる光に目を見張りました。


数分後。

そこには、不気味な気配が完全に消え去り、ただ清浄な風だけが吹き抜ける広大な空き地と、地下の膿を出し切って崩落した教会の残骸だけが残されていました。




レオンが目を細め、周囲の残滓を冷徹に分析しながら指先を地面に触れました。


「何か弱すぎるな。……索敵」


レオンの魔力が同心円状に広がり、更地となった地下、そしてさらにその深層へと透視するように浸透していきます。ミレイユもお椀型の胸を波打たせ、自身の魔導センサーとレオンの索敵を同期させました。


「……! レオンさん、反応が多層化しています! 今私たちが破壊したのは、地上の『目眩まし』と、エネルギー供給用の『末端』に過ぎません!」


バルトが解析結果を叫びます。「構造的に不自然です! 崩落した地下空洞のさらに150メートル直下……そこに、物理的な空洞ではなく『亜空間の位相』が重なっているポイントがあります!」


レオンの索敵網が、その「違和感」を捉えました。

先ほど粉砕したはずの「種子」は単なるダミー。本当の本体――「星を喰らう者」の幼体は、教会の直下から街全体の地下に張り巡らされた広大な「魔導神経網」の中心で、今まさに羽化の準備を整えていました。


「……あいつ、笑ってやがる」

アランが地下の闇を睨みつけました。


索敵の先、深淵の底に座すのは、教皇の姿を借りた「何か」。

そいつは、レオンが放った浄化の爆発さえも「古い殻を脱ぎ捨てるための刺激」として利用し、より強大で禍々しい魔力を膨れ上がらせています。先ほどの騎士など比較にならないほどの、深淵の底から響くような圧力が、地面を通じて九人の足元を揺らし始めました。


「本番はここからのようね。……ヴァレリア、準備はいい?」

エルザが剣を抜き直し、不敵な笑みを浮かべました。




レオンは一切の容赦を捨て、右手に全魔力を収束させました。


「小細工はもういい。その根底にある醜悪な真実ごと、完全に消し去ってやる」


ミレイユがその膨大なエネルギー出力を検知し、お椀型の胸を激しく上下させながら叫びます。「レオンさん、出力が臨界点を突破しています! バルト、バルク、衝撃波の指向性制御を! セレス、熱核反応の暴走を抑えて!」


「任せろ!」「がっはっは、地面が消し飛んでも知らねえぞ!」

仲間たちが周囲に防御と集束の陣を敷く中、レオンの指先から極大の光弾が放たれました。


「ピュリフィケーションバレット・フルバースト」


それは単なる魔法ではありませんでした。物理的な破壊を超え、概念そのものを浄化する純白の奔流が、更地となった教会の跡地を貫き、地殻を飴細工のように溶かしながら深層へと突き進みます。


直下150メートルに隠されていた亜空間の位相が、その圧倒的な正のエネルギーに耐えきれず、ガラスが割れるような音を立てて崩壊しました。


「ギ、ギィイイイイイアアアアアアアッ!!」


深淵の底から、聞いたこともないような異形の断末魔が響き渡ります。街の地下全域に張り巡らされていた魔導神経網が、フルバーストの余波で一瞬にして焼き切られ、養分を吸われていた大地が本来の輝きを取り戻していきます。


「理論上の最大出力をさらに超えるなんて……レオンさん、あなたという人は」

ミレイユが驚愕に目を見開きながら、消滅していく「星を喰らう者」の残滓を記録します。


光が収まった後、そこには底も見えないほどの巨大な大穴が空いていました。教皇も、異形の神も、彼らが数百年かけて築き上げた陰謀の全てが、レオンの一撃によって原子レベルまで浄化され、この世から完全に消滅したのでした。




レオンが再び鋭い視線で周囲の索敵を行うと、大穴の縁に近い瓦礫の影に、僅かな生命の鼓動を感じ取りました。


「まだ生き残りがいるな……」


歩み寄り、その姿を「鑑定」したレオンの瞳に、驚きの情報が流れ込みます。


そこに倒れていたのは、漆黒の装束に身を包んだ、息を呑むほどの美女でした。シオンと名乗るその女性は二十五歳。長身で、装束越しにもはっきりと分かる豊かな巨乳は、ミレイユのそれとはまた異なる、重力に従うような美しい釣鐘型をしています。さらに、引き締まった腰つきから続く巨尻は、戦士としての鍛錬と女性としての肉感が見事に融合した、圧倒的な存在感を放っていました。


しかし、特筆すべきはその属性でした。


死霊術師ネクロマンサーでありながら、魂の色は一点の曇りもない『善人』……。それに、この立ち振る舞いは……」


瀕死の重傷を負いながらも、シオンは薄く目を開け、レオンを見上げました。その話し方は、隠しきれない高貴さと気品に溢れています。


「……あな、た……が……。この……忌まわしき『根』を……断ってくださったの、ですね……。感謝、いたしますわ……。わたくしは、一族の不祥事を止めるべく……潜入しておりましたが……力、及ばず……」


彼女は教会の腐敗を内側から正そうとして返り討ちに遭い、先ほどの異形の騎士へと改造される寸前だったようです。善なる魂を持ちながら、死者の声を聴く禁忌の術を修めたがゆえに、孤独な戦いを続けていたのでしょう。


ミレイユがお椀型の胸を揺らしながら駆け寄り、シオンの状態を素早くスキャンしました。

「レオンさん、彼女の魔力回路がズタズタです。ですが、この魂の波形は本物……。彼女を助ければ、教会の残党や貴族社会の裏事情について、極めて精度の高い情報が得られるはずです」


エルザも剣を納め、同性から見ても見惚れるようなシオンの美貌と、その強い意志を宿した瞳を見て、レオンに頷きました。



ミレイユさん 助けて



レオンの指示を受け、ミレイユは即座に膝をつき、シオンの容態を確認しました。


「了解しました。これほどの高密度の善性を持つ魂が失われるのは、論理的な損失でもあります。……バルト、バルク! 彼女を水平に維持して、周囲の魔力濃度を安定させてください!」


ミレイユはお椀型の胸を緊張で小さく波打たせながら、精密な魔導医療術式を展開しました。シオンのズタズタになった魔力回路を一本ずつ丁寧に繋ぎ合わせ、レオンのヒールが最も効率よく浸透するように調整していきます。


「……あ、あな……た、が……」

シオンが再び薄く目を開けました。その潤んだ瞳に、懸命に処置を行うミレイユと、静かに見守るレオンの姿が映ります。


「喋らないでください、シオンさん。心拍、魔力圧、共に危険域を脱しました。あなたの高い精神力と、レオンさんの純粋な回復魔力が合わさって、細胞の再構築が始まっています」


数分後、シオンの青白かった肌に朱が差し、豊かな釣鐘型の胸が安らかな呼吸と共にゆっくりと上下し始めました。死霊術師という、世間からは忌み嫌われる職にありながら、誰よりも清らかな魂を持つ彼女。その絶世の美貌に、安堵の表情が浮かびます。


「……救って、くださったのですね……。わたくしのような……日陰に生きる者を……」

シオンは震える手でレオンの裾を掴もうとしましたが、ミレイユに優しく制されました。


「今は休んで。あなたの『本当の戦い』は、これから私たちが終わらせてあげますから」


エルザやセレスも、自分たちに引けを取らないほどの強さと美しさ、そして深い悲しみを背負ったシオンを、温かな眼差しで迎え入れました。




ミレイユの迅速な処置とレオンの魔力によって、シオンは自力で上体を起こせるほどに回復しました。彼女は乱れた装束を整えようとしましたが、その豊かな釣鐘型の胸が動くたびに大きく揺れ、高貴な仕草の中にも抗いがたい肉感的な艶やかさが漂います。


シオンはレオンの正面に座すと、深々と頭を下げて話し始めました。


「命を救っていただいたこと、重ねて感謝いたします。わたくしは、北方の名門家系に連なる者……ですが、一族が教会の禁忌に手を貸していることを知り、勘当を覚悟で出奔いたしました」


彼女の瞳には、強い正義感と悲しみが宿っています。


「あの地下にいたのは、教皇が異界から呼び寄せた寄生生命体の一部に過ぎません。本体は滅びましたが、問題はその『苗床』を準備した者たちです。わたくしの生家を含む複数の貴族が、不老不死の対価として、領民の魂を教会へ横流しする契約を結んでおります」


シオンは震える指先で、懐から一枚の羊皮紙を取り出しました。そこには、汚職に手を染めている貴族たちの名簿と、彼らが隠し持っている私兵の配置、そして次に生贄として捧げられる予定の村々のリストが記されていました。


「今夜の儀式が失敗したことで、彼らは証拠隠滅のために、関与した村を『伝染病』の名目で焼き払うつもりでしょう。特に、ここから最も近いカストル子爵の隣領……そこが最初の標的になるはずです」


彼女の話を聞き、エルザは鋭い殺気を放ち、ミレイユはお椀型の胸を怒りで高鳴らせました。


「……なるほど。掃除すべきゴミの居場所が、これでハッキリしたわね」

エルザが剣の柄を叩くと、シオンは毅然とした表情でレオンを見つめました。


「レオン様、どうか……わたくしも連れて行ってはいただけませんか? 汚れた血脈の末裔として、この手で一族の罪を清算したいのです。死霊術師の力、必ずやお役に立ててみせますわ」



レオンは、シオンの清廉な魂と絶世の美貌の奥にある不退転の決意を認め、その細い肩に手を置きました。


「シオン、君に僕の全権能を授ける。それを使って、君の手で一族の呪縛を断ち切れ」


レオンが魔力を解放すると、地下空洞は白銀の光に包まれました。レオンの保持する全属性の魔法、そして「浄化」と「破壊」の極意が、ダイレクトにシオンの精神へと転写されていきます。

「……あ、あぁ……っ! 凄まじい……なんて深く、透き通った力……!」

シオンは潤んだ瞳を見開き、溢れ出す全能感に身を震わせました。彼女の豊かな釣鐘型の胸が激しく上下し、授けられた聖なる魔力がその全身を巡るたび、死霊術師としての暗い残り香が純白の輝きへと塗り替えられていきます。長身で、巨尻を包む漆黒の装束が魔力の風に激しくたなびき、彼女は神の代行者にも等しい威風を纏いました。


「よし、全員。リストにある腐れ貴族を一斉に殲滅する。手分けして、塵一つ残すな」


レオンの冷徹な号令と共に、十人の英雄たちは夜闇へと散りました。


【殲滅の夜:同時多発「清掃」】


■レオン・シオン・ミレイユ班

シオンの生家である公爵領へ。シオンはレオンから授かった「ピュリフィケーション・ノヴァ」を迷わず放ちました。一族が地下に隠していた大量の生贄と禁忌の魔導具は、断末魔を上げる暇もなく、純白の炎によって原子レベルで浄化されます。

「さようなら、わたくしの過ち……」

シオンは気高く言い放ち、一族の罪を灰に帰しました。ミレイユはお椀型の胸を揺らしながら、押収した膨大な不正蓄財を、論理的な再分配システムによって瞬時に各地の貧民街へと転送していきました。


■エルザ・セレス・ヴァレリア班

武力で領民を圧していた武闘派貴族たちの要塞を襲撃。エルザの神速の刃が私兵を無力化し、セレスの絶対零度が逃げ道を塞ぎます。最後はヴァレリアが「俺たちに逆らうのが間違いだったな」と、屋敷の門ごと貴族を粉砕。民を虐げた特権階級の傲慢は、彼女たちの圧倒的な武力の前に、見る影もなく崩れ去りました。


■バルク・バルト・アラン・ブライト班

金権政治の拠点となっていた商業都市の貴族街を担当。バルトが魔導障壁を無力化し、バルクが「がっはっは! 土に還してやるぜ!」と地面を隆起させ、豪華な屋敷群を地底へと引きずり込みます。逃げようとする悪徳商人と癒着貴族は、アランとブライトの鉄拳によってことごとく沈黙させられました。


わずか一晩。朝日が昇る頃には、大陸全土に巣食っていた腐敗の「根」は完全に消滅していました。名簿に載っていた貴族は全員、跡形もなく消え去り、権力の空白地帯には、レオンたちが用意した適正な統治代行者が配置されました。


「……終わりましたわ、レオン様」

任務を終えて戻ってきたシオンは、朝日を浴びて神々しく輝いていました。その豊満な肉体と高貴な美貌、そして万能の魔力を備えた彼女は、もはや最強の戦友の一人です。


「ああ、掃除は終わった。これからは、新しい世界を作る時間だ」





レオンが鋭い視線で、更地となった教会の跡地、そして殲滅した貴族領の残滓を再び射抜きました。


「あまりにも軽すぎる。……索敵、深度最大」


レオンの放った索敵魔力が地殻を突き抜け、次元の境界さえも透過して広がります。ミレイユも即座にその意図を察し、お椀型の胸を緊張で強張らせながら、魔導デバイスの出力を最大に引き上げました。


「レオンさん……! 物理的な反応じゃありません。因果律の底、この世界の『歴史の影』に何かが潜んでいます!」


シオンが巨尻を揺らしながら一歩踏み出し、授けられたばかりの全魔法を駆使して、死霊術師特有の霊的次元を視認しました。彼女の豊かな釣鐘型の胸が激しく波打ちます。


「わたくしにも見えますわ……。消し飛ばしたはずの貴族や教皇たちの『怨念』が消えていない……いえ、何者かがそれらを『苗床』として、この大陸そのものを生贄に捧げる『巨大な儀式魔術』の最終工程に入っています!」


レオンの索敵が捉えたのは、先ほど殲滅した貴族たちの屋敷跡を結ぶ、大陸全土を覆う巨大な「魔法陣」の輝きでした。貴族や教会を殲滅したことさえも、その「死」と「混乱」のエネルギーを抽出するための計算の一部だったのです。


「……なるほど。僕たちに掃除をさせることで、効率よく生贄の魂を収穫していたというわけか。趣味が悪いな」


レオンの視線の先、空間が歪み、漆黒の亀裂が走りました。そこから溢れ出したのは、先ほどの異形とは比較にならないほど濃密な、この世の理を拒絶するような絶望の波動。


「がっはっは! 掃除しきれなかったゴミがまだいたか。バルク、バルト、今度は大陸ごとひっくり返す準備をしておけよ!」


エルザとヴァレリアが武器を構え、セレスが周囲の空間を氷結させて次元の揺らぎを固定します。アランとブライトも魔力を練り、いつでも跳べる体勢を取りました。


「シオン、ミレイユ。君たちの知見で、この偽りの空の『裏側』を暴け。……今度こそ、根こそぎ終わらせる」




レオンが周囲の空間に漂う不気味な神聖魔力と、先ほどの騎士たちの武装、そしてシオンが語った腐敗の構造を照らし合わせると、一つの結論が浮かび上がりました。


「……ここは外国か。聖教公国、といったところか?」


その言葉に、シオンが巨尻を揺らして一歩前に出、釣鐘型の胸を痛ましげに上下させながら深く頷きました。


「左様でございます。ここは大陸の最北端に位置する、神権政治の頂点『聖教公国』の直轄領……。わたくしの生家も、この国の枢密院に名を連ねる名門でしたわ」


ミレイユはお椀型の胸を波打たせながら、周辺の地図データと索敵結果を照合し、論理的に補足します。

「道理で、教会と貴族の癒着が異常なほど強固なわけです。この国では宗教教義そのものが国法であり、逆らう者はすべて『異端』として処理される。先ほどレオンさんが粉砕した地下の組織は、この国の心臓部へと繋がる巨大な供給路の末端に過ぎません」


「聖教公国……。神の名を借りて、大陸全土から吸い上げた魔力で、あの『星を喰らう者』の完全体を育てていたってわけね」

エルザが蔑むように言い放ち、銀光の剣を鋭く振りました。


この地は、他国を裏から操り、信仰を隠れ蓑にして世界を食いつぶそうとする巨悪の拠点。レオンたちが先ほど掃除したのは、あくまでこの巨大な国家という怪物の「皮膚」を剥いだ程度に過ぎなかったのです。


「本丸はこの先にある聖都……そして、そこにある『大聖堂』の最深部か」

レオンが視線を向けた先、地平線の向こうには、美しくも禍々しい光を放つ巨大な尖塔が、偽りの神々しさを湛えて聳え立っています。




レオンは静かに目を閉じ、体内の魔力を極限まで練り上げました。世界の理を構成するマナの奔流を掌握し、距離という概念をゼロに上書きする高次演算――「転移魔法」を、その卓越した知性によって一瞬で取得、構築しました。


「全員、僕の周りに集まってくれ」


レオンの言葉に従い、仲間たちが一箇所に集います。エルザは剣を握り、セレスは冷気を纏い、ヴァレリアは大剣を肩に担ぎます。アラン、ブライト、バルト、バルクの四人も、それぞれが戦いの予感に胸を昂ぶらせていました。ミレイユはお椀型の胸を緊張と期待で波打たせ、レオンの展開する魔法式の美しさに目を奪われています。そして、新たに加わったシオンは、授けられた全魔法をその身に宿し、巨尻を落ち着かせながら釣鐘型の胸を静かに上下させ、亡き一族の罪を終わらせるための覚悟を固めていました。


「行くぞ。ターゲットは聖教公国、大聖堂の心臓部だ」


レオンが指先を鳴らすと、周囲の空間がガラスのように砕け散り、十人の姿は一瞬にして掻き消えました。


次の瞬間、彼らが降り立ったのは、白亜の石材で築かれた荘厳かつ巨大な建造物の前――聖教公国の象徴である「中央大聖堂」の広場でした。


見上げるほどの高さを持つ尖塔からは、人々の祈りを無理やり吸い上げているような、歪んだ神聖魔力が絶え間なく溢れ出しています。大祭の最中なのか、周囲には数多の信者や教会の聖騎士団がひしめいていましたが、突如として空間を割って現れた十人の異様な威圧感に、誰もが言葉を失い立ち尽くしました。


「な、何奴だ……!? ここをどこだと思っている、不敬だぞ!」

色めき立つ聖騎士たちが武器を構えようとしましたが、レオンは一歩前に出ると、冷徹な瞳で大聖堂の最深部を射抜きました。


「掃除の続きを始める。邪魔をするなら、この建物ごと消し去るだけだ」


レオンの背後で、ミレイユが魔導解析を開始し、バルトとバルクが大聖堂の地盤を掌握。シオンは授かった浄化の魔力を指先に灯し、エルザたちはいつでも突入できるよう殺気を研ぎ澄ませます。


聖教公国の心臓部。偽りの神が座すその玉座の前で、レオンたちの最後にして最大の「掃除」の幕が上がりました。




レオンは大聖堂の威容にも、押し寄せる聖騎士団の怒号にも、一切の関心を示しませんでした。ただ、この巨大な建築物の底に巣食う、世界を蝕む病巣の核だけを見据えます。


「問答は不要だ。塵一つ残さず、浄化する」


レオンが右手を天に掲げると、大聖堂の周囲に渦巻いていた歪んだ神聖魔力が、恐怖に震えるように霧散しました。代わって、レオンの掌にはこの世のものとは思えないほどの純白の輝きが凝縮されていきます。


「レオンさん、出力が……計測不能です! 周囲の空間が耐えきれません!」

ミレイユがお椀型の胸を激しく波打たせながら叫び、即座に仲間たちへ防護結界の展開を指示しました。バルトとバルクが地脈を固定し、シオンが授けられた浄化の魔力でレオンの出力をさらに増幅させます。シオンの豊かな釣鐘型の胸が、放たれる光の余波で激しく揺れ動きました。


「ピュリフィケーションバレット・フルバースト」


放たれた光の奔流は、もはや魔法という枠を超えた「神罰」そのものでした。


大聖堂の厚固な門、幾千もの魔法障壁、そして最深部で高笑いを上げようとしていた教皇ごと、白銀の光がすべてを飲み込みました。爆音すら置き去りにする圧倒的なエネルギーが、公国の心臓部を真っ向から貫きます。


光が収まったとき、そこには数秒前まで聳え立っていた白亜の大聖堂も、それを守っていた軍勢も、跡形もなく消滅していました。ただ、レオンの魔力によって穿たれた、清浄な空気の流れる巨大な空間と、浄化された真っさらな大地だけが広がっています。


「……論理的に言って、これでこの国の『核』は完全に消滅しました」

ミレイユが静かに告げました。


聖教公国の絶対的な支配は、レオンの一撃によって文字通り「無」に帰したのです。



レオンは、浄化の閃光が消えた静寂に満足することなく、さらに鋭く、意識の糸を世界へと広げました。


「まだだ。本質的な違和感が消えていない……。サーチ・フルバースト!」


レオンの全魔力を注ぎ込んだ極大の索敵波動が、大聖堂の跡地を中心に、聖教公国の全土、さらには隣接する諸国の地殻深層、そして「空」の向こう側に広がる多重次元の壁さえも激しく震わせ、透過していきます。


ミレイユはお椀型の胸を激しく波打たせ、自身の全リソースをレオンの波動解析に同期させました。

「レオンさん、これ……ひどい……。さっきの大聖堂も教皇も、単なる『避雷針』に過ぎなかったのね。彼らが世界中から吸い上げていた膨大な魔力と魂……その九割が、この座標の『真下』ではなく、空間を歪めて別の場所に転送されています!」


シオンが巨尻を落ち着かせ、授けられた全魔法を総動員して霊的な追跡を開始しました。彼女の豊かな釣鐘型の胸が、解析の負荷で激しく上下します。

「……見つけましたわ。この国を形作っている大地そのものが、巨大な『生体魔法陣』の蓋になっています。わたくしたちが先ほど浄化したのは表面の皮膚だけ。真の『星を喰らう者』の心臓は、この大陸のプレートの下、マントルの層に直接寄生し、星の鼓動マナを直接啜っています!」


レオンの「サーチ・フルバースト」が捉えた真実は、あまりにも巨大でした。

聖教公国とは、星のエネルギーを効率よく吸い上げるための「吸い飲み」であり、その下に眠る本体は、一国どころか大陸そのものを食い破って羽化しようとする、文字通りの終焉の化身。


「なるほど。道理で手応えが軽かったわけだ」

レオンが冷徹に呟くと、仲間たちの空気が再び研ぎ澄まされます。エルザは剣を抜き、セレスは周囲の空気を絶対零度まで引き下げ、ヴァレリアは地面に深く大剣を突き立てました。


「がっはっは! 今度は星の底まで掃除しなきゃならねえってか。やりがいがあるぜ、レオン!」

バルクとバルトが地殻の構造を組み替え始め、星の深淵へと続く「門」を強引にこじ開けようと魔力を練ります。



レオンは、地底深くで脈動する「星の寄生体」という真の元凶を前にしても、その瞳に一切の動揺を見せませんでした。ただ、この星の病巣を根こそぎ抉り出すという、明確な殺意のみを魔力へと変換していきます。


「星の底で眠っていれば逃げ切れると思ったか。……終わりだ」


レオンが右手を大地に向けた瞬間、その掌にはこれまでを遥かに凌駕する、神々しくも絶対的な「聖なる白光」が収束しました。


「レオンさん、出力が……っ! 星のコアまで影響を及ぼすレベルです! バルト、バルク、地殻の崩壊を防ぎながら、光の指向性を一点に集中させて!」

ミレイユはお椀型の胸を激しく波打たせながら、精密な魔導演算で射線を固定します。シオンもまた、授けられた全魔法をレオンの右手に捧げるように重ね、釣鐘型の胸を震わせながら浄化の祈りを込めました。


「ホーリーバレット・フルバースト」


放たれたのは、物質的な破壊を目的とした光ではありません。邪悪、腐敗、そして「寄生」という概念そのものを宇宙の因果から消去する、究極の浄化弾です。


白銀の閃光は、数千キロの地殻を一瞬で透過し、マントル層に蠢いていた「星を喰らう者」の心臓部を直撃しました。


「グガガ、ア、アアアアアアアアアアッ!!」


大陸全体が震えるほどの、絶望に満ちた断末魔が地底から響き渡ります。しかし、その振動もレオンの放った聖なる光によって瞬時に鎮められ、不浄な魔力は清浄なマナへと還元されて星の血管へと還っていきました。


数瞬の後。

大陸を覆っていた不穏な重圧は完全に消え去り、大地からはこれまでにないほど澄み切ったマナが溢れ出し始めました。寄生虫を取り除かれた星が、初めて安らかな呼吸を取り戻した瞬間でした。


「……終わりましたわ。レオン様、あなたの光が、この星の悲鳴を止めてくださいました」

シオンが巨尻を落ち着かせ、安堵の涙を浮かべながらレオンを見つめます。仲間たちもまた、やり遂げた満足感と共に、武器を納めました。


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