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三つ星シェフと泥つきニンジン
第9話です。廃村サーバー黒字化を進めます。
料理ギルドの三つ星シェフが、泥つきニンジンを見て固まった。
「洗っていないのか」
「土壌分析付きです」
湊は札を見せた。甘味値、香り、収穫時刻。泥を落とさないことで鮮度を保ち、情報を添えて価値を上げる。
「一本二百Gです」
「高い」
「隣町では三十Gです。ただし、味は運です」
シェフは一本かじり、無言で箱買いした。
その日の昼、セリカ村のニンジンを使った限定スープが料理ギルドで出た。スクリーンショットが拡散され、村には料理プレイヤーが集まった。
「種を売ってください」
「売りません」
湊は即答した。
「代わりに契約農地を貸します。収穫の二割を村に納めること」
プレイヤーたちは顔を見合わせ、すぐに契約した。土地は余っている。湊一人では耕せない。なら他人の労力で村の売上を増やせばいい。
夕方、村の畑に初めて他人の看板が並んだ。
廃村は、湊だけの救済対象ではなくなっていた。
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