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井戸を直す前に、請求書を並べます

第2話です。井戸より先に支払期限を見ます。

 井戸を直すには五万Gかかる。


 チュートリアル妖精はそう言ったが、湊は首を振った。


「今すぐ直さない」


「水がないと作物が育ちませんよ」


「育てる作物を絞れば、雨水タンクで一日もつ」


 湊は村役場の床に請求書を広げた。十七枚のうち、今日期限が来るものはない。三日後の二十万Gが最初の山。その前に必要なのは井戸ではなく、売上が立つ畑だった。


「全部直そうとするから廃村になる。最初は売れる場所だけ直す」


 倉庫から古い樽を三つ運び出し、屋根の穴の下に置く。雨漏りを修理する金はない。なら雨漏りを水源にする。


 ジャガイモの区画だけに水を入れる。残りの畑は放置。掲示板に「草抜き一束三G」と書いて出すと、暇そうな初心者が二人やってきた。


「クエストですか」


「クエストじゃない。雇用」


 湊は雑草を受け取り、三Gずつ払った。その雑草は家畜商に薬草もどきとして一束五Gで売れる。


 初心者は経験値をもらい、湊は差額を得る。


「これ、農業じゃなくないですか」


 妖精が言う。


「農業だよ。畑の周りのお金まで見るのが、経営だ」


 夕方、湊の手元には三百二十Gが残った。負債八百万から見れば小石ほどの金額だ。


 だが収支表の一行目は、たしかに黒字だった。

次回、売れないカブを加工します。

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